表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/26

第5話「夏休みが始まるそうです!!」

「清水君!夏休みにみんなで海行かない?」


一学期最後の帰りのホームルームが終わって帰りの準備をしている最中の僕の所に雪華さんがやってきてそう提案してきた

僕たちの学園は夏休みの補習や委員会の仕事などが無いため僕や弘人の帰宅部たちは期間の間ずっと遊べるのだ


「海かぁ~、いいね海、僕も行くよ」

「やったぁ!、じゃあ橘くんや鹿野ちゃんにも聞いて予定を決めよう」

「そうだね、メンバーは僕と雪華さん、それに弘人と火希さん、あとは誰か呼ぶの?」

「え~っと、あとひとり私の友達を呼ぶ予定だよ」

「...ちなみにそのもうひとりは~」

「もうひとりは『真名ちゃん』だよ」

「...やっぱりか~」


磯谷 真名

クリーム色のボブで緑色の目をしてる美少女だ、少し近寄りがたい雰囲気はあるがその見た目の良さで男女関係なく高い支持を受けている

そして雪華さん、火希さん、磯谷さんで学園トップ3美女だ


「まあそう言うわけで今日は今日で早く学校終わったし真名ちゃんの紹介も兼ねてお昼を食べに行こう

清水君今から予定空いてる?」

「今日は喫茶店の定休日だから空いてるよ」

「りょうかい!それじゃあ真名ちゃんに連絡するね~」


なんだか海がとんでもない事になりそうな気がしてしょうがない


************


「初めまして...だよね?私は「磯谷 真名」よろしくね」

「僕は「清水 真白」よろしくおねがいします」


僕たちは学校の帰りにファミレスに来ていた

今僕の対面の席に座っているクリーム色のボブの美少女が磯谷さんだ


「華恋と鹿野は元々友達だし橘も中学の時に同じ学校だから初対面は清水君だけかな?」

「そうだね~遊びに行く予定にこれ以上追加で人を増やす予定はないしこんな感じかな」

「てゆうか水着とか持ってないんだけど」

「今度買いに行くから大丈夫だよ」

「よかった、私学校のスクール水着しか持ってなかったから最悪それで行こうとしてた」


海にスクール水着はさすがに勇者過ぎでは無いだろうか

その後僕たちは適当に料理を注文しながら遊びの予定を決めていった


************


「わぁ~!!!海だ~!!ひ~ろ~い!」


海の目の前の駅に電車が到着した途端、雪華さんは子どものように目をキラキラさせてぴょんぴょんしていた

『かわいい』

そう思ってしまうのは仕方がない、決して惚れてはいない、決して


************


「じゃあ私たちは先に着替えてくるね!」


それだけ言って雪華さん達はそそくさと更衣室に向かって行った


「なあ真白~」

「なに」

「雪華さんとか磯谷さんとかどんな水着着てくると思う?」

「女子の水着姿を勝手に想像するのはどうかと思いますが」

「うるせ」


でも実際雪華さんがどんな水着を着てくるのかはかなり気になる

雪華さんなら可愛い系やセクシー系も似合うと思うが、個人的には露出少なめの水着を着ていてほしいと心の中で願っている

露出が多い水着を着られるとこちらとしては目のやり場に困ってしまうからだ

そんな会話をしていたら雪華さん達が更衣室から出てきた


「お...お待たせ...あの...どうかな」

「すっごい似合ってると思うよ!可愛いと思う」

「あ...かわ...ありがとう...」


雪華さんは水色のフリルが付いている水着を着ていた、そして普段の下ろしている時の落ち着いた雰囲気と違ってポニーテールにしていて元気な女の子という雰囲気に変わっている

後ろには火希さんと磯谷さんも居るのでやっぱり人の視線はかなりこちらに向かっている

すこし居心地が悪い


「じゃあ俺たちはここでテントとシート張っておくから適当に食べるものとか飲み物とか買ってきてくれる?そこにある俺の財布持って行って良いから」


弘人は知り合いの手伝いと言うことで良くモデルのバイトをしている為かなりお金を持っているらしい

一度だけその現場に同行させて貰ったのだがその時の弘人はほぼ誰ですか状態だった


「お~これはひろくんが奢ってくれるのかな~じゃあたくさん買いますかぁ!!」

「あ、ほまは支払い別で」

「なんであたしだけ!?」

「冗談だ、後俺の分でイチゴミルクの奴適当に買ってきてくれ」

「りょ~かい」


弘人と火希さんはかなり仲が良いようで最近はあんな風にふざけ合ったりしている

学校で人気の火希さんだが「弘人が相手だから」と言うことで納得されているらしい

だが本人たち曰く友達として好きなだけだからそれが恋愛になるのかは分からないそうだ

火希さんは弘人をひろくん、弘人は火希さんをほま呼びしている


「真白もうちょっと引っ張ってくれ」

「了解」

「いや~こうやって友達と海に遊びに来るのも何年ぶりかな」

「弘人は毎年海とか遊びに行ってると思ってた」

「俺中学時代に女の子に告白されまくっててそれのせいで男子に妬まれてたせいでそう言うの行けなかったんだよな~真白はどうなんだ?」

「僕は中学時代友達は出来たけど1回も誘われなかったな~」

「...多分誘ったら女子全員持っていかれるからだろうな」

「ん?なんか言った?」

「い~や、なんでも無い、じゃあ美女3人が帰ってくるまでにさっさと準備しますか」


そして僕と弘人はテントを建て終わって敷いたシートに座って待機していた

のだが...


