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ヤンデレとおんなのこのはなし

作者: 左に右折

1


「こんなにも君のことを愛しているのに!」


名前も知らないヤンデレから吐き出された言葉に私は深いため息をついた。最近しつこくつきまとわれていたが総スルーしていた結果がこれだ。直接的な関わりを持ちにきやがった。


「あのさあ、言いたいんだけど愛だの云々言ってるけどまずそういうのって見返り求めちゃいけないと思うんだよね。そうだな、恩着せがましいっていうかさ、俺が好きイコール相手も好きってなるほど世の中都合よくないからさあ、甘ったれんなよ愚図」


出るヤンデレはうつべし。


2


「なんで他の男と話すんだよ」


「思うんだけど心狭すぎない?もうすこし寛容にならなきゃ好きになれるもんも好きになれないわ。寧ろ俺のことが好きだけど嫌々ほかの男と話をして気を引こうとしている彼女まじかわいい程度の考えを君はもてるようになったほうが人生楽しいと思うよ」


3


「好きなだけなんだ……だから君も俺を好きになってくれ……」


ガシャガシャと足と手にされた枷を揺らしてみるが外れる気配はない。


「これが君なりの好きだというなら君が私を好きになった分だけ私は君を嫌いになるね」


4


「君を殺したら君は永遠に僕のものだ」


「勘違いしてるところ悪いけど私の首にあてている手を離してほしいんだけど」


「死ぬ寸前まで僕のことで君は頭がいっぱいだ」


ああ、なんて幸せなんだろうと涙ぐむヤンデレは気色が悪い。


「決めつけないでほしいし君が私を殺しても最後の最後まで私は頭が君一色ってことはないだろうね。明日の夕飯でも考えておくよ」


5


「何で君は思い通りにならない」


「それが人生だよ」


6


「僕を好きになってくれないなら死んでやる」


「自殺の後押しはしたくないけれど私は君を止めたくもないしいっそ私の前から消えろと思ってしまっているんだ。どうすればいいんだろう?」


7


「これが僕なりの愛情表現なんだ」


「思うんだけどそれって歪んでるとかヤンデレだとかっていう言い訳をして逃げ道を確保してるだけじゃない?ヤンデレってことでなんでもすませれるわけじゃないからね」


8


「君が僕を好きになってくれないなら君の家族を殺す」


「いいけどそうしたらきっと私は君のことを好きになれなくなるね」


9


「どれでもいい、どれでもいいからどれか一つで君の一番になりたい」


「残念ながら一番嫌いな人も一番好きな人も一番大切な人も全部埋まってるんだ」


10


「どうしてこんなにふりむかない」


「価値観の相違ってやつだね」



11


「もう君なんか、嫌いだ」


「ああ、やっと私は君を好きになれそうだ」

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