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二年五組  作者: ぽぅ
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石川理菜2

学校に着いて授業を受け放課後。

理菜は陸上部の為、部活動の準備をする。


「石川先輩っ今日も部活頑張ってくださいっ!」

「ありがとう。」


差し出されたペットボトルを有り難く頂戴し爽やかに笑う理菜。

女子生徒は余程嬉しかったのかキャーキャー騒ぐ。

理菜はいつもただで貰えるのが申し訳なくて愛想良くしただけだったがファンにとっては重要な事らしい。


「相変わらず人気ですな。」

「そんな事ないですよー。」

「理菜の人気に嫉妬するわー。って事で練習キツくするねっ!皆恨むなら理菜を恨んでね!」

「ちょっ!先輩止めてくださいよ~。」


先輩から可愛がってもらいながら練習に励む理菜。

沢山しごかれてクタクタになりながら部室に向かい着替えを済ませる。


「お疲れー!」

「花~っ!」


ファンの皆は花が居れば三歩下がりながら疲れを労う。

これはファンクラブのルールらしい。


「じゃぁ皆、今日も応援ありがとう。また明日ね。」


理菜がそう言うとファン達は口々に騒ぎながら理菜に挨拶をした。


「理菜、今日も大変だったね。」

「やーでも有りがたいよ。私なんかを慕ってくれてさっ。でも疲れたから帰りに先輩から借りた漫画読もうっと。花も見る?」

「タイトルは?」

「彼氏彼女○事情だよ。」

「また恋愛もの?」


そう言いつつ花は漫画を電車の中で理菜と一緒に読んだ。


「また漫画読んでるのかデカ女。」

「…龍太うるさい。」

「なら黙るけど、もうすぐ駅だぞ。」


じゃぁ理菜は慌てて窓を見ると龍太のいう通り、あと少しで駅に着く所で、花はとっくに降りる準備をしていて理菜が気付かなければ置いていこうとしていた。


「もーっ薄情者っ!!」

「夢中になりすぎなんだって。」


花と二人で話していると龍太は誰かと話していた。


「じゃぁ龍くんまたね。」

「あぁまた。」

「!?」


二人のやり取りを聞いた理菜と花は二人を見た。


「ちょっ龍太っ今の誰っ!?」


理菜は改札を出て行った龍太を追い掛けて聞いた。


「?クラスメートの赤城だけど。」


それを聞いた理菜は何処かほっとした。


「そうなんだぁ。名前で呼ばれてたからてっきり彼女かと思ったよー。」

「…もし彼女だったらどう思うわけ?」

「…え?冷やかすよ?」

「あっそ。じゃー彼女が出来ても絶対隠す。デカ女には絶対会わせねぇ。」

「なんかいいねー!青春してるねー!」


理菜は龍太の頭をポンポン撫でた。


「…理菜は好きな奴居ないのかよ。付き合ってる奴とか。」

「いないねー!まず出会わないしなぁ。」

「…まだ漫画のような出会いを探してんの?なんだっけ?曲がり角でぶつかってだっけか?」

「そうそうっ!!」


理菜は熱く語り始める。

龍太は口は悪いが、どんな話でもちゃんと話を聞いてくれる。


「また話は聞いてやるから今日はここまで。もう家着くから。」

「あっ本当だー。なんだー話し足りないなぁ。」

「いつでも話できるだろ。…どっちが年上か分かんねぇじゃん。相変わらずアホだな。」

「うるさいっ!!」


理菜は勢い良く自宅へ入り、置いてきてしまった花に謝りのメールを送るとすぐに返ってきた。


≪龍太くんが女子と話してるの見ただけで必死になって追い掛ける理菜が可愛かったから良いよ☆いい加減に自分の気持ちに気付きましょう(;´д`)≫


そのメールを見て理菜は首をかしげた。


「…自分の気持ち?」


龍太を追い掛けたのは冷やかしてやろうと思ったからで必死になって追いかけた訳じゃない。

では何故、ただのクラスメートと分かってほっとしたのか…それは小さい頃から知っている龍太に彼女が出来たと聞いて驚いたからだ。

理菜は自分の気持ちを整理しながら花に返信した。


≪メール長すぎ(´・д・`)理菜がどう思ってるか分からないけど少なくとも龍太くんは理菜の事好きだと思うよ?(・o・)友達としての好きじゃなくて異性としての好きだよ?(*^.^*)≫


理菜は花からのメールを何度も読み返した。

龍太が異性として自分を好きだなんて信じられないのだ。

会えばデカ女と呼ばれるし、好きな相手なら漫画のように相手に優しくしたりするはずだ。

悩むのはあまり好きじゃない理菜は龍太の家に直撃した。


「何だよ…さっき会ったばっかりなのに。まぁ良いや。入れよ。」


龍太は理菜の突然のお宅訪問になれていて自分の部屋に通した。

龍太の部屋は綺麗に片付けられていて正しく優等生の部屋と言っても過言ではない位の部屋だ。


「偉いなぁ宿題やってたのー?」

「そうだよ。デカ女の学校と違うから、うちの学校は宿題が沢山出るんだよ。で、何か用?」


龍太は理菜に麦茶を渡し、向かい合うように座った。


「用ではないんだけど、聞きたいことがあってさぁ。」

「?勉強なら無理だぞ。学年違うし。」

「いやいやいやっ勉強じゃないんだなー。」

「何だよ?」


龍太は理菜を見る。

別に男として意識しているわけではないが、ずっと見られると恥ずかしくなり顔が赤くなる。


「龍太って私の事好きなの?」

「っ!!?はぁぁぁっ!!?」


龍太は突然の質問に驚いた。

まさか理菜からそんな質問をされるとは思わなかったからだ。


「やっ!今のなしっ!ちょっと気になっただけ…って…龍太?」


理菜は龍太を見ると龍太は今まで見たこと無いくらい真っ赤になっていた。


「おまっ…」

「龍太?」


理菜は龍太に顔を近づけマジマジと顔を赤くした龍太を見た。


「っっ近いからっ!!」

「何で顔赤くなってんの?」

「デカ女が急に変な事言うからだろっ!?」

「だよねー!ごめんごめん!!花とそう言う話しになったから聞きたくなっちゃってさぁ。」

「…ふーん。」

「じゃ私帰るねっ!あ、今度学園祭が有るから来てね!」


理菜は何も聞かずに龍太の家を後にした。

自分の部屋に戻り花にメールをして恋愛漫画を一心不乱に読む。


「花が変な事言い出すからだっ。龍太が私を異性として見てるわけないじゃんっ!」


一人でブツブツ言いながら次は少女漫画雑誌を読む。


「…あ!?」


理菜は、あるページを見て動きが止まった。


【新連載】幼馴染みへ届け

私の好きな人は幼馴染み…

美羽の恋は叶うのか!?


美羽という少女が1つ上の幼馴染みの信也は、幼い頃からずっと一緒だったが信也が中学校へ入学してからは一緒に居ることが少なくなり、美羽は久しぶりに会った信也に恋ごろを抱く所で終わっていた。


理菜は読み終えて雑誌を読むのを止めた。



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