表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
末席魔王。オーリス・ロイスは今日もサボりたい。  作者: 嘘つきな猫
第3章 続 末席脱出 編
32/97

オーリスの本気? 後編

ゆっくり見てってくださーい( ^^) _旦~~

 

「待たせたな、ウータン。それじゃさっさと終わらせようか」

「オーリス。貴様・・・ふざけた真似ばかりしやがってっ!」

「別にふざけてないけど」



 涼しい顔で目の前に立つオーリスをウータンは歯ぎしりしながら睨んだ。



「オーリスは大丈夫かな?」

 

 不安そうにディアはファウスに質問した。


「さー。オーリスが本気なのはわかるが真面目にやるかは疑問だからな」

「真面目にやるわよっ!」

「あいつはいつも真面目にさぼってるの知ってて言ってる?」

「それはただの、不真面目じゃないっ!」

「あいつはそんな男だよ。 でもオーリスの負ける姿は正直、想像できないから大丈夫だろ」


 ファウスは呆れた顔で笑った。


「ディア、愛する人を信じて待つのも女性の甲斐性なのよ。その相手がどんな相手であれ、全て優しく包み込みそして相手の愛を無尽蔵に注がれても満たされる事のない。いくらでも愛を注ぎたくなり、飽きさせない価値がある器がないと男はいずれ自分から去っていくの。 だからあなたはオーリスの愛をいつ、どれだけ注がれたとしても受け止められる器を作りなさい」


「はい。お母様っ!私は待てる女になりますっ」

「ところでディアは誰を待つのかしら?」


 ディアを揶揄うようにアオスは笑って質問した。

 その質問にディアは顔を赤らめて返事をすることはなかった。

 そんな2人を見てアマドは子供の成長を喜んでいたのだった。


「ディアのためにも、こんなところで負けるようなら私がみっちりと鍛えなおさないといけないでしょうけど」

「それは是非お願いしたいものです。 冷たい紅茶でもいかがですか?」


 3人の会話にフフルが加わった。


「フフルさん。お久しぶりですね。でもあなたがいれば問題なさそうですけど」

「そんな。いつもオーリス様には振り回されてばかりで」

「でもあーやって魔王でいられるのも周りの助けがあっての事。妹に代わって感謝しなくてはね」

「もったいないお言葉です」



「おっ、そろそろ動くかな?」

 