「ねえ弘人...雪華さんさすがに遅くない?」

「だな...」


20分前に火希さんと磯谷さんはたくさんの食べ物や飲み物を持って先に帰ってきたのだがその時に「華恋ちゃんはお手洗いに行ったからちょっと遅れる」と火希さんが言っていた

だけど20分経っても帰ってこないと言うのは少し心配だ


「なあ、真白、心配ならちょっと探して来てくれないか?帰ってこないと海に入れないから」

「うん、分かった。それじゃあ探してくる」


僕は火希さんのお手洗いに行ったと言う言葉のままお手洗い近くを探しに行った

するとお手洗いから少し離れた売店の近くで男3人に囲まれている雪華さんを見つけた


「ねえ~俺たちと遊ぼうよ~俺たちと遊んだら楽しいよ~」

「す、すいません!友達と来ているので!」

「じゃあその友達も呼んで一緒にあそぼ~よ~」

「え、遠慮しておきます!」

「そんなこと言わずにさ~」


そう言って男のひとりが雪華さんの腕を掴んだとき僕は男達と雪華さんの間に入って掴んでいる手を払った

突然の乱入者に男達も雪華さんも驚いていたが僕は男達を睨んだ


「なんだお前、邪魔すんじゃねえよ」

「女の子の腕を無理やり掴もうとした挙げ句助けにきた男にそう言うのは典型的なナンパだね」

「うるせえ!お前あれか?その子の王子様か?かっこいいね~」


この男は僕を煽って冷静な判断をするのを鈍らせようとしているみたいだ

だがそんな幼稚な作戦に乗る僕では無いので僕は雪華さんの肩を掴んで自分の方に引き寄せて目の前に居る男達にこういった


「すいませんね~この子は僕のなんであなたたちの出る幕は無いです、では」

「お、おい!ちょっと待て!」


それだけ言って僕は雪華さんを連れて弘人達の所に向かった


++++++++++++


「この子は僕のなんで」


その言葉がその時の清水君の挑発的な顔と一緒に脳内で鳴り響いている

好きな人にそんなことを言われたら顔のニヤニヤがしてしまうのは仕方がないだろう

実際今私はおそらく凄い顔が緩んでいるはずだ

その時清水君が歩くのをやめてこっちを見てこう言った


「ごめんね急に肩を掴んじゃって、嫌だったよね」

「いや!全然大丈夫だよ!!あと嫌では無かったよ!」

「そっか...よかった~嫌われたらどうしようかと思った」

「そんな!嫌うなんてこと無いよ!」


私は清水くんに近寄ってそう言った

清水君は初めは驚いた顔をしていたけれど少しすると優しい顔に変わった


「じゃあ戻ろっか」


そう言って清水君は私の頭をそっと撫でてきた


「!!!!!!!!!!」


驚き過ぎて声も出なかった

まさか清水君からしてくれるとは想定もしてなかったのでパニックになっている

その後は無事に橘くん達と合流したのだが鹿野ちゃんと真名ちゃんに凄いニヤニヤされた


************


「いやぁ~楽しかった~」

「すっごい疲れたけどね...」


僕と弘人は帰りの電車に乗りながら話していた

ちなみに雪華さんと火希さんと磯谷さんは左となりに座って話している

その時急に僕の左肩が重たくなったので見てみたら雪華さんが僕の肩に寄りかかってすうすうと眠っていた


「ねえ弘人」

「ん?どうした?何か忘れ物でもしたか?」

「いやそう言うわけじゃなくて、ちょっと話すボリューム下げよ」


そう言って僕は雪華さんを指さした、弘人はこそこそ話で「おけ~」と言ってくれた

なので僕は雪華さんを起こさないように駅まで動かないようにした


++++++++++++


「~~~、~~かさん、雪華さん、もうすぐで着くよ」


私は聞き覚えのある優しい声で目が覚めた、重たい瞼を上げると近くに清水君の顔があった

今までで一番近い距離にきれいな黒い髪と黄色の目がある

私はギュンっと言う効果音が鳴るくらいの勢いで清水君の肩から頭を上げた

すると右から笑い声が聞こえてきた。清水君だ


「もう!!笑わないでよ!」

「ごめんごめん、ちょっとおもしろくて」


私は清水君を痛くない程度の力で叩いた

いつもより書いてるときに盛り上がってしまって普段より文字数が多かった

まあ海はロマンが詰まってるから仕方ないよね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