表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人生を楽しもう!  作者: エコークイル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/6

クリーニング

いつも読んでいただきありがとうございます!ここで一点、読者の皆様に補足があります。担任のフェン・シャン先生ですが、彼は「男性」の教師です。少し中性的な名前や描写で迷われた方がいるかもしれませんが、怒ると grumpy な猫のようになる、厳格な(?)おじさま先生としてイメージしていただければ幸いです。

それでは、シュンとタラカの災難続きの日曜日をお楽しみください!

「ふ、ふふ、ふ……。さあて、俺の漫画を回収しに行くか」


一人の男子生徒がトイレから戻ってきた。


「あれ? ここに置いたよな? 誰か持ってったのか? まさか司書に見られたんじゃ……」


彼の顔から血の気が引いていく。


「見つかったら俺の人生詰むぞ……」


「疑われる前にさっさとずらかろう。また新しいのを買えばいいだけだ」


一方、その頃……。


「先生、はい。この二人が成人向けの漫画を持ち込んでいました」


担任のフェン・シャン先生が、怒れる不機嫌な猫のような顔をして二人の前に立っていた。


「シュン、タラカ……」


静かだが、刺すような危険な声で名前を呼ばれた。


「は、はい……」


その声を聞いた瞬間、二人の背筋に冷たい戦慄が走った。


「お前たちはなぜ、こんなものを学校に持ってきたんだ?」


フェン先生が二人を睨みつける。


「そ、それは……拾ったんです……」


タラカが震えながら答えた。


「そ、そうです先生……落ちてたんです」


シュンもタラカに合わせて必死に頷いた。


「ふむ……まあ、初めてのことだ。法外な罰は与えないでおこう」


先生はそう言ったが、その表情は言葉とは裏腹に全く納得していなかった。


「だが、明日の日曜日は体育館のモップがけをしてもらう」


「このクソ野郎……」


タラカが小声で毒づいた。


「タラカ、今何か言ったか?」


フェン先生が死の宣告のような眼光を向ける。


「い、いえ! 何でもありません先生! 掃除、喜んで伺います! 今のはただ、口呼吸をしてただけです!」


タラカが再びガタガタと震え出した。


「ならいい。……いいか、これが最後だぞ」


「はい、先生!」


二人の声が重なった。


「よし、もう帰れ。次はないと思えよ」


「失礼します……」


「いいか、最後の警告だからな」


そして日曜日。僕たちは貴重な睡眠時間と心の平穏を犠牲にして、体育館の掃除をしていた。


僕と「息子のシュン」は、用具が山積みになった要塞のような体育館を想像して乗り込んだ。だが、そこにあったのは埃と、ポツンと置かれた寂しげな木製のベンチだけだった。工事関係者はまだ壁の仕上げさえ終えていない。ここは隠れ家でも何でもない、ただの罠だ。


