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第五話:スキルLv上げ

(さて、魔力操作を上げるとは決めたものの……どうすれば上がるんだ?いつの間にかLv3になってたけど、そもそもなんで上がったんだ?)

『先程の戦闘で、マスターはとどめをさすとき無意識に手足に魔力を集めていました。その影響だと思われます』

(えっ!そんなことしてたの俺⁉もう一回やってみよ)


スケルトンは相手にとどめを刺した時の腕に力を込めたときの感覚を思い出しながら、もう一回力を込める。しかし……


(だめだ~、なんも変わんない)


結果は失敗。どうやら一度成功したからといって、もう一回成功するようなものではなさそうだ。


(そもそも魔力なんてよくわからんし、それをいきなり操作しろって言われても、多分これ分かりやすく例えるといきなり尻尾生えた人間に芸をしろって言ってるようなもんだぞ)


元日本人のスケルトンにとって、魔力とはあまり馴染みが無いものだ。それがいきなり使えるようになったからといって、すぐに操れるわけがない。戦闘中手足に魔力を集めることができたのは、いわゆる火事場の馬鹿力という奴だろう。


(今まで無意識でやったことを意識的にやるようなもんなんだろうけど、そもそも魔力ってどこをどう意識すればいいのかわからん)

『モンスターの魔力の発生源は胸中の魔石です。そこを意識すればうまくできるはずです』

(魔石?なんだそれ?)

『モンスターの魔力の源であり、人間の間では質によって相応の値段で買い取られたり、魔道具の動力源になったり、杖の先端に付けて魔法使いの杖にしたりと、様々な方面で有効活用されています』

(へぇ~、言われてみれば、肋骨ろっこつに遮られて上からじゃ見づらいけど、俺の胸の中にもあるな、魔石)


その魔石は、濃ゆい紫色のごつごつした水晶みたいだった。


(そっかぁ~、これに意識向ければよかったんだ。やっぱ叡智は頼りになるな。異世界で持つべきものは叡智だぜ!)

『…………』

(やっぱ質問以外じゃ返事してくれねぇか。虚しくなるな)


心に少し寂しさを抱えたまま、スケルトンは座禅を組んで瞑想を始めた。


(魔石がある位置に意識を集中させるんだ。それ以外のことは考えるな。ただ、そこにある魔力を感じ取るんだ)


スケルトンは意識を集中させる。それ以外のことは考えず、雑念を取り払い、必死に瞑想に没頭している。すると、変化は唐突に訪れた。


『スキル瞑想Lv1を習得しました』

(…………)


スケルトンは気づかない。集中しすぎで脳内アナウンスさえ気づいていない。


『スキル瞑想がLv2に上がりました』

『スキル瞑想がLv3に上がりました』

…………

…………


いつまでそうしていただろうか。空腹も人の気配もなく、雑念を消すものはなく何時間も瞑想を続けていた。


『スキル瞑想がLv5になりました』


その時、ついに変化が訪れた。


(なんだ?この胸の中にある温かいものは?そうか、これが魔力なのか)

『スキル魔力感知Lv1を習得しました』


(まだぼんやりとしか分からないけど、とりあえずこれを動かすイメージでやってみよう)


スケルトンは、魔力が自分の右腕に集まるようイメージする。そして……


(よし、成功だ!)


イメージしたとおり、魔力は右腕に集まった。


『スキル魔力操作がLv4に上がりました』

「カラカラカラカラ!!!(よっしゃぁあああああ!!!)」


スケルトンは思わず声に出して喜んだ。カラカラとしか聞こえないが。そして、喜んでまた変な踊りを踊り出した。しかも、かなり動きが激しい。一段とカラカラうるさくなっている。しかし、その踊りは唐突に終わることになった。


(あれ?なんか……頭が……ぼやける。何で………?)

『魔力枯渇の症状です』


スケルトンは、叡智の言葉を最後に意識をうしな…………わなかった。


『称号お調子者を入手しました』


その言葉を最後に、今度こそ本当に意識を失った。称号は……名称的に不名誉なものだった。



この調子で、スケルトンは最強になれるのだろうか?


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