表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/10

プロローグみたいなもの

スマホで読みやすいように編集しました。

 聖技能学園。それは聖なる技能(能力)をもった者だけが入学できる学園だ。


 聖なる技能とは、平たく言えば特殊能力だ。その特殊能力は、世の中の役に立つものでなければならない。


つまり、そのような能力をもった者が、更にその能力に磨きをかけて、将来正義の味方になるための学校だ。


だから聖技能学園と名付けられている。


 聖技能学園に入学できるのは、ほんの僅かの人数だけだ。おそらく日本中の中学三年生は、誰しもが聖技能学園に入学できたらいいなあと憧れているはずだ。

 

僕も、そんな中学生の一人だった。


 それが今、僕は聖技能学園の生徒として、ここにいる。


将来、正義の味方として活躍することを夢見て。




 春が来た!

 

えっ? 当たり前だ。今、春という季節の真っ最中だろうって。

 

違うよ、僕が言っているのは、僕の運命のことさ。僕の長かった冬のような時代がようやく終わったんだ。


 えっ? 言い方が大げさすぎるって。


そりゃあ多少は大げさかもしれないけれど、中学時代の長い期間、自分に自信が持てなかった僕だから言えることなんだ。

 

あ、そういえばキミは須古井(すこい)大学附属中学校から来たんだっけ。


 中学生時代の僕がどんなだったか、知らなくて当たり前だよね。


 僕は宇布津(うふつ)第三中学校から来たんだ。

 

 えっ? あのど田舎の宇布津(うふつ)第三中学校から能力検定試験に合格する者が出たなんて信じられないって? 

 

 あのねえ、信じられなくっても、現にこの聖技能学園の一年C組の教室の中でキミの前に座っているよね。

 

 えっ? それでも信じられないって? 


 うたがり深いヤツだなキミは。


 もしかしてキミの能力って、そっち方面? 

 

 なるほど、やっぱりね。シャーロック系の能力なら仕方ないよね。


 鋭く周りを観察して、人の噂なんかも鵜呑みにしない。先ずは疑ってかかって、推論を構築していく。


 シャーロック系の能力をもった者は、みなそうらしいからね。

 

 それにしても、僕らの担任の先生はおおざっぱだよね。さっきの自己紹介の時に名前を言うだけじゃなくて、どんな能力をもっているか紹介させたら良かったのに。 

 

 えっ? 能力を紹介させなかったのは先生の配慮だって? 

 

 ああ、そうか。なるほどね、キミの言うとおりだよ。キミの説明を聞いて分かったよ。

 

 さすがシャーロック系の能力の持ち主だね。確かに、能力によっては、友だちになるのを遠慮させてもらおうかなあって人もいるからね。


 知り合って間もないのに、そんな風に考えてしまうことは、正義の味方を育成する学校ではふさわしくないからね。

 

 うん、うまく考えてるよ。

 

 えっ? 僕の能力は何だか知りたいって? 

 

 教えてもいいけど、その前に僕がなぜこの能力をもつことができたのか、僕の中学時代のことから話すことになるけどいいかい? 

 

 えっ? その方がいいって? 

 

 おいおい、やっぱりキミは、能力者が普通の中学校から出たことに疑問を持ってるんだね。


 いいよ、話してあげる。

 

 その前に、僕の名前を覚えている? 

 

 さすがだね。もうクラス全員の名前を覚えただって。それで僕の名前は? 

 

 うん、そう。僕の名前は柊瞬(ひいらぎしゅん)。この物語は、この僕、ヒイラギシュンの中学2年の夏休みから始まったんだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