66 悪役令嬢とヒロイン、挨拶を交わす
「お嬢は、そもそも剣は使えるんですか?」
「ううん。振るったことはないわね。運動自体はそれなりにしていると思うけど」
生徒会が終わった後、学生寮へと帰る途中にヒューバートに尋ねられる。
ジャミルが剣技大会に『アリスター』を誘うよう提案し、レイドリック様は乗り気だった。
私を呼んでどうしたいのよ? いえ、文句を言いたいんでしょうけど。
「じゃあ選手としての参加は見送った方が良いですね」
「それ以前の問題な気がするけど……でも」
「なにか?」
「鍛えたら、そこそこ強くなれると思うのよね、私。それにダンジョン踏破も考えると」
やっておいて損はないはずだ。
悪役令嬢のスペックを持て余している気がするのよね。
学園に入ってから、これまではコントロール重視にしていたのとは別方向に魔術鍛錬を増やしたことで、洗練されていると思うし。
とはいえ、まだ1年生の身体。
『ただのアリスター』と比べれば、精神的な強さは増したと思うけど。
生来、私は気が強い気質よ。そして負けず嫌い。
ロバートの『私』への態度などを考えると、あの鼻っ柱を叩き折りたい気持ちがムラムラと。
無視しているけど、微妙に私につっかかり見下してくるクルスも叩きのめしたいわ。
それぞれ剣と魔法で。
……もちろん、それが破滅フラグだとは分かってはいる。
でも、私が『アリスター・シェルベル』本人であるのは事実なのよ。
ゲーム上で描かれた、その資質は間違いなく私のものなのだ。
だから、存在しなかった公爵家の競い合いだって提案した。思わず。
『アリス』として振る舞っている時は、そこまで血の気を多くする必要ないんだけど。
これにしたって私がしたかったことは『ヒロイン』を『ヒロインの立場で』叩きのめしてやりたいという気持ちがあったから。
『同じ土俵』で争って『相手の得意分野』で叩きのめしてやった方が気分がいい。
そういう気質を私は持っている。
「……鍛えましょうか」
「剣を?」
「ええ。生徒会でダンジョンへ行くなら『アリス』として努力するのも悪くないと思う」
「そうですね。お嬢も自衛できた方がいいでしょうし」
「うんうん」
ゲーム上の『私』は、たしかにルートごとに立ちはだかるラスボス的なお邪魔虫だったけど。
剣を習っている時に魔術の鍛錬を蔑ろにしていたかは微妙なライン。
『どちらも』きちんとやっていたら総合力でヒーローたちに勝てていたかもしれないじゃない?
ああ、でもそれじゃ意味がないのか。
ロバートを魔法でやり込めたとしても、きっと彼は心底で負けを認めないでしょう。
クルスを剣で追い詰めても生意気さは変わらない気がする。
やっぱり、相手の得意分野でってところが重要なのよね。
『負けを認めさせる』には相応の美学が必要だ。
「鍛錬用の木剣を用意しておきます。『アリス』に贈るなら問題ないかと。
殿下からダンジョンの話も聞きましたから」
「そうね。生徒会で行くって話をしたんだから、それに備えるのは不思議なことじゃない。付き合って貰える? ルーカス」
「ええ、もちろん」
うんうん。ところでヒューバートは強いのかしら?
『王家の影』枠だから鍛えているはずだし、バカでは務まらないはず。
普段を目立たないようにしているだけで、ハイスペックなのよね?