 ロハスはサーシャを膝の上に座らせバリボリとお菓子を頬張りながらオーリスの動きを見ていた。


 そして対峙した2人は同時に動き始める。


「召喚した相手は互角っ!ならば俺とお前の単純な力の勝負っ!」

「いや、俺のリアが圧勝だと思うけど」


 オーリスは自分の後ろを振り返った。

 オーリスの目の前には骸骨兵を蹂躙し終り、さっきまでの戦いが嘘のように花々が綺麗に咲き誇った花畑が広がっていた。



「隙ありっ!」


 オーリスがウータンから視線を外した瞬間、ウータンはオーリス目掛けて飛び掛かった。


「危なっ!」


 ウータンの拳はオーリスにかわされ、地面に突き刺さり、そして地面が割れた。


「不意打ちは卑怯だろっ!」

「卑怯が何だっ!勝つことが全てっ! 勝者こそ正義っ!」

「お前がどの口で正義を叫んでるんだよ・・・。正義に謝れっ!」


 オーリスの言葉を無視せてウータンは連続でオーリス目掛け、何発も拳を打ち込む。

 オーリスはその拳全てを避け続けた。


「どうだ、オーリスっ!反撃できるのならしてみろよっ!」


 ウータンは攻撃の手を休めず物凄い速さでオーリスを攻め続ける。

 そしてオーリスの動きを読みきりはじめたウータンの拳がオーリスに当たり始めた。

 避けきれない拳をオーリスは腕で弾き拳の直撃を防ぐ。


「とうとう避けきれなくなったか。それなら次はこれでどうだ?」


 ウータンは自分に強化魔法を施し拳の威力を上げる。

 ウータンの拳を正面から防御したオーリスは勢いよく後方に弾き飛ばされた。

 前傾姿勢になり地面に指を突き立ててその勢いを減速させ堪えるが、なかなかその勢いは衰えない。


 その間もウータンは正面から魔法を放ちオーリスをさらに追い詰める。


「焼け死ねっ!」

 大きな火球をオーリスへ撃ち続けながらオーリスとの距離を詰めてくる。


「さすがにこれは受けたら熱そうだ」


 そう言って地面を蹴り空に逃げた。


「そう来ると思った」


 オーリスの後ろにウータンがすでにいた。

 体を反転させてウータンの蹴り防いだがそのまま背中から地面に叩き落とされる。


 その様子を見て1人の女性が感情を高ぶらせていた。


「大丈夫かな~。オーちゃん大丈夫かな~。・・・私、殺っちゃおうかな・・・殺しちゃおうかな・・・」

「落ち着いてください。どうかどうかっオーリス様が負けたわけでもないのでご信望をっ!」

「ぶち殺したくなってきたな~。オーちゃん痛そうだし癒してあげないとな・・・・」

「誰かーっ!誰かってー!オベル様を押さえつけてーーー。助けてーーー。死ぬーーーっ!!!」


 オーリスの様子を見てオベルの感情が爆発寸前となっていた。

 周りではどうにか気持ちを抑えようとてんやわんやしていたが、オーリスには全く関係ないので割愛。


 地面に横たわるオーリスへ容赦なく火球をぶち込み、最後に特大の雷撃を落とした。


「さすがに死んだか?」

 焦げた地面を見てウータンは笑う。

 そして勝利を確信した。


 土煙が収まるとそこにはまったく動くことがない横たわるオーリスの姿があった。

 

「勝負は決した。お前のすべてを頂く・・・・」




「勝手に殺すな」


「しぶといな。そのままでいたら命だけは助かったかもしれないのに」

「お前、馬鹿だろ。命があってもそれより大切なものを失ったら生きている意味がない。それこそ死んだ方がましだ」 

「命よりも大切なもの?そんなものあるわけないだろっ!自分が全てっ!他がどうなろうと知ったことかっ!」

「そっか。お前はまだ見つけてないんだな」

「何を言っているっ!死ねっ。オーリスっ!!!! 次は全力だっ!全てを巻き上げ逃げ道を奪えっ!」


 ウータンは両手を広げて魔法を唱えると、突然嵐のような暴風がオーリスの立っている場所を中心に渦を巻き始た。

 

「これでお前は逃げられないっ。ただ死を待つだけの籠の鳥」


 オーリスは興味本位でその暴風に触れてみた。

 指を弾かれ何本かの指が切断された。

 

「へーすごいなこれ。これが風魔法か。けど中心は意外と安全なんだな。それに上は空いてるし簡単に逃げられそうでよかった」

「馬鹿だろっ!なんで触れてんだよっ」


「いや、初めて見たから」

「それは攻撃するためのものじゃないからっ!お前の逃げ道を奪い、次への攻撃の布石っ!」

「いや、攻撃の布石とか言ってる時点で布石でもなんでもないだろ」

「いちいち突っ込むなっ!」

「悪いっ、つい癖で」

「その減らず口も今日までだけどな。上空が開いている理由を教えてやるっ!これで終わりだっ!オーリスっ!!」


 オーリスを捕らえた暴風は勢いを増して次々と花々を吸い込み巻き上げ中心部分に向かって地面を削りながら狭まっていく。

 さらに逃げ道がなくなるとウータンは開いた上空から雷撃が降り注いだ。

 雷撃は地面が揺れるほどの威力で何度もオーリスが立っている場所を目掛けて突き刺さる。



 そして最後に完全に暴風が中心に集まるとウータンは自分の腕が焦げるほどの雷撃をオーリスにを打ち込んだ。

 ウータンの放った雷撃は地面をえぐり大きなクレーターを作り、同時に巨大な竜巻を吹き飛ばし土煙を上げた。


「オーリスっ!!!」

 ディアは叫んだ。


「どーだ。オーリス・・・・」

 ウータンの全力。

 自分の腕を犠牲にしてまでも放った渾身の一撃。

 それは魔力を大きく消費させ、さすがのウータンも疲労を見せ息遣いを荒くした。

 



