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片思い。

今回は亜樹視点です。

いい区切り目が無くて、長くなってしまいました。

ごめんなさいっ

   なんかなぁ、と考えたところで、

   思わず大きなため息が出る。

  

   「どうして、こう沙美は鈍感なんだ」

    わざとやってるだろうと言いたくなるほどに、沙美はおれの気持ちに気づかない。


   「いやー、沙美の鈍感さにはほんと、脱帽させられるよ。」


   インド人もびっくり、とおどけて見せる友人だが、

   交友関係がけして広くはない沙美の親友で、学校内に置いてはひとりしかいない

   俺と沙美の共通の友達だ。


   だが、しかし。


   「……おまえ楽しんでないか?」

    

   こいつ、春日 都はいくらか俺をバカにする節があって困る。


   ちらちらと沙美の方を見ながら愚痴をこぼす。

   

   俺と沙美の関係は、ものすごく微妙な位置にある。

   でもけっして、仲は悪くないし、むしろいい方じゃないかと思っている。

   だが、恋愛となると……



   「やっぱ、脈……ないんかなぁ………」

   好きな子に全くそういう風にみてもらえなければ、そりゃため息だって出るさ!



   おれが真剣に話してるって言うのに、都は声を押し殺して笑っている。

   おれはムッとして、


   「なんだよ」


   とすごんでみるが、どうにもいじけた響きが消えなかったようで、

   耐えきれないというように大笑いされてしまった。 

   あまりの大笑いに、クラスメイトがぎょっとしてこっちを見たが、気にもしていない。


   「だぁって、百戦錬磨って言われた男が、こぉーんなになって片思いだよ!?笑うでしょ!」


   いらっとすることにはするが、事実なので、怒れない。

   どーせ片思い歴5年ですよ、悪いか、コノヤロー。


   都はひとしきり笑った後、目じりに浮かんだ涙をぬぐうと、こんなことを言い出した。 

   「でも、冗談抜きであんたのそれってストーカー並みじゃない?

   沙美は鈍いからいいけど……」

   また笑いだしそうな顔をしていたが、

   何やら聞き捨てならない言葉を聞いてしまった気がする。


   「ちょっ、どこがストーカーだよ、どっからどう見ても一途な片思いだろ!」

   と言い返すが、

   「だって寝室にまで押しかけてるんでしょ?それって変質者と同じじゃないの」


   「紛らわしい言い方スんなっ、あれは沙美を起こしに行ってるだけで……」

   周りに聞かれたらと焦って、声が裏返ってしまったじゃないか、全く。


   そんな俺を傍目に、都はニヤリと笑うと、

   「へぇー?じゃ、亜樹は沙美を起こすだけなんだだから、寝顔を見てかわいぃーっ

   とか、思ったりしてるわけ、ないよねぇ?」



   都の言うことがあまりに図星をついていたため、ぐぅっと言葉に詰まる。

   それでも最後の抵抗と、俺がもにょもにょ言い訳をつぶやくのをみて

   都は勝ち誇ると、



   「まっ、沙美に嫌いっていわれるまで、がんばればー?」

   


   上機嫌になった都はそんなヒジョーに頼りになる言葉を残していってしまった。

   (っていうか嫌い!?あきらめるとかじゃなくて!?)

   と、おれはまた思考の泥沼にはまってしまうのだった。


   

   (どうせ俺なんか……)








新たに友人が出てきました。

ちなみに都は、おおざっぱな性格なんですが、女の子です。

まだまだ続きますがこれからもよろしくお願いします。

ひぅでした♪

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