そして、翌日。
昼休憩の時間になって、前日に用意して貰った招待状、勧誘状? を持参してシャーリー様の元へ向かう私たち。
1年生と2年生の校舎は別々にあり、割と距離があるわ。
まぁ放課後に行ってもいいんだけど。手紙があるので、ひとまず渡すだけね。
渡せない可能性があるので、彼女たちの周囲に居る人に用件を伝えつつ、視界に入っておくのがベスト。
アポなしで公爵令嬢に突撃はまぁ、無礼だ。
でも学園内のことだし、頭ごなしに偉そうにせず、手順を踏めば……うん。
それから生徒会入りを断られたとしても、それは彼女たちの意思なので不満を覚えたり顔に出したりしないこと。
私も心情的には彼女たち寄りだものね。
アレ系ヒロインだと『レイドリック様が生徒会に入れって言っているんですから!』とか言い出しそう。
それは絶対しないわよ。彼女たちの心情優先。
「ロッテバルク公爵令嬢。いらっしゃいましたね。食堂へ向かう様子です」
「ええ」
シャーリー様が友人たちと連れ立って移動しているところ目撃する。
呼び止めるのは忍びないわね。ひとまず付いて行って、彼女たちが一通り食事を終えて落ち着いた時を見計らいましょうか。
ちなみに私とヒューバートは昨日から生徒会の『腕章』を付けている。
普段使いする必要はないんだけど、今回は生徒会の仕事として来ているからね。
今の私たちの立場としては当人に直接、語り掛けるよりも友人を通して手紙を渡して貰うのがベター。
この昼休憩で良いタイミングがなければ諦めましょう。
……そう、思っていたら。
「貴方たち。私に何か御用かしら?」
距離を置いて付いてきていた私たちに気付いて、シャーリー様の一団が止まってくれたわ。
これは、ありがたいわね。
カーテシー……じゃなくて『お辞儀』をして、粗忽者アピール。
公爵令嬢として認識されないように偽装する。
「あ、は、はじめまして! 皆さん! 私、生徒会書記のアリス・セイベルって言います!」
「……生徒会会計のルーカス・フェルクです。はじめまして」
私は平民っぽい感じのお辞儀を。ルーカスは紳士らしく丁寧な礼をして様子を窺う。
「……生徒会?」
「はい! あの、私たち生徒会長のレイドリック様から、シャーリー・ロッテバルク公爵令嬢様へ、生徒会の勧誘の手紙を預かって参りましたっ!」
丁寧な言葉にしつつ、元気っ娘風のアクセントを加える。
あくまで同列の公爵令嬢としてではなく、下位貴族の一生徒としての振る舞いよ。
「……生徒会の勧誘、ですか」
「はい!」
手紙はヒューバートが管理しているわ。
でも、すぐに手紙は出さずに彼女たちの反応を見てからよ。
けっして、こちらから押し付けてはいけない。
あと、一定以上の距離を保つ。これ、徹底。
「……それで。その手紙は?」
「こちらとなります」
シャーリー様に言われてからヒューバートが勧誘の手紙を取り出した。
彼女の周囲に居る友人の一人が動いて、受け取りに来る。
人伝てに手渡し、シャーリー様が受け取ったことを確認したわ。
「すぐにお返事は出来ないかもしれないわ。でも手紙は読ませて貰うわね」
「はい! ありがとうございます!」
「……また後日、お訪ねしてもよろしいでしょうか? ロッテバルク公爵令嬢。
公女様の都合の良い日があれば、その日に伺わせていただきます」
「そうねぇ……」
ヒラヒラと手紙を振って思案するシャーリー様。
今のところ『アリス』の正体に気付く様子はない。
やっぱり赤髪の印象が強過ぎるのかしら、普段の私って。
まぁ、振る舞いごと切り替えているし、化粧の印象だって変えている。
でも瞳の色や顔の形、声は変わっていないのよ。
喋り方を思いきり変えているんだけどね! バレないものなのねぇ。
前提として同一人物と疑っていれば分かるかしら?