「さっきの答えだけどまだすることあるからさ、死ぬならお前が死んでくれ」


 姿は土煙で見えはしなかったがその言葉だけがウータンに届いた。


 そしてそれは一瞬出来事だった。


 ウータンの胴体が半分に切断され、そのまま地面に崩れた。

「ゴボッッッッ・・・ナジガ・・・オゴッテッッッ・・・」



 土煙が晴れるとそこには真っ白な鎧と真っ黒な鎧をきた2人の後ろにオーリスが立っていた。


「えっ!ヤバッ!!!! 白騎士さんっ!やり過ぎだってっ! 殺すくらいの気持ちでとは思ったけど!まじで殺しにいくなよっ!」


「・・・・・」

「・・・・・」


「いつも通りの無言ね。いや、わかってるけど一応言っておこうと思って。まぁー、俺が悪いかぁー・・・。」

 攻撃を無傷で防いだ黒騎士と、ウータンを一撃で切断した白騎士は傅いたまま声を発する事はなかった。



 オーリスはベルゼに向かって叫ぶ。

「ジジィっ!こいつは瀕死だから、もー俺の勝ちでいーだろっ?」


 ベルゼは答える。

「どちらかが負けと認めるか、相手が死ぬまで決着はつかない。それがルールだ」

「どーみても俺の勝ちだろ?こいつほっといたら死ぬぞっ」

「それはならん。魔王同士が望んだ勝負。負けた者は潔く死ぬ。それが敗北した魔王の最後の役目」


 他の魔王達もそれに続く。


「その通りですとも、魔王の敗北ほど綺麗でなくてはならない」

「勝者が敗者を気遣うのは何事にも耐えがたい屈辱でしかないんだよ。オーリス君」


 アマドも口を噤んでいた。

 こればかりは2人の勝負、アマドであっても口出しできなかった。


「ウータンとこの貴族なり誰でもいいからこいつを助けてやれっ!お前たちの魔王だろ?」


 その言葉に返答はなかった。

 そしてウータン側の魔族達は1人として動かなかった。



 魔王が死ねばまた新たな魔王を選出する。

 そうなれば自分が魔王の座につける。かもしれない。

 だからウータンには死んでもらったほうが好都合とゴリト領地の貴族はみなそう思っていた。


 しかし、勝ったはずのオーリスは違った。


 魔王だから負けたら見捨てていい?

 それこそが魔王の役目?

 魔王はそうでなくてはならない?


 そんなわけあるか、こいつのお陰で領地が広がりそこに住む領民、貴族が潤っている。

そんな簡単に切り捨ててもいいのか?


魔王なのに?


