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鑑識眼  作者: 寝眠猫
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パーティー作りにも問題が!?

俺とアオはあの女の人に教えてもらったとおりにダンジョン近くにあるギルドに来た。

ギルドは酒場のようでもあり、クエストが終わったのであろういくつかのパーティーたちが昼食をわいわい食べていた。

「ここがギルドかー。アオ、パーティー作りたいか?」

俺の質問にアオは少し心配そうな顔をした。

「俺は作りたいけど……クロは嫌じゃないの?色んな人を仲間に入れないといけないんだよ?」

「え?俺とアオ2人きりじゃだめなのか?」

「ッ…!!……そうだね。うん。2人だけのパーティーにしよう。」

アオは俺が人と関わるのが苦手だから心配してくれたのだろう。確かにギルドを見る限りパーティー1つに5人以上はいる。そう踏まえるとクエストを受けるにも2人だけのパーティーは危険なのだろう。

それに俺たちはずっとダンジョンで暮らしていた。地上の魔物のことは何もわからない。

……だが俺はどうしても知らない人をパーティー加えるのが嫌だ。どうせ裏切られるし、闇の属性だと知られたら……。そういえば闇の属性保持者って街の人たちにはどんな扱いを受けるのだろう?

勇者なんて言うもんだからもちろん、民間の人たちは俺達が召喚されたことは知っているだろう。

地上に出てなかったせいでそこら辺の情報が少ない…。これからは情報も必要になりそうだな……。

「こんにちは!ギルドの案内人のミラです。新規パーティー作成の方ですか?」

背後から突然小柄な女の人に声をかけられた。 

「…!………はい。パーティーを作りたいのですが、何をすればいいのか分からなくて。」

……あれ?話した。アオ以外の人と、話せた。

なんで?どうして?どうして急に話せたのだろう。今まで話しかけられてもアオに応えてもらったり、返事のみか無視しかできなかったのに。どうして?


………似ている………


不思議そうに見つめるその顔はなんだか妹に似ている気がした。…もしかして妹に似てたから話せたのか?

「ク、クロ???今、俺以外の人とはな、した!?」

「!」

アオの言葉のおかげで我に返れた。

……そうだ。いくら妹に似てたからと言って所詮アイツラと同じだ。俺はもう信じないんだ。誰も。

「………」

「たまたま、か?」

「、?あ、あのぉ〜。パーティーを作るんですよね!それならパーティーメンバー全員を連れて来てくださらないとお渡しするものが渡せません。」

渡すもの?パーティーを作ると宿以外にもなにかもらえるのか?

「パーティーは俺とクロの2人です。」

「わかりました。ではここでお待ちしていますのでって…………え!!?!!??ふ、2人!!!??」

「はい。もちろんおかしいのはわかっていますが、諸事情で2人のパーティーじゃないとダメなんです!!」

アオ…ほんとにいつもありがとう…!アオがいなかったら俺はどうなっていたか………。

「は、はぁ……まぁそれでお二人がいいのならいいですが……ですがやはり危険ですし、周りからも白い目で見られることもあると思いますよ?」

「いいんです。クロがいればそんなことどうでも。」

あ、アオはどうしてそんな恥ずかしいことをすんなりと言えるんだ…。

クロはこっちを向いて微笑んできたが、なんだか照れくさくて目を逸らしてしまった。

「ほほぉ………。わかりました!!いいでしょう!認めます!」

ミラさんが俺とクロを少しの間品を定めるような目でじっと見てからニヤリと笑った。

「あそうだ!言い忘れていましたが、パーティーにはギルドの案内人が一人ついていないといけないのです。クエストの説明や、パーティーの裏方的な存在です。仕方ないので私がなってあげましょう!」

「「え?」」

パーティーにはそんなものが必要なのか!?

アオと2人でできると思ってパーティーを作ったのに……。

「……すみません。それって案内人なしではパーティーを作れないのですか?それならパーティーを作るのはやめたいです。」

アオは俺の顔を見て察してくれたのか、ミラさんにそう言ってくれた。

「案内人なしでは作れないですね。あとパーティーを作るのをやめないでください!!!私はクロさんの顔が好みなんです。お願いします!私をパーティーの一員にしてください!!!」

え?俺の顔が好み?……あぁアオのフィルターか。こんなに影響力があるのか……すごいな。

「………は?こ、好み、?……駄目です。絶対に。たった今、パーティーは作らないことになりました。行くぞクロ。」

あ、あれなんかアオ、怒ってる???俺の腕を握る強さがいつもと違う。も、もしかしてさっきまでずっとアオに任せっきりだったし呆れられたのかも……。

「あ、アオ!まって、パーティーは作ろう。そしてこの人をパーティーに入れよう。」

「クロ!!??いいのか?俺以外の人と話す機会が多くなってしまうぞ。それにこいつは……」

「あのぉ〜アオさんが心配していることは起こらないので安心してください!ただ!顔が好みってだけで、目の保養です!それにパーティーの一員と言っても、私はパーティーの宿にいるだけで、一緒に行動するわけではないので!」

アオがミラさんをおびただしいほど寒い目で凝視している。そして、

「……わかった。パーティーを作ろう。……でもなんでクロはそんな急に?いつもなら絶対作らないでしょ。」

「……なんだかこの人なら別に大丈夫な気がしたんだ。それに俺も地上に出てきたからには人とはどうしても関わらないといけないし、情報も必要だから。」

ミラさんが大丈夫だと思ったのは、最初話した時になにも嫌悪感を抱かなかったからだ。きっとそれは妹に似てるからだろうが…。

「クロおおおお!すごい!えらいよぉ!でもそんなに俺以外の人と関わらなくてもいいと思うよ…」

「あ、アオ離しで、ぐるじぃ……」

アオは俺が人と関わろうとしているのが嬉しかったのか俺にハグをしてワイワイ喜んでいた。

「私がいることを忘れないでください!!クロさん、もしかしていつもこんな感じなのですか?さっき喜んだあと結構すごいこと言ってましたけど…。」

「そうだよ。アオは優しいんだ。……すごいこと?そんなこと言ってた?」

「あぁ。これはお決まりの本人には聞こえてないやつか……。というかこんなにアオさんがクロさんにべったりだと、目の保養タイムも作れないじゃない……あ、でもアオさんも私はタイプではないけど顔整ってるわよね……そうだわ…イケメン2人の絡みなら2人丸ごと目の保養になるじゃない……ふ、ふふふふふふふ。」

聞いた途端ミラさんもぶつぶつとなにかを言い始めた。なんだか悪寒がしたのは気のせいなのだろうか。

「!そうだ。俺たちはお前のことをなんて呼べばいいんだ?」

「ミラで結構です。私は二人のことはなんとお呼びすれば?」

「アオで」

「クロでいいです」

「じゃあ全員呼び捨ての仲ね!ふふこれからが楽しみよ!!パーティーでたくさん稼ぐわよ〜!」

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