『思い込み』の効果だってあるものね。
「3日後。放課後に2年の教室まで来ていただける? その時には返事をさせて貰うわ」
「わかりました! ありがとうございます! 公女様!」
「感謝致します」
私とヒューバートはそれぞれに礼をして頭を上げておく。
「他に何かご用件はおありかしら?」
「いえ! 生徒会への勧誘だけです!」
「そ。……ところで」
「はい」
「私以外にもこうやって生徒会へ勧誘する予定の方は、どなたがいらっしゃるの? 教えてくださる?」
「えっと」
私とヒューバートは互いを見合う。
こういう時の判断は私がするのよね。どうしようかしら。
まぁ、伝えてもいいかしらね。
「まだ正式にお答えを聞いていませんし、他の役員も動いています。
私たちはあと一人、ファムステル公爵令嬢様への手紙を会長から預かっています」
「……そ。分かったわ。教えてくれてありがとう」
「こちらこそ、お話を聞いていただいて、ありがとうございます!」
ペコッと頭を下げて。彼女たちは特に何を言うでもなく去っていったわね。ふぅ。
「お嬢は、なんだか慣れていますね」
「慣れる?」
「はい。その振る舞いというか」
「ああ……」
下位貴族ムーブ? まぁ、それは一般人だった前世の記憶があるからね。
中身、公爵令嬢なのにあっさりと頭を下げられる私に戸惑いを感じるのかしら。
「まぁ、ちょっとね」
誤魔化して笑って。放課後はミランダ様の元へ向かったわ。
そちらでも手紙を受け取って貰えるところまでは問題なく。
下位貴族の振る舞いはしていても、一応は通せる礼儀を通しているからね。
手紙がレイドリック様からのものであることも大きいでしょうけど。
「これは生徒会長様からの『命令』かしら?」
「いえ、『お誘い』です! 会長は、きっと命令なんてされないと思います!」
「そう。貴方たちがどう私に伝えたかも、皆さんが聞いていらっしゃるけど。それでも問題ない?」
「はい! 問題ありません!」
ニコニコと満面の笑顔。淑女の微笑みなんてなんのその。
『断ってもいい』と言わせて、伝えた私たちの責任にするのね。
彼女たちがこの件を断ったら、どうしようかしら。
十分にありえるのだけど、レイドリック様たちの傲慢さは『私』以外にも発揮されるのかどうか。
立振る舞いを分かっていて、かつ下位貴族のヒロイン属性持ちなら双方の毒気を抜くこともできるはず。
たぶんね。
「……そう。下がっていいわ」
「はい!」
うん。これで生徒会の『下っ端』としての仕事は終了ねー。
意外と揉めずに済んで良かったわ。
「……いいんですか? これで」
「もちろん!」
同格のはずの公爵令嬢2人を相手にヘコヘコと頭を下げ、婚約者の小間使いをしている私。
真実を知るヒューバートとしてはモヤモヤとした気分になるのだろう。
私も別に公爵令嬢としての矜持や誇りを忘れたわけじゃないんだけど。
『アリス』の姿をしている時は、けっこう自然体で過ごせるし、振る舞えるのよね。
曖昧で薄っすらとではあるけど、二重の人生経験があることは、やはり大きい。
「それに今の私は仕事をしているだけだもの。惨めな気持ちにはなっていないし、そう見られてもいないのがいいところね!」
「そうですか……?」
「ええ!」
実際、『公爵令嬢アリスター』としてのまま、同じような仕事をさせられていた可能性だってあった。
そっちの方が最悪だったでしょう。嘲笑されて、屈辱を味わったはず。
でも『アリス・セイベル子爵令嬢』としてなら誰も私を笑わない。
シャーリー様やミランダ様との格付けなんて誰も思い至らないの。
同じような事をする羽目になったとしても、その評価と私の気持ちは雲泥の差よ。
