プロローグ
「ふっふふん♪ふっふふん♪ふっふっふ~ん♪ふっふふん♪ふっふふん♪ふっふっふ~ん♪」
この下手くそな鼻歌を歌いながら大通りを歩いているのは俺こと白骨三途。
平々凡々なオタク趣味の14歳中学二年生です。現在、欲しい漫画が発売されたため、本屋に行く途中です。鼻歌は上機嫌な俺の気持ちの表れです。そのまま赤信号の横断歩道を……
「おっと危ない!」
渡るような真似はせず、きちんと信号が青のなったのを確認して歩き出す。そして……
「ぐぅえっっ!?」
トラックに轢かれた。そのトラックは一度止まるも、すぐに動き出した。どうやら轢き逃げらしい。
最悪だ。血が止まらない、体中が痛い、つか、まだ欲しい漫画読んでないし、まだまだやりたいことあるのに死にたくない。
頭では死にたくないと願いつつも、体は死の道へ進んでいく。
(嫌だ、怖い、助けて、痛いのは嫌だ!苦しいのは嫌だ!!死ぬのは嫌だ!!!)
その願いは叶わない。ならばと、少年はもう一つ、もっと叶わないような願いを抱く。
(生まれ変わったら、異世界で……死なない……体に…………)
それが、少年の最後の思考。そして、その願いは……もうすぐ叶うことになる。