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プロローグ
暗い部屋の中に小さな、けれどしっかりとした靴音がコツコツと響く。
明かりは荘厳なデザインの燭台におかれた蝋燭の揺れる炎だけで、視界が悪く人がいるということしか分からない。
靴音はしばらく続いていたが、部屋の隅あたりでぴたりと立ち止まった。
扉があるのだろうか、コンコンコンとノックする音が鳴る。
「あら、随分と遅かったのね。すっかり退屈してしまっていたのよ?ふふふ、謝らなくていいわ。ノックは三回、きちんと覚えていたのだもの。さぁ、合言葉はなぁに?」
扉の向こうからすっきりとした少女の声が聞こえる。
そして靴音の主の低いしゃがれた声が響いた。
『闇夜に踊れよ兎達』