第6話「図書館にいくようです!!」
「...あっつ」
夏の暑さも最高潮を迎えて屋外はサウナのような環境になっていた
ここまで気温が上がっていると普段と比べて外出している人の数が少なくなっているため人気のファストフード店もお店の店員の人が減っているように見えた
そんな猛暑日に何故僕が外に出ているのかというと僕の家のクーラーが壊れて業者の人が修理に来ているため、今日は図書館で夏休みの課題をしに行こうと思っているからだ
ちなみに図書館は僕の家から歩いて10分程の所にある
普段なら一瞬で着く距離が今日はとても長く感じた
その後2分ほど歩いて図書館に着いた
図書館の中はクーラーがガンガンに効いていて外と比べて国が変わったようなくらい涼しい
僕はカウンターで使用許可の申請をして席に座った
「え、清水くん?」
となりの席から聞き覚えのある声が聞こえてきた
隣の席を見ると白い髪に青色の目、そして普段と違って眼鏡をしている雪華さんが居た
「あ、こんにちは、雪華さんもここで勉強?」
「うん、実は今日は家にお母さんのお友達が遊びに来てるからちょっと外出ようかなって」
「なるほど」
僕は雪華さんと軽い会話をしてから自分の席に着いて勉強を開始した
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「ん~!疲れた」
勉強開始から2時間、僕は一通り課題を終わらせて一休みしていた
今は夏休みが始まって4日、思っていたより早い速度で課題が終わってしまったため少し休憩のために中にある自販機で飲み物を買いに行くことにした
「雪華さんたしかミルクティー好きだったよな」
僕は自分のカフェオレと雪華さんのミルクティーを買って席に戻った
すると雪華さんは机に突っ伏して眠っていたので小さい声で起こす事にした
「雪華さ~ん」
「...ん?うにゃあ?しみずくん?」
「おはよう雪華さん、これミルクティー」
「にゃ!?お、おはよう...えっとあ、ありがとう...」
「お疲れみたいだね」
「う~ん、もうそろそろ帰ってもいい時間かな...」
そう言って雪華さんが壁に掛かった大きな時計を見ていたため僕も時間を確認した
現在時刻は1時過ぎ、お昼どきが過ぎて飲食店のお客さんが少なくなってくる時間だ
そんな事を考えていると雪華さんも同じ事を考えていたのかこんな提案をしてきた
「ねえ清水君、この後時間あったらお昼ごはん食べに行かない?」
「いいよ、でもあと15分くらいあとでいい?」
「ぜんぜんいいよ!じゃあ本読んでるから終わったら呼んでね」
「わかった」
そして僕はもう一度ノートへと目を落とした
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「じゃあどこに食べに行く?」
僕と雪華さんはお昼ごはんを食べに行くために図書館を出た
しかし行き先を決めていなかったため今こうして図書館の日陰のベンチで話している
「う~ん...僕も特別おなかがすいているって訳でもないからがっつりじゃなくて良いな」
「私も」
「じゃあこの近くの僕の知り合いの喫茶店でも行く?」
「この近くに喫茶店なんてあったの?」
「うん、実はそこおいしいかき氷が毎年夏に出るんだ」
「かき氷!!行きたい!!」
雪華さんはかき氷という言葉を聞いた途端目をキラキラさせて僕に近づいてきた
「じゃ、じゃあそこ行こっか」
「うん!!」
そして僕と雪華さんは喫茶店に移動した
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「ここ?」
「そうここ」
モダンな作りの喫茶店の前で僕は雪華さんの発言に返答した
ここは50年前からやっている喫茶店でうちの実家の喫茶店とも長い付き合いのお店だ
扉を押して開けると甲高いベルの音が鳴ると一人の女の子がこちらに振り向いた
「いらっしゃ~い...あれぇ~真白くんじゃん!久しぶり!」
「うん久しぶり沙耶ちゃん」
この子は「西条 沙耶」この喫茶店の店主の「西条 光太郎」の孫でいつも手伝いをしている子だ
「で、真白くん、その後ろに居る子は?」
「ああ、この子は雪華 華恋さん、僕の友達だ…」
「もしかして彼女さん!?」
「か、彼女なんて!!そんなんじゃないです!!」
雪華さんは全力で否定をしている、それだけ僕と恋人と思われるのが嫌だったのかと思うと少し悲しい
しかしそう言う反応をするのは仕方が無いのだ、なにしろ僕なんかと恋人と思われたのだから
その時沙耶ちゃんが席の誘導をしてくれた
「見てみて!!これ通常のかき氷の1.5倍だって!!私このビックイチゴかき氷にする!!」
「...ここのビックかき氷シリーズ結構多いけど大丈夫?」
「大丈夫大丈夫!!かき氷ならどれだけでも食べれるよ!!」
と豪語していた雪華さんだったが約30分後
「...ちょっとムリかもしれない...」
「だから多いよって言ったのに...」
「...清水くん残り食べてくれる?」
「...その為に僕の注文とりあえず少なめに注文したからね」
「ごめんね...」
雪華さんはその後フリーズして一切動かなくなったので食べ終わった後も少し待機していた
眠い