ドキドキわくわくピクニック。美女と馬と時々俺4
小さくした暗号箱をポーチにしまい、新しい空の暗号箱を代わりに置いた。
小屋から出て、背伸びをする。
「あー、終わった終わった。あとは帰るだけ! と、言いたいところやけど……」
淡々としているハーミラに、昼飯の事を切り出すのは気が引ける。早く戻りたいだろうと思う。しかし、これだけは譲れない。
「……昼食……」
「え!」
まさか、彼女から切り出してくれるとは! まぁ、あれだけの大物を倒したら、そりゃ腹も減るだろうな。
「食べないの……?」
「食べます! それを言お思てたんやー」
俺は、ウキウキしながらポーチから弁当箱を取り出した。
「さて、どこで食べるか……」
場所を探そうと見回すと、いつの間にやらハーミラが眠るタルビナリウスのそばに腰を下ろしていた。もちろん、プレィグも従えて。
「こっち」
「はやっ! ていうか、そこ!?」
遠慮がちな小さい手招きに呼ばれ、とりあえず俺も腰を下ろす。タルビナリウスの呼吸音が、なんとも落ち着かない……。
「ま、まぁ……ハーミラさんがええならええけどな……」
気を取り直して、目の前に弁当箱を置いた。2つの大きな箱。一体中身は何だろうか?
俺としては、馴染みのある弁当と言えば、子供の頃にオカンが作ってくれた物だ。唐揚げ、玉子焼きは欠かせない。昔は甘い玉子焼きが好きだったが、今は出汁巻きも大好きなんだよなぁ。それと、ウィンナー。タコさんにしてあると、特別感があってより嬉しい。
けれど、この異世界の弁当は見当がつかない。アメリカとかイギリスの弁当って確か……。サンドウィッチにリンゴ! 以上! みたいなイメージなんだけど……。だ、大丈夫だよな!?
「わぁ……」
「って、もう開けとるんかーい!」
俺が悶々と考えてる間に、またしてもいつの間にやらハーミラが2つとも蓋を開けていた。というか、今の「わぁ」という感嘆は、ハーミラが……?
「……開ける気配が無かったから」
見れば、いつもの無表情だ。タルビナリウスの寝息と聞き間違えたのだろうか? それより……。
「すげー! キラッキラや!」
箱は、メインとおかずの2つに分かれていた。メインは、想像したようにサンドウィッチだ。しかし、色とりどりに何種類もある。
お楽しみのおかずは、肉や魚、揚げ物と目移りしそうだ。野菜は彩り程度と控えめなところが、さすが「龍の溜まり場」のおやっさん。よく分かってる!




