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二年五組  作者: ぽぅ
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石川理菜

理菜は漫画の様な恋愛に憧れている何処にでも居る高校二年生。

恋愛漫画で好きなシーンはヒロインと男の子が曲がり角でぶつかる所。

現実で起きたら多分意識はしないだろう。

そして男の子とは二度と会わない。

会ったとしてもイケメンには彼女が居る。

そんな事を熱く友達の山本花に語る。

山本花は中学時代からの友達で現在、理菜の通う高校のクラスメートでも有る。


「花は好きな人になるとどう出会いたい?」

「や…私は出会い方は気にしないよー。」

「あぁ花はもう出会ってるもんね!追川先輩にっ」

「まだ出会ってないからっ!憧れてるだけだからっ」


親友の好きな人、追川博明は高校三年生。

追川はバスケ部員で、はっきり言ってイケメンだ。

花以外にも狙っている女子は多い。


「でもいいなー!憧れとか私ないもん。」


理菜は中学時代から陸上をやっていて身長が高く細身、そして髪の毛が短髪ということで宝○の男役みたいでキャーキャー言われていた。

それは今でも続いていて理菜のファンから差し入れがある程だ。


「ファンが居るから顔は悪くないとは思うんだけどなぁ。男子からしてみれば男女なんだろうなぁ。」


高校に入ってからは言われなくなったが中学の時は理菜をそう言ってからかう男子は一部だが居たし、理菜自体男兄弟に囲まれ育ったから性格も多少男勝りだ。

女子生徒からしてみればそこもファンになるポイントなのだろう。


「理菜は案外乙女だもんね。」

「案外って何よ~!」

「そこのデカ女うるさい。」

「龍太っ!うるさいとは何よっ。」


道成龍太。

彼は理菜の1つ下の男の子で理菜の家の向かいの家に住んでいて幼い頃兄弟含めて遊んでいた。

現在、県一の進学高校に在籍している。

ちなみにまあまあイケメンだが理菜より身長が低く、会うたびに理菜の事を『デカ女』と呼ぶ。


「事実だろー?」

「じゃぁアンタはチビだね。」

「二人とも電車の中では静かにね?」


いつものパターンで慣れっこになっていた花は電車の中だけは休戦するようにしている。

ちなみに花の本音は『夫婦喧嘩は他でやれ』だ。


電車が来て二人は静かになる。

理菜の身長は172センチ、龍太は160センチ。

並んで立っていれば龍太のチビさが一目瞭然。

理菜はいつも吹き出しそうになる。


「いやーアイツはいつ見てもチビだわー」


電車を降り学校に向かう途中に花に言う。


「理菜、龍太くんと仲良いよね。」

「はっ!?…まぁ腐れ縁だし。」

「腐れ縁ねぇ?」


花は少なくとも龍太が理菜の事を好いていると思っている。

でなければ毎日駅で会わないし会ったとしても話し掛けたりはしないだろう。

それに何だかんだ言いながら理菜が電車を降りるまで一緒に居るのだから。

理菜は恋がしたいと言いながら、人の気持ちには鈍いから気付いてないのだろう。


「そう言えば漫画にも幼馴染み恋愛漫画って有るよね?理菜読まないの?」

「読まない。」

「おー随分ハッキリと即答で。」

「だって幼馴染みだよ!?私の中で幼馴染みは龍太だから考えられないっ!!」

「そうなの?龍太くん格好いいし漫画のシチュエーション的には良いんじゃないの?」


それを聞いた理菜は物凄い顔で花を見た。

今の理菜の顔を見たら理菜ファンでも一、二歩下がるだろう。


「有り得ないっ」

「そっかぁ。龍太くんきっと学校でモテモテだろうなぁ」


花はチラリと理菜を見ると理菜は龍太がモテることが創造つかないのだろう悩ましい顔をしていた。


「あっ!そう言うことかっ!」

「?」

「さっきからやけに龍太の話を聞くと思ったら花…龍太の事…」

「好きじゃない。何とも思ってないからね。」


自分の考えが外れて少しガッカリする理菜。


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