2重の夢
大量の鬼がいた……
「嘘…だろ?おい…何体いるんだよ!!」
加藤が叫んだ。
「ここに集まって、鬼同士で作戦会議でもしてんのか……!?」
青山は震えていた。
そしたらいきなり鬼は全員、全速力でこっちに走ってきた。
「考えてる暇あるか!逃げろお!!」
俺は叫んだ。
「まずい……まだ始まって少ししか経ってないよな?」
校舎を全速力で走り回り、逃げた。鬼の数が大量過ぎて、狭い階段を降りるのに、鬼達は少し苦労していた。そしたら、背が高い子が机を持って現れた。
「君達!これ!!この狭い階段なら、机で止められる!」
「え?!」
そしたら、
「うぉおおお!!!」
と、唸り声をあげ、机を横に持ち、突っ込んでいった。そしたら、前から鬼がドミノ倒しのように倒れて行った。
「なにぼーっとしてんの!逃げてよ!!」
と、背が高い子は言った。
「あ、ありがとよ!助けてくれて!!」
「本当、ありがと!じゃあな!」
と、俺はお礼をいい下へ降りた。そしたら下からも鬼が、3体来た……
「くそ!こっちだ!」
俺は加藤と青山を誘導した。
そして鬼が来てると思い、走ってた時、
「おい黒崎!どこ行くんだよ!もう鬼は来てねぇぞ!」
と、加藤は俺を止めた。
「た、確かにそうだな…」
俺は少しパニくっていたようだ。安心し、ゆっくり歩いた。そしたら、なにやら大きな少し明かりのついている部屋があった。
「ここはまさか……!?」
そこは、俺の予想通り、体育館だった。
「そうだ、ここに隠れよう!!」
と、青山がいった。
「でも、どこに……」
と、加藤が悩んでる間にアナウンスがなった。
「残り5時間…」
「おお、伝えてくれるのか」
青山はそういった。
「なげぇ……」
「おい、そんな事よりどこに隠れればいいんだ?どこにも隠れるところなんて…」
と加藤が話したら
「あったぞ!」
と、青山は部屋を見つけた。
「ナイス青山!!」
「慎重に開けろよ?さっきみたいに、その部屋の中に鬼がいたら……」
俺は注意した。
「わ、分かってるよ……」
青山は恐る恐る扉を開けた。
「……ふぅ、助かった」
鬼はいなかった。
「でも油断すんな……」
「とび箱だ!この中に隠れれば!!」
青山がとび箱を見つけた。
「いや青山、ちょっと待て。鬼は後でこの部屋に入って来そうじゃん?だから、外にもとび箱いっぱいあるし……」
俺はそういった。
「黒崎の言う通りにしようぜ」
「そうだな……ここ、後で鬼来そうだしな」
「そうするか」
俺らは体育倉庫と思われる部屋を後にした。
「よっしゃ!あと5時間だし、この中に隠れるとするか」
青山はそういった。俺らは、中を開けた。
「結構ちっちゃいんだな……」
そして中に入った。
「狭いし……」
俺は少し笑いながらそういった。「しっ!!黙れ!!」
青山は素早く何かの気配を察したらしい。
そしたら、走ってる足音が聞こえる……
やばい……鬼かも
俺は、心の中で思った。俺らはもう離さず、ただ隠れていた。そして小さな隙間から覗いていた。
そして見えたのは、鬼……では無く、さっきの背の高い子だった!
「おーさっきの奴じゃねーか!めっちゃ走ってるじゃねぇかよ」
青山が隣から小声で話しかけてきた。その途端、鬼が見えた……
鬼から逃げているようだった。鬼から逃げていたのだ。俺は、体が勝手に動き、とび箱から飛びでた。
「おい!黒崎のバカ!何やって……」
青山は小声でそういってきたが、俺は、
「さっきのお礼だ!!」
と、全速力で走り、鬼にとび箱をぶつけた。鬼は何体か転んだ。
「ありがとぉ〜!!」
背の高い子は感謝していた。
「なに感謝してんだよ!したいのはこっちだっつうの!!」
俺は返事を返した。
「うぉぉぉぉ!」
青山も声を上げてとび箱を持ち上げ、投げつけた。
「バカ力が……」
「う、うるせ!!おい!鬼がまた立ち上がる前に逃げるぞ!」
青山はそう言って、上の4階に上がって行く……青山について行くと、再び誰もいない教室があった。
「入るか」
「はぁ、良かった!それにしてもお前、意外と走れるじゃん」
加藤が背が高い子に話しかけた。
「おう、君たちが言うことじゃないと思うけどね」
背の高い子は笑いながら返事をした。
「そんでお前、名前は?」
青山が聞いた。
「えっと、俺は木村きむら 毅つよし 。兵庫にいる普通の高校生。キムって呼ばれてるからなるべくそう呼ばれたいかな?君達3人とも、自己紹介してよ!」
「うん、まずは俺からな。俺は黒崎恭介。キムってなんか韓国っぽいあだ名だな」
「よく言われるよ」
木村はとても笑っていた。
「おう、俺は青山靖人。黒崎と同じ東京の高校だ」
「えっと、俺は加藤政成。東京の高校だけど黒崎と青山とは違う高校だな」
という風に俺ら3人は順番に自己紹介した。
「オッケーよろしくね!黒崎君と青山君と、加藤君」
そう言った途端、アナウンスがなった。
「罰鬼ごっこ 終了」
「あれ?!早くないか?」
「確かに、あっという間だったな」
「はは、そうだね」
キムは鼻で笑いながら返事した。
放送は続ける。
「では、生き残りの241人はレベル3の方へ、うつってもらいます。鬼はエリアの外へ集まって下さい」
「えっ……俺ら、レベル3?だと?しかも今から?聞いてねーぞ!」
加藤が叫んだ。
「やだ!やりたくない!」
キムも同じこといった。
放送は終わったと思いきや、またながれた。
「今、あなた達は2重の夢にいます。ここでまた逃げるようなことをしたら3重…4重…となっていきます。今から、最初の1重に戻します。それが終わったら、現実へ返します」
放送が終わる。
「おい、どうする……?」
俺は聞いた。
「俺はもうレベル3はやりたくない!かと言って、3重目の夢にも行きたくねーし……」
加藤はそう返事した。
キムも言った。
「いや、まず僕は3重の夢は嘘だと思うけど」
そう話してるうちにサングラスがやってきた…