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鑑識眼  作者: 寝眠猫
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噂の2人組

「うっ……まっぶし」

ついにダンジョンから地上に出た俺とアオは今、街の中心部のダンジョンゲートの前にいる。 

「へ!?まって!!あの人って……もしかして噂になってた、いい体したイケメンの人!?!」

「へ!?まじっ!?」

「え!?でも2人!?いい体したイケメンが2人もいる……」

俺とアオが街を見渡していると、わらわらと人が集まってきた。

それにしてもいい体したイケメン?誰のことなんだろう?……あ、俺はちらりと横を向くとアオがなぜか焦った様子で俺を隠そうとしてた。

はっ!アオのことか!?まぁ確かに男の俺でもカッコいいと思ってしまうくらいのレベルだもんな…。

…そういえば、アオはなぜデブでカッコ悪い俺みたいなやつと一緒にいてくれるんだろう。あいや、痩せたしデブではないのか、?………そういえば俺の今の見た目ってどうなってるんだろう。ダンジョンにはもちろん鏡なんてもんはないから確認できなっかったが、こんなに人が集まるって……めちゃくちゃ変なことになってるんじゃないか!?このままでは一緒にいるアオにも迷惑をかけてしまう!

「アオ!ちょっとこっち行くぞ。」


「ハァ……ハァ…もうここまできたら誰も来ないだろう……」

俺はアオを連れて路地裏のようなところにきた。

「あぁ……クロが世間に見つかってしまう……狙われる……あーあーあー」

アオがこの世の終わりのような顔でなにか言っているがよくわからない。


ん?なんだあれ?

路地裏のゴミ捨て場のようなところになにかが光って見えた。

…あれは鏡だ!!あれでせめてもの身だしなみを整え直さないと。

俺はそう思い鏡を見た。

「……………………………………へ?」

「クロの顔がうつってる!!これはなんですか?ガラス?」

俺の、顔、?

「ア、アオ……これって俺、なのか?」

「??そうだよ?」

……………ええええええええええええええ!!!!

嘘、だろ?これ……俺?

鏡には見たことない顔が映っていた。

いや、厳密に言うと似たような顔は見たことがあった。昔、痩せていた時の自分の顔によく似てる。

「………そういえば俺こんな顔だったな…。」


……吐き気がする………


デブだったときの顔も大嫌いだが、この顔も大嫌いだ。今まではデブでいじめられていたが昔は女顔のせいで先輩たちにいじめられてたしな。

「……ん?左目が青、色??」

「ソレハ鑑識眼ヲホユウシテイルカラデス。」

懐かしい、機械の声が聞こえた。

「モニター。久しぶりだな。」

「モニ!!久しぶり〜」

アオが俺の左目に向かって話しかけた。

アオと出会いダンジョンで過ごしている時に鑑識眼や、召喚されたことについては説明した。

だからアオはモニターについて特に何も驚いてはいない。昔からアオは物分りが良いんだよな……。

「オヒサシブリデス。ワタシハ、タタウトキニ、タマニシジヲダスクライノキノウデスノデ…」

というか鑑識眼を持っていると目の色変わってしまうのか……自分のこの見た目に慣れていないから鏡を見ていたらなんだか気持ち悪い…………。

「って……わっ!」

「大丈夫?クロ?顔色が悪いよ?」

アオが俺の顎を指先で撫で上げ心配そうな目で顔を近づけてきた。

「あ、アオ……大丈夫だよ。そ、それより近い…。」

………なんか…顔が熱い…。

アオはだいぶ鍛えたほうである自分よりも身長が高いし体格もいい。何より男から見ても顔が綺麗で、近づかれると最近どうしても緊張してしまう。

……って俺、男なのに何考えてんだ。……

「…ッ!……く、クロ……俺、実はずっとクロのこと__」

「あああああー!!イケメン2人組見つけたよー!!!!」

何か言いかけていたアオの言葉を遮る大声で突然知らない女性が叫んだ。

………ん!?イケメン2人組?アオともう一人は誰だ?ここには俺とアオしかいないが……………!!もしかしてアオと一緒にいるだけで俺までかっこよくフィルターがかかるというのか!!?亜人族、、すごい……

「あ、あのぉ!よければ今から私たちとお買い物に付き合ってくれませんか?!」

辺りを見ると、屋台のようなものがたくさん並んでおり、たくさんの品が売られ、賑わっていた。

「すみません。今から僕達泊まるところを探さないといけないんです。」

俺が人とあまり話そうとしないことはアオにはもうわかっているのだろう。代わりに答えてくれて助かった……。後でお礼を言おう。

「え?ですが先程おふたりはダンジョンから出てきましたよね?ならパーティー経由の宿には泊まらないのですか?」

「パーティー経由の宿、ですか?そんなものがあるのです?」

パーティーの存在はわかる。この世界に来る前、漫画とかゲームとかの異世界転生の話ではよく出ていたものだ。俺はもともと漫画やゲームをしないからそこまでわからないが、ダンジョンに行ったりするときの仲間のようなものだった気がする。

だがこの世界にはパーティーごとに宿が支給されるのか??

「はい!……え!?もしやパーティーに入ってないのですか!!?ならギルドに行ってパーティーを早く組んだほうがいいですよ!近々パーティー戦もありますしね〜。」

「パーティーか……そうだなギルドに行ってみるよ。ありがとう。子猫ちゃん。」

「キャアアアアアアアアア♡♡♡♡」

「…………。」

アオはいつの間にこんな女たらしになってしまったんだ………。

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