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11 最終話

 結婚式のその夜。わたし達はひどく緊張していた。アロイス先輩は私の顔をチラチラと見ては顔を赤くしている。


「あのぉ、もしかして、アロイス先輩は初めてですか?」

「いや、それはない。でも、まぁ、それに近いかもしれない」


(私の夫が可愛すぎる)


 でも実を言えば、私もそれほど経験豊富なわけではない。ガブリエルと結婚はしていたけれど姑達と同居していたし、妊娠しやすい日を選んで義務的にするそれは苦痛しかなかった。


「さぁ、深呼吸して。一緒に寝室に行こう。これからはずっと離さないよ」

 アロイス先輩が私の腰に手をまわし、そっと抱きかかえる。そのまま寝室へと向かえば、もうそこは二人だけの空間で・・・・・・ただひたすら彼の愛を受け止めて、息をするのも、やっとなほどの激しい夜を過ごした。





 熱い夜が明けて柔らかな光が寝室に差し込む。とても疲れているのに、満ち足りた気分で瞼をゆっくりと開けた。すぐ横には最愛の人の寝顔があって、毎朝その綺麗な顔が見られるのだと思うと、多幸感で思わず吐息が漏れた。


「おはよう。可愛い人。身体は痛くないかい?」

「えぇ、まだ眠いですけれど大丈夫です。とても幸せな気分なの。昔は朝起きると、まだ自分が生きているんだと、がっかりしたことがありました」

 こんな時に前の結婚を思い出すなんて私は最低だ。でも、アロイス先輩は泣きそうな顔で私の髪を撫でた。学生時代にサイラの言うことを真に受け、私に告白しなかったことを何度も謝る。


「ロレーヌを守れなくてごめんね。でもこれからは大丈夫だよ」

「私もアロイス先輩を守れなくてごめんなさい。そう、これからは大丈夫です」

 二人、どちからともなく顔を寄せ合い、甘いキスを交わした。初めから結ばれるべき相手だった。わたし達は今まで一緒に過ごせなかった時間を今から取り戻すのよ。



 神様、私の時間を特別に長くしてください。この最愛の男性と少しでも多くの時間を共有したい!

 そう、私は生きているこの瞬間に感謝する。真実の愛を得た私は、もう決して泣くことはない。 

 


☆彡 ★彡




 それから私達には女の子が産まれ、やがて男の子も生まれた。名前は長女がアミーリアで長男がステファンだ。でも私達の子供は二人だけではないのよ。ガブリエルが事故でなくなり、施設に預けられそうになったティアとエルネも引き取っていた。


 自分の子供ではないのに愛せるのか、ですって? もちろん愛せるわ。だって、私はアロイス先輩から溢れんばかりの愛を一秒一秒、今この瞬間も受け取っているのだから。だから、サイラの子供にだって喜んで愛をあげられるの。


 私は最高の居場所を見つけたのよ!


 



かなり放置してしまい、申し訳ありませんでした。今後はこのようなことがないように、きっちりと更新していきたいので、どうぞよろしくお願いします。

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