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とんだ失敗。

その弐の続きです。

   「亜樹君」

   突然かけられた声にびっくりして振り向くと、さっきの転校生だった。

   

   

   「長須亜樹君だよね、はじめまして。私、久純 有っていうの。有って呼んで?」

    

   俺が何の用かうながすと、ぱぁっと笑顔になってこう言った。

   あのね、ひとつお願いがあるの、と前置きして久純は爆弾を投下した。


   「亜樹君、私と付き合ってくれない?」



   しばらくは驚きで動くこともできなかった。

   しかし呆けている場合じゃなあぁーーーい!!と必死に自分をたたき起す。


   返事は決まっている、だけど言い方が難しいんだよなぁ、と必死に考える。

   転校生は可愛かった。相当な自信を持っているだろう。

   

   (こういうタイプは後々面倒なんだよなぁ)


   前にこういう感じの人を断ったときには何度も付きまとわれて大変だった。

   どう返事をするべきかに気を取られてすっかり久純がいることを忘れていた。


   じれた様子で亜樹君?と呼ばれ、我に返る。

   しかし、考えていたことなんかを全部すっ飛ばして、無意識に口が動いた。



  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  


   やっちまった、と頭を抱える俺に数人のクラスメイトがやってきては、

   爆発したね~、とかお前も苦労するよなぁ、という様な声をかけられた。

   その言葉一つ一つが余計に傷口をえぐる。 


   (たぶんばらされる……よなぁ)


   そう思うと始まってすらいなかったけど終わったな……と感じ、

   きっと俺はさらさらと崩れていく砂像になっていたんじゃないだろうか。

   


   (俺もう死にたい………)





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