なんだったら『皆、こんな変装に騙されちゃってるんだー?』という優越感すらある。
私の計画も振る舞いも見抜けない時点で私の勝ちみたいなもの。
うん。やっぱり、こうしなかった場合よりも、ずっと私の『気持ち』に優しい作戦よね。
高位令嬢の誇りとか責任は気にしないものとする。
そっちはそっちで公爵位を懸けた道を考えているもの。
そんな風に2学期の生徒会活動はメンバー募集から始まったの。
並行して剣技大会に向けた準備や『奇跡』の素養確認についての処理も始まる。
1日と待たずに鍛錬用の木剣を用意してくるヒューバートは一体、何なのかしらね。
有能か。
それで私がレイドリック様の攻略を進めない時は、鍛錬に付き合って貰うことになった。
と言っても、まずは素振りから。グローブを嵌めてね。
しかも、ヒューバートが持って来たプレゼントだった。
「これって?」
「『加護』の奇跡を掛けてもらったグローブです。剣を振るえば手の平が傷つきます。
ですが、これなら痛みの軽減や治りも早くなるので」
「……高いんじゃない?」
「この程度なら、別にお嬢の家でも用意できるかと……」
「まぁ、そうだけど」
鍛錬用のサポーター、或いは実戦用の保険とも言える『加護』の奇跡。
効果は今、ヒューバートが説明した通りね。
でも私は私で『身体強化・保護』の魔法を込みで剣の鍛錬をするつもりだったんだけど。
ヒューバートって過保護なのかしら。
「身体が動かせる体力が付いてきた後は、軽く型を教えておきましょう」
「型ねぇ。あんまり騎士のような戦い方はどうかと思っているんだけど」
騎士の戦い方は、積み重ねた鍛錬によるパワーと技術を合わせた正統派よ。
でも他にもやる事のある私は、その正統派を学ぶ時間が足りない気がする。
「女性騎士には、女性騎士の戦い方はあります。身体強化で個人の運動能力差は埋められますが……。やはり、鍛えている者だと総合的には男性騎士に力負けしてしまうかと」
「そうね」
それは否めない。
ただ将来的にロバートと肉薄できる私は、身体強化のレベルが並外れて高くできるのだと思う。
魔法なしの男女の肉体スペックを埋めるほどの魔力量に魔力差よ。
それでも一騎打ちの決闘ではロバートに負けるのが私なんだけど。
2学期の授業内容は意外と変化はなかったわね。
魔王だ、ダンジョンだって色々と裏では動いているのは伝わってくる。
でも学園の空気をガラリと変えるには、まだ至っていない様子。
ダンジョン調査の先遣隊が調査報告を上げるまで、大きな影響はないかしら。
そしてシャーリー様、ミランダ様の生徒会参加の答えは……イエスを貰えた。
まあ、これで3人の公爵令嬢が生徒会に揃うわ。
ゲーム上で名前の語られないモブ役員が、実は公爵令嬢だった、なんてことはないでしょう。
ということは、この展開もオリジナル……というか『現実ルート』の展開なのかしらね。
ただし、2人はすぐに参加はせず、準備を整えてから生徒会に入るとのこと。
良い返事をしつつも、まだ様子を窺っているようね。
「『アリスター様』の出方を見ているだけでは?」
「……まぁ、それもあるでしょう」
『私』が生徒会に入らないまま、自分たちが生徒会に入る。
その影響がどう出るのか。それを見極めようとしている。
ジャミルの提案もあるし、『アリスター』宛ての手紙が、また屋敷に溜まっていそうねー。
学生寮で暮らす『アリス』の元へ、それらの手紙が届くにはタイムラグがあるの。
剣技大会の主催となるのは生徒会ではなく、騎士科の生徒たちとなる。
書記に過ぎないアリスに、現状そこまで仕事が回ってこないなら、大会当日も『アリスター』として出てこれなくはない……かな?
