第2話「バスケをするそうです!!」
「ボールこっちにパスして!!」「ゴール守れゴール!!」
体育館の中ではたくさんの声が飛び交っていた
今日は体育の担当教師の義岡先生が休みなので体育館でバスケの練習試合をしていた
男子4チームと女子4チームに分かれて試合をしていて僕のチームは今休憩時間だ
「まさか俺と真白が同じチームになるとは思わなかったな」
僕が壁際で座って休んでいると水を買いに行っていた弘人が帰ってきた
バスケ部をチームごとにばらばらにしようということになったのだが弘人はバスケ部のサポートをしに行っているのでその判定になったみたいで僕のチームはバスケ部1人と弘人と他のみんなとなっている
「清水君、今休み?」
僕が弘人と話していると雪華さんがやってきた
今は男子の試合をしているため女子は全員壁際で話していたり飲み物を買いに行ったりしている
「うん、2試合前にしたから次の試合は僕たち出ないといけないけどね」
「そうなんだ、頑張って!応援してる!」
「ありがと、でもやる気出ないな...あんまり本気で動きたくない...」
「そ、そうなんだ」
正直疲れることは自分から率先してしたいとは思わないのは人間の本能だから仕方が無いだろう
その時コートの方から声が聞こえるのと共に雪華さんの所にボールが飛んできていた
「あぶな~い!!!」
「きゃ!」
「!!!」
その時とっさに僕は雪華さんの前に出てボールをキャッチして驚いて体制を崩していた彼女を支えた
雪華さんは少し驚いて僕の事を見ていたが僕はジャージを雪華さんに渡した
「雪華さん、ちょっとジャージ預かってて」
「あ...う、うん、分かった。試合頑張ってね」
僕がボールを止めたときにアラームが鳴ったため次は僕のチームを飛ばしたチームの対決だ
「なあ、弘人。」
「...どうした」
「ちょっと次の試合全力でつぶしに行こう」
「お、おう...うわぁ~ちょっとキレてる...」
この試合だけは気にせず全力でしたため相手チームとトリプルポイント差で勝った
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「...」
私は清水君のジャージを持って彼の背中を見ていた
と言うのも清水君と話しているときに隣でしている試合のボールが飛んできてそれを清水くんがキャッチしてくれたおかげで当たらずに済んだ、しかも腕で抱き寄せて支えてくれた。そして清水くんのジャージを預かったのだ
にしても
『かっっこよ!!!!!!!!!!!!!多分あれ私の為に怒ってるよね!やばいニヤニヤしそう!抑えないと!気になる人が自分の為に怒ってくれているのってこんなにうれしいことなんだ...』
ますます好きになった私だった
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「いやぁ~疲れたな真白、まさかお前が学校の授業で全力を出すとは思わなかったわ~なぁ」
「...うるせぇ」
僕と弘人は試合が終わって雪華さんの所に向かっていた
「お疲れ様!!あ、あの...清水君さっきはありがとう!」
「お礼なんていいよ、でも今度からは怖がらないように守るから」
「!!!!あ、ありがとう...」
「雪華さんどうしたの?顔が真っ赤だよ...もしかして体調悪い?」
「い、いや!全然平気だよ!うん!大丈夫!」
「そっか、それじゃあ良かった」
「...こいつはほんっとに天然たらしだな...」
「ん?弘人何か言った?」
「なんでもねぇ~よ」
なんだか弘人に言われた気がしたけれど聞いても言ってくれない気