うっとおしい…。
前回書き忘れてしまったのですが、視点がコロコロ変わります。
前回は、(まだ名前が出ていないのですが)亜樹視点、
今回は、沙美視点となっています。
読みづらいかもしれませんが、よろしくお願いします。
ひぅでした。
今朝も、亜樹ちゃんに起こされてからしばらくはぼぅっとしていたけど、
朝食が食べ終わる頃には頭もすっきりと覚めた。
亜樹ちゃんは私が食べている間も、髪をとかしたり、私の学校の用意をしたりして
くれている。
本当に、世話するの好きだよなぁ、と、せっせと私の髪をとかす、
クラスメイトで幼馴染の森 亜樹に思考を移す。
こいつは昔っからそうなのだ。
みんなが、キャーキャー言うような、かっこいい顔をしているくせに、
ひたすら心配性で世話焼き。
実際、助かっているところもあるのだが、少しうっとおしくもある。
私は静かに本を読んでいたいのに…。
と、1人ため息をついたが、亜樹ちゃんには気付かれなかったようだ。
ホント、うるさいんだから…。
「ごちそうさまでした。」
家では毎回、きちんと手を合わせて言うことになっている。
食べ物には感謝しなくっちゃねー、と、のんきな割にこういうことを気にする母に、
言われたのだ。
食器を片づけ、亜樹ちゃんによって用意された鞄を持って、
行ってきます、と玄関を出た。
手には、昨日借りたばかりの本。
時間には余裕があるからと、私は毎朝読書しながらの登校が日課となっている。
そんな私の隣には眠そうにあくびする亜樹ちゃんの姿が。
眠いならもっと遅く起きればいいのに…。ちらりと亜樹ちゃんを見ながら思うが、
こいつはいつもボディガードのように、私にくっついてくる。
そんなことを考えていたせいか、亜樹ちゃんに腕を引っ張られて、
ようやく目の前に電柱が迫っていたことに気がついた。
苦笑している亜樹ちゃんがちょっとムカつくけれど、
素直にありがと、と言って私は読書を再開した。