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鑑識眼  作者: 寝眠猫
8/14

アオの変化

俺はこんなことになるなんて予想していなかった。

「クーロ♡こっち、見て?」

そう言いながら俺にバックハグをしているのは紛れもなくアオだ。

「あ、あのーちょっと離れてくれないかなぁ…」 

「……無理。もしかして…クロはもう俺と一緒にいたくないの…?」

……あぁ…なんでこんなことに……!


〜遡ること半年前〜


俺はアオと強くなるのも目標に、地上を目指していた。結論から言うとアオは想像を絶する強さだった。

もちろん最初は子供だし、弱かった。だが俺が魔物と戦っているところを見たり、少し戦いに参加しているうちにみるみる強くなっていった。

闇の属性保持者の俺よりかは断然スキル数が少ないが、生まれ持った身体能力から、その点を補えていた。

強くなるのは喜ばしいことだ。俺の左目の見えないところを、何回もカバーしてくれている。俺がアオを守り、アオが俺を守る、いい関係なのだが…。

アオは亜人族。俺は知らなかったのだが、亜人族は強くなると見た目も急成長するらしい。この半年間でアオは見た目がみるみる成長した。髪を切り、男らしくなったのもあるが、痩せてだいぶ背が高くなった俺よりも背がでかくなり、筋肉もすごいことになっている。耳と尻尾を出す、出さないの調節ができるようになったのもあるが、すごい色男になってしまっていたのだ。そして俺にべったりで、離れようとしない。それに謎な行動が前より多くなった。例えばダンジョンで上の階層に行き、人に会うたびに俺と人を接触しないようにしてくる。そしてさっきみたいに急にハグしてきたりする。地上にでて、これは大丈夫なんだろうか?俺がこんなにイケメンと歩いていると妬まれていじめられそうな気がしてきた…


「クロ…もういっそこのままダンジョンにずっといない?外に出たらクロ、絶対狙われ…………」

最後らへんはよく聞こえなかったが、アオは外が怖いのだろうか……まぁ、そうだよな。あんなに人間にひどいことされて、怖くないわけないよな。

「大丈夫だよ。アオ。アオは俺が守るよ。」

そう言って俺は昔のようにアオにハグをした。

「クロ、嬉しい…!俺も絶対クロを守るよ、!あ、あとこれ…絶対他の人にやらないでね。」

「へ?う、うん?」

これ?なんのことだろう。まぁいいか。


半年をかけて、ダンジョンで俺とアオは強くなった。地上には通用しないのだろうが、それでも頑張って生きるんだ。アオを守って。

「アオ。出るよ!」

「うん!」

アオが手を握ってきたので握り返し、俺たちは地上へと足を踏み出した。

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