夢鬼ごっこ〜レベル2 前半〜
チュンチュン……小鳥の鳴き声。
「ん……?朝か?夢だったのかあれは?」
起きた俺は、いつも寝ているいつも通りのベッドにいた。そんな事より…
「くっせ!」
かなり汗臭かった。ベッドにはびっちょりと、汗が染み込んでいた。
そしたら声を聞きつけ、俺の部屋にお母さんが入ってきた。
「恭介……!!よかったー、本当に、心配した」
そしたら、お父さんも来た。
「恭介ぇ!心配したぞ!」
「俺は死なねぇよ!」
俺の親は少し、心配性すぎるのかも知れない。だがいまだに俺は、ドキドキと、足が震えが止まらなかった。
今、夢鬼ごっこと呼ばれる謎のゲームが終わって日本中、混乱している事であろう。
「ごめん、テレビつける。気になるんだ」
俺はそういい、リビングに行き、ニュースチャンネルの1チャンを付けた。
「緊急事態です。たった今の時間、10時58分はまだ安全ですが、謎の放送は昨日、11時から日本中のテレビ局の電波を乗っ取ると話していました。この今の時間は10時58分。あと2分です」
……え?あと…2分でテレビの電波は乗っ取られるのか…!?そんな事、本当に出来るのか?!
ニュースキャスターはそう伝えた後、新しい原稿に目をやった。
その原稿を見た途端に、顔色が突然悪くなった。
「えぇ!うっそぉ!!……た、大変失礼しました。たった今入ってきたニュースです。こ、これは、アメリカでも中国でも同様の事件が起こっていて……この事件は世界的な規模として起こっていま…」
嘘だろ!?
「な……?まじかよ?!世界規模!?なんなんだよ!!」
俺が驚いている間に、ブチっと電源が切れた。
「ねぇ、おい!電源消さないでよ」
お父さんとお母さんは、驚いたように返事した。
「誰もリモコン触ってないよ…!?」
まさか……と思い、時計を見た。
11時になっていた。
テレビでは、俺に麻酔薬をうったのと同じ格好をしている、スーツを着ているサングラスの男がうつしだされた。
「え……!?」
画面の背景はなく、男しかうつっていなかった。その男は話し出した。
「高校生の皆さん。夢鬼ごっこレベル1、お疲れ様です。高校生のほとんどの死者はビルから落ちましたが、注射器を打たれた人は実は死亡ではありません」
…え?あれ、死なねぇのか?
「次の夢鬼ごっこの鬼となります。レベル1だった鬼は人間ではありません。ですが次のレベル2からの鬼は、鬼ごっこで注射器を打たれた方になります。そして、注射器を打てた鬼は逃走者として現実に戻ります。鬼は現実では生きてますが、いくら体を動かして起こそうとしても起きない。つまり、植物人間です」
そっそんな……
だが、万が一捕まったとしても死ぬことはないのか!
……俺は少し安心した。
そしたら、黒いサングラスの男がニヤッと笑った。
「鬼から逃げ切れるといいですねぇ……」
と言い残した後に、映像は再びニュースに切り替わった。
世界規模で起こっていたなんて……
「あっ!そうだ!俺、青山の家行ってくるね」
俺は大事な仲間のことを思い出し、家を飛び出して行った。
「気を付けるのよ〜布団、汗臭いから干すね〜」
お母さんが優しく返事してくれた。俺は青山の家によく行かせてもらって、よく家で遊ばせてもらっていた。走ること2分、青山の家についた。ピーンポーンとインターホンを押したら、青山が元気いっぱいで抱きついてきた。
「黒崎ぃぃ!お前が無事でよかった!!これからは一緒に行動しようぜ!」
俺は返事した。
「お、俺もお前が無事でよかった!っていうか、テレビ見たか?」
青山は首を横に振った。俺は青山にテレビが言ったことを伝えたら青山も驚いていた。
「なぁ……黒崎」
「…なんだ?青山」
急にどうしたのか?青山が話し続けた。
「俺ら、絶対生き残ってこの謎を解決しようぜ!誰がこの夢鬼ごっこをやってるのか……俺は、この主催者をぶっ殺してぇ!!」
俺は、まさか青山がこんなまともなことを言うなんて思わなかった。いつもヘラヘラして、空気の読めない青山が……
「お、おう!手ぇ組もうぜ青山ぁ!」
そしたらその時、再びあの変なチャイムが流れた。
「残った高校生の皆様。今夜10時に、夢鬼ごっこのレベル2を開始します」
「は……!!え!?また!?」
「またやんのかよ!!こんな頻度でやるのかよ?」
そして、放送が終わった。今日の放送は、それだけであった。
「おい、青山。夢の世界で俺ら、近くにいれるかどうかはわからないけど、捕まらねぇぞ!」
青山は返事した。
「おう!出来れば、夢の世界で会いてぇけど……」
そして家に戻った。
その日の10時、俺はぐっすり寝てしまった。
そして、俺は起きた。
「お…あれ!?」
ここは……この前と変わらない、高層ビルのエリアだった。しかし、今度は屋上でなく地上だ。
「よ、よかった……もう、あんなクソ高いとこ行かないでいいんだ!」
俺は上を見た。
「やっぱたけぇ…あんな高いとこに俺はいたのか?信じられねぇ!」
俺の回りには誰もいなかった。そしたら、放送が流れた。
「夢鬼ごっこ、レベル2を始めます。時間は3時間……夢鬼ごっこまで5、4、3、2、1…………」
と、カウントダウンした。
「い、いきなりかよ!?」
「スタート!」
スタートと同時に前、注射器を打たれた鬼が追いかけてきた。女子っぽいな。昨日と同じように、仮面をつけ、コートを着、フードを被っていた。現実では植物人間なのだから、鬼も命掛けだろう。しかし、悪いがこの鬼の足の速さでは俺を捕まえることは無理だ。差が迫ってきたところで俺はこの前みたいに思いっきり逃げた。
「しっかし…あの武器に、あの仮面…こっえぇ」
俺はビルの中に隠れたがビルの中は薄暗くて、鬼がいたら逃げられないと思い、外にいることにした。そしたらビルの屋上から女子の悲鳴がした。
「いやあぁ!こっ…来ないでぇ!!」
俺は屋上に上がり、鬼を蹴っ飛ばした。
「やめろおぉぉ!!」
鬼は転んだ。
「大丈夫……ですか?!」
しかしこの女子が偶然にも……