オーリスはそんな事を考えていた。



「どーなるかと思ったが・・・・俺の小遣いも」

「当然の結果ですね。それよりあなた何か言いましたか?」

「いやぁー。何でもないよアオス」


「Zzz。Zz・・・・」


「お母様やりましたよっ! オーリスが勝ったわっ!・・・あれ??」


「お見事でです。オーリス様。 それとサーシャ起きなさいっ!」

「Zzz。。Zzz・・・zzっ!!!!」


 ロハスとサーシャはお腹一杯でオーリスの勝つ瞬間を見ずに寝ていた。



 オーリスはウータンの横に座る。

「おい。ウータンまだ生きているだろ?」

「当たり前だ・・・。そう簡単に・・・死ねるか。俺がどれだけ・・・努力して」

「分かった、分かった。力入れると死ぬのが早まる」

「お前に言われなくても・・・まさか末席に殺されるとは。自分が情けない・・・」


「ところで、お前のとこの貴族どもは誰も助けてくれないみたいだな」

「だらーな。むしろ喜んでいるだろ」

「よっぽど酷い魔王だったのかお前?」

「お前よりは・・・魔王らしかったと思うが。魔王は死ぬ時だって孤独なもの」

「かっこいいな。でも死ぬぞ、いいのか?」

「仕方ない。私は負けたの・・・だから」


 オーリスはニヤリと笑った。


「今負けたって言ったよな?」

「この姿が勝者に見えるか?最後までふざけた奴だ」


「さすがに勝者には見えないか」

「何を笑っている?俺に勝ったことがそんなに・・・嬉しいのか?」

「いや、勝ちとかには特に興味ないっ。それにもー、勝ち負けはどうもいい」



「ジジィっ!聞こえたよなっ!」

「・・・お前が勝者だ。勝手にしろ」


 ベルゼは勝負が着いたのを見届けるとその場から去っていった。


「ファウスっ!!!」

「もうここにいるよ」

「はやっ!」

「お前が考えそうなことは大体わかる。付き合い長いから」

「俺はお前の事よくわかんないけどな」

「なんでだよっ!」

「そーだ、リアには近づくなよ。それと友達の紹介も無理だと思う」

「分かってんじゃねーかっ!」


 冗談を言いながらファウスは切断されたウータンの体を繋げ始めた。


「何をしている・・・俺に恥をかかせるつもりか?」

「子供が見てるからな。さすがに俺が誰かを殺したところを見せる訳にはいかないだけ。どうしても死にたいなら自分の領地に帰ってからでも死ねよ」


 それに関しては、サーシャは寝ていたのでオーリスの活躍をまったく見ていなかった。

 なのでそこは関係ない。



「ふざけるなっ!おれはっ!」

「はいっ。お前、五月蠅ーいっ!  ゴンッッ!!」


 ファウスはウータンの顎を殴って気絶させた。


「えげつなっ! 死にそうな相手に止め刺すとかお前に心はないのかっ?」

「こっちだって必死に集中しているんだからな、周りでごちゃごちゃ騒がれたら迷惑なんだよっ! それに止めは刺してねーよっ!」



 ウータンをファウスに任せてオーリスはフフルの元に飛んだ。


「勝ったんで今回はなしですよね?」

「はい、しっかりと見ておりました。しかし、相手を気遣うところは魔王としてどーかと思いますが」

「すいません。ほっとけなくて」

「でも、そんな優しいところはウル様にそっくりなんですから」

「そーなのか?」

「早く着替えて下さい。そんなに汚れて、汚れだって簡単には落ちないんですよっ!」

「いやー、頑張ったかいがあったよ。疲れたー」


 そう言ってオーリスは仰向けに倒れた。



「オーリスっ!!」

 その上にディアが飛び込んで来た。

「オーちゃんっ」

 オベルも更にそこに割り込むようにオーリスに抱き着く。


「何してんのよっ!あなたは邪魔っ!」

「ここは私の領地なの~だからオーちゃんは私のなの~・・・離れろビッチがっ!」



「えいっ!」

 なぜかサーシャもその上に飛び込んできた。


「重い・・・・疲れってるから・・・」


「「重くないっ!!」」

「すいません・・・。重くないけどどいて下さい・・・疲れたぁー」


「なんでオーリスが疲れているの? 結局オーリス何もしてないじゃん」

「・・・・・」


 そんな事言いながら空からリアが降りてきた。


「あなたは誰っ!突然現れて、馴れ馴れしいっ!」

 ディアがリアに質問した。


「私? よくぞ聞いてくれた魔族の子よっ!我は・・・・」

「だからなんで名乗ろうとしてんだよっ!」



「オーリス。相手は慎重に選ばないといけませんよ」

「そーですよね。アオスお姉様・・・できたら助けてもらえませんか?」

「幸せを幸せと認識できない相手は男の屑ですよ。精進なさい」


そう言い残してアマドと共に笑いながら去っていったか。



その頃ファウスは遠くから嘆いていた。


「くそー。なんで俺だけこんな筋肉ゴリラの相手をしなきゃならないんで・・・・不幸だぁーーーー!」



 ファウスの嘆きが静かに木霊した。




何とか後編でまとめることができました。

嘘つきな猫です( ゜Д゜)


テストやらでなんだかんだ先延ばしにしてしまってすみませんでした。

もう少し後日談を書いてから、新章に突入したいと思います。

人間がほとんど出てこなかったのですがこれからどんどん出てくる予定です。あくまで予定です( 一一)


今後ともオーリスと白騎士、黒騎士共々宜しくお願いいたします(^^)/

気が向いた下から評価と感想をお願いしまーす

( *´艸`)


※ポイント評価は小説家になろうにログインして最新話の下からポチポチしないと出来ないみたいです。自分最近知りました(°_°)ワラ


それではまたーψ(`∇´)ψ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