それから、ロバートが騎士科から連れてきた女子生徒も参加することになった。
名前はフィアナ・ドノバン。
伯爵令嬢。兄なども居るため、家は継がない立場。
女騎士として身を立てるつもりらしく、女性らしさを残しながらスポーティーな……。
なんていうか『女性にモテそうな女性』タイプ。
髪の毛は短めだ。ショートヘアーをした令嬢が少ない国だが女性騎士ならまぁ、といったところ。
本人も騎士として生きていくことは決めているのだろう。
ポニーテール系で誤魔化すことだって出来るだろうに、短めの髪を晒している。
でも見た目で『男』に見えるかって言うと、そうじゃない。
女であることは分かりつつ、美青年のような雰囲気を出している感じ。
ゲーム上に彼女の名前やキャラクターは出てこない。
ただし現実では彼女、『近衛騎士』ロバート・ディックの婚約者候補、筆頭よ。
年齢も合うし、目指す道も同じだからか。
正式に婚約が決まったわけじゃないようだけど……。
ヒロインがどうこうなんて未来を知らない当人たちは、なんとなく『二人の将来の可能性』について理解しているようだ。
……下手をすると『ライバル令嬢』枠になりそうな。
ゲームには居なかった。アリスターとは別の悪役令嬢ポジションの女子。
ロバートルートをヒロインが選択した場合、良くない役回りを背負わされるかもしれない。
正式な婚約者じゃないから、ロバートに想い人が現れたら、あっさりと身を引くかも?
シャーリー様やミランダ様もそうだけれど『アリスターの代わり』の悪役令嬢の『枠』が、彼女たちに回らないように気を配りましょう。
そうして。
とうとう『彼女』がやって来た。
案の定というか『大商人の子』ホランドと一緒に。
黒髪・黒目の日本人風の女子生徒、『ヒロイン』レーミル・ケーニッヒ男爵令嬢が。
「よろしくお願いします! 私、レーミルって言います!」
ここまでは予測通りでもある。だけど同時に『原作』にないはずの、私の知らないルート。
レーミルの様子には焦りが見られなかった。
まんまと生徒会入りしたのだから当然か? だけど、感じてしまう違和感……。
やっぱり彼女、この『私の知らないルート』を知っているんじゃないかしら。
そして概ね、彼女の知るルートと現実のエピソードは乖離していない?
ならば『アリス』についてはどうなのか。
それもまた原作通りなのか。
私自身が考えたはずのそれが『運命』の手の平の上だとしたら。
ジャミルの紹介でホランドとレーミルが挨拶をする。
ホランドの親の商会は有名だから、レイドリック様たちも知っている家よ。
なので歓迎されていた。
レーミルに対する反応としては……特にマイナスって感じじゃないわね。
ジャミルとホランドの攻略率が高い状態、かしら。
「はじめまして! アリス・セイベルです!」
「はーい。私、レーミル・ケーニッヒです」
ニコニコ。ニコニコ。
『悪役令嬢』と『ヒロイン』がニッコリと初対面の挨拶を交わす。
向き合って会話するのは、今回が本当に初めてよ。
ちなみに彼女、私の顔を見て一瞬、訝し気な表情を浮かべたけど、すぐにこのニコニコ顔になった。
たぶん、あの反応は……初回の魔術鍛錬の時からの因縁じゃないかしら?
『あ、この女、あの時のあいつだ』みたいな。でもそれだけ。
ニコニコしながらレーミルの様子を窺ったけれど。
うん。割と露骨な態度の気がするわね……?
取り繕ってはいるけど、『アリス』『ルーカス』『フィアナ』に対しては、地味に雑な態度。
……彼女、こちらを『モブ』だと認識している?
ルーカスに対しては美形だからか微妙に反応したけど、それもすぐに引っ込めたみたい。
仮に彼女が知る『未知のルート』があった場合。
レイドリック様、ジャミル、ロバートの他にホランド、クルスが生徒会に入ることは『既定路線』ということか。
……やっぱり、これ。逆ハーレムルートなんじゃ。
魔王戦を控えて、ダンジョン攻略をしながら逆ハーレムルート。
どれもこれも私が知らない要素でもあるけど『乙女ゲーム』としては十分に『ありえる』のよね。
レイドリック様のイベントは妨害する気だけど。
それ以外のことについては、彼女がどうするのか。
そして『アリス』は果たして彼女にとって『知っている事』なのか。
近くで見極めさせて貰うわよ? 『ヒロイン』さん。
とうとう会話することになった悪役令嬢とヒロイン。