「誰が息子だ、このクソッタレが」


隣でシュンが吐き捨てた。


「放っておいてやってください。3位なんて順位を取ったせいで、精神が不安定になってるんです」


タラカがネクタイを整えながら言った。


「この野郎……」


そして僕、司書を務める彼は、このガキどもを監視している。


はぁ。


「何を掃除しろってんだよ! この体育館、何にもねえじゃんか!」


タラカが僕に向かって叫んだ。


「掃除なんてしないぞ。どうせ空っぽなんだしな!」


シュンも抗議の声を上げる。


「ああ、やってられるか! 帰って寝るぞ!」


「……反抗期か?」


僕が呆れて尋ねると、


「そうだ! 僕たちは獲物じゃない、戦士なんだ!」


タラカが声を張り上げた。


「……じゃあ、先生に電話する。先生と直接話しな」


僕はポケットからスマホを取り出し、友達の番号に指をかけた。


シュンとタラカは顔を見合わせた。


「い、いや……やります。やらせてください。僕たちは先生を心から尊敬していますから」


二人は一瞬で子供のような、しおらしい態度に変わった。


「……それでいい」


僕はスマホをズボンのポケットにしまった。


「さっさと用具とバケツを持って、作業を始めなさい。僕の時間を無駄にさせないで」


僕が毅然と言うと、


「はい、分かりました……」


二人は揃って頷いた。


掃除用具とバケツを手に取る。


「タラカ、僕が床をやるから、君は壁を拭いてくれ」


「分かったよ。……息子の頼みをどうして断れようか」


タラカがわざとらしくため息をついた。


「よし、やるか」


司書の彼は、ベンチに腰掛けてAirPodsを耳にし、「フィッシュグラム」をスクロールし始めた。


「なあタラカ、効率よく掃除する方法を思いついたぞ」


シュンが床を見つめながら言った。


「この角度を計算して……それを2で割って、この四角い部屋の面積を出せば……」


5分が経過。


「……っていうのが、最短で掃除を終わらせる方法だ。単純で簡単な算数だよ」


シュンが自信満々に言った。


「……その『やり方』、もういいかな? 余計なこと考えないでモップを動かせよ」


タラカが虚無の表情でシュンを見つめる。


「でも、これならもっと早く終わ――」


「お前が計算してる間に、モップがけなんて終わってたんだよ」


タラカが言い放つ。


「はい、貸しが15元プラス5分追加な」


「これだからお前は息子なんだよ。本当に僕の息子か疑わしくなってきたな。どうしてこんなに頭が悪いんだ?」


タラカがニヤリと笑った。


「そもそも息子じゃないし、それに――」


「いいから黙って床を磨け」


タラカは壁をこすりながら続けた.


「あの15元に加えて、エロ漫画を持ち込んでバレたっていう『精神的苦痛』の慰謝料も上乗せだからな」


「面白い漫画を持ってこいって言ったのはお前だろ!」


「俺が言ったのは『チェンソーマン』とか『ナルト』みたいな漫画だよ。誰が『生物学マン』を持ってこいっつったよ」


「いいから磨き続けろ、息子よ……。これも人間形成キャラクター・ビルディングだ」


「……分かったよ」


フン、フン、フン……。


「よし、あともう少しだ!」


シュンは額を拭い、あたりを見回した。


司書の彼はスマホに夢中だ。つまり、こっちを見ていない。


……激辛麺の復習を果たす時が来た。


シュンはゆっくりとバケツを手に取り、壁を磨いていたタラカの頭から水をぶちまけた。


シュンの顔にドヤ顔が浮かぶ。タラカがやったのと同じように、眉毛をピクピクと動かして挑発した。


タラカは自分のバケツを掴み、シュンを追いかけ回した。


シュンは逃げ回り、司書の彼の前に躍り出た。


タラカがバケツを振りかぶる。シュンはそれを鮮やかによけ、横にステップを踏んだ。


――バシャッ!


彼に大量の水が浴びせられた。


「……ちょっと、いい加減にして」


これこそが僕の完璧なプランだ。激辛麺の復讐を完璧に遂行してやった。


「ははは! タラカ、お前はもうおしまいだ!」


シュンは笑いながら、タラカに向かって歩き出した.


「お前はもう死んでいる……」


――つるっ。


突然、足元に石鹸が滑り込んできた。


「あわわ……っ!」


シュンはバケツを持ったまま転倒した。


中の水がすべて自分にかかり、全身がびしょ濡れになる。ズボンまでぐっしょりだ。


「……何だよこれ!」


シュンが叫ぶ。


「大丈夫か、息子よ?」


タラカが振り返った。


「タラカ、この野郎……! 誰が床に石鹸なんて置いたんだよ!」


シュンは被害者面をして歯を剥き出しにした。


「ああ、ごめんな息子。次は気をつけるよ」


タラカは頭をかいて、爽やかに笑った。


クソッ!


僕は空っぽの床を見つめた。成績がガタ落ちしたあの日よりも、心が深く沈んでいくのを感じた。ミッションは失敗どころか、救いようのない、最悪で恥かしい大惨事に終わった。


「……あなた、大丈夫?」


司書の彼が片方のイヤホンを外し、低い声で尋ねてきた.


「……はい」


シュンは魂が抜けたような声で答えた。


彼にまで見られてしまった。恥ずかしさで爆発しそうだ。


「泣くな息子、パパがついてるぞ」


「だから、その呼び方をやめろって言ってんだろ!!」

✌✌✌

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