図書室
いつも応援ありがとうございます!今回は、数学の公式に飽きた二人が図書室で「禁断の書」を手にしてしまうお話です。エリート街道を突き進んでいたはずのシュンとタラカが、思わぬところで人生最大のピンチ(社会的な死)を迎えます。二人のポンコツっぷりと、無慈悲な司書さんの登場をお楽しみください!
「学校の図書室は静かすぎた。その静寂のせいで、自分の吐息さえも悲鳴のように響く。僕はただそこに座り、読みもしない数学の公式集を眺めていた。その隣では、タラカが次なる不祥事の計画を練っている」
いつものように公式を使って数学の問題を解く。けれど、今日の僕は退屈していた。タラカが何をしているのか、そっちの方が気になっていたんだ。
問題を解いている途中で、タラカが椅子に背を預けた。
「シュン、数学なんてちっとも面白くないな」
彼はため息をつきながら言った。
「もう飽き飽きだ」
「同感だよ、タラカ」
僕は答えた。
「じゃあ、代数でもやるか?」
「それも数学だろ」
タラカが馬鹿にするように言った。
「あ、そっか」
僕はハッとした。
「じゃあ、何をすればいいんだ?」
「教科書の代わりに漫画でも読もうぜ」
と、タラカ。
「じゃあ、お前が何か面白い漫画を持ってこいよ」
僕は瞬きをしながら言った。
「嫌だね。お前が行け」
「断る。僕は君の召使いじゃないんだ、この野郎」
僕はネクタイを整えるふりをして、きっぱりと言った。
あ、待てよ。ネクタイなんてしてなかった。でも、してる風に振る舞うことにした。
「あの15元のこと、覚えてるか? まだ返してないよな。だからお前が行くんだよ」
タラカが笑った。
「独裁者かよ!」
僕は反論した。
「なら今すぐ返せよ」
タラカは手を差し出して「払え」とジェスチャーをした。
「……あー、分かったよ。漫画持ってくりゃいいんだろ」
「ほら見ろ、言った通りだ」
タラカがニヤリと笑う。
僕は立ち上がり、図書室の漫画コーナーへ向かった。そこは漫画で埋め尽くされている。
「ふむふむ、何があるかな……」
「アクションものか?」
「これは何だ?」
「『チェンソーマン』か。うーん、普通すぎるな」
僕はそれを棚に戻した。
その時、一人の男子生徒がコーナーに入ってきて、僕の目の前の棚から一冊の漫画を手に取った。
「あいつ、何を手に取ったんだ?」
「チェックしてみるか……」
「ふむ……」
「何だこれ、女の子の表紙か」
「可愛いな……恋愛ものかな?」
「『純愛リップス』か」
「名前も普通だしな」
「皆これを買ってるみたいだし、これを読めば間違いなさそうだ」
僕はその本を服の下に隠して、タラカの隣に座った。
「何を持ってきたんだ、息子よ」
タラカが言った。
「これだよ」
僕は隠していた漫画を見せた。
「『純愛リップス』か。男子たちが噂してるのを聞いたことがあるぞ」
「まあ、開いてみろよ」
僕たちは数学の教科書の上に漫画を広げ、ページをめくった。
最初の数ページは普通だった。
けれど、ページをめくった瞬間、僕たちは衝撃を受けた。
「シュン、お前何を持ってきてくれたんだ? これ、全男子が愛してやまない『生物学』のページじゃないか」
タラカが僕を凝視して言った。
「僕のせいじゃない、誰かが買ってるのを見たんだ!」
僕は容疑を否認した。
「持ってくる前に少しは確認しろよ!」
タラカが焦った声を出す。
「隠せ、隠せ! 早く閉じろ!」
僕たちの社会的な死が訪れる前に、彼は必死に手を動かして漫画を叩きつけようとした。
「……あなたたち、何を読んでるの?」
背後から、突然冷ややかな声が響いた。
誰かが僕たちの肩に手を置いた。
「し、司書さん……?」
二人で恐る恐る振り返る。
司書を務めるその女子生徒は、表紙をじっと見つめていた。まるでこの日が来るのを予期していたかのような、疲れ切った表情。短い黒髪。身長は155センチほどしかないのに、まるで怪物のように見えた。
こんな生徒、見たことがない。僕は思った。
なんて……なんて……なんて「ブス」なんだ。タラカが小声で呟いた。
「こ、これは説明できます」
僕とタラカは震えながら言った。
「説明はいらないわ。来なさい」
「こんな成人向けのものを持ち込むなんて、気持ち悪いわね」
「僕たちはもうおしまいだ、息子よ。パパのことを忘れないでくれ」
「お前が死ね、クソ野郎」
「僕は君の息子じゃない!」
僕は叫んだ。
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18禁漫画。大人専用。
露骨な性的描写が含まれています。
あの時、ちゃんと裏表紙を確認しておくべきだった。
いや、あの頃の僕はそんな知識なんてなかったんだ。自分を責めるのはよそう。
でも……今でも不思議に思う。
どうして彼女は、それが成人向け漫画だって分かったんだろう?
彼女が見たのは、表紙だけだったはずなのに。
ご愛読ありがとうございました!!




