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第三話:初戦闘

数分ほど辺りを探索していたら、目の前にスケルトンが歩いているのが見えた。


(おッ、経験値はっけ~ん。1体くらいなら自力で倒せるかな?)


近くに仲間がいる様子もないし、スケルトンは一対一タイマンには少し自信があった。それに、MPの残りも心配だったので早めに仕掛けることにする。

そして、スケルトンは相手に向かって勢いよく突っ込んだ……つもりだった。少なくとも、本人的には。


おそっ⁉)


そう、このスケルトンの体は非常に遅い。本人は全力で走っているつもりでも、せいぜい早歩き程度だった。なので、相手は向かってくるスケルトンの存在に気付いてしまった。


(そういえば敏捷性めっちゃ低かったっけ?クソッ、まずは自分の体のスペックを確認しとくべきだった!)


いまさらそんなことに気付いても後の祭り。反省は後にして目の前の相手に集中することにする。

相手は右手でパンチしてくるが、ものすごく遅い。目で完璧に見切れる。


(ぐぇッッ!!)


なのに避けきれない。走る動作が遅ければ避ける動作も遅いのだ。目で追えても体が追い付かないほどに。


(痛って……あっ!痛くない。次はこっちの番じゃコラ!)


スケルトンの右ストレート。そのパンチはやはり遅かったが、相手の避ける動作も遅かったので割とあっさり決まった。


(っしゃあ!ここでたたみかける!)


続けて左ジャブ、右ストレートと交互に出していくが、その右ストレートが決まる前に相手のカウンターが迫る。

だが、その動きもやはり遅い。自分の遅さを知ったスケルトンは、もう意表を衝かれたりしない。右ストレートに出そうとした腕をカウンターを止めるために使う。手首をつかんだあと、その手首をひねりながら背後に回り込み関節技をかける。


(へっ!こちとら家庭の事情で関節技には自信があんだよ!)


スケルトンの前世の家族構成は父、母、姉、自分の四人家族。そのうちの姉がかなりやんちゃで、ことあるごとに関節技、寝技、投げ技、プロレス技を試してくるとんでもないやつだった。

それを回避したり逆にこっちが技をかけたりしているうちに、いつしか自分も関節技の類が得意になっていた。

そして、相手の右腕の肘から先の骨を外した。

そのことに驚いて、思いっきり隙だらけになっている。その隙を逃さず、今度は相手を押し倒し、馬乗りになって顔を思いっきり持ち上げる。プロレス技でいうキャラメルクラッチだ。だが……


(くっそ、しぶとく抵抗しやがって。しかも骨だけで筋肉がないから技をかけづらい)


今まで筋肉のある人間に技をかけ続けて、それが骸骨に変わったら、それはかけづらくなるだろう。しかし、そんなことを言ってられる状況でもないので、とにかく腕と足に力を込める。


(こんのぉおおおおおお!!!)


そして、ついに相手の背骨が折れた。


『スケルトンのLvが3に上がりました。スキル魔力操作がLv3に上がりました』


(ふ~、勝ったぁ~!あぁ~、不死族アンデットなのになんか疲れた。なんで?)

『肉体的に疲れない不死族アンデットでも、精神的疲労は感じます』

(あっそ。なるほど)



スケルトンは見事初勝利をおさめた。しかし、この程度の相手に精神的疲労を感じているようでは、最強など夢のまた夢である。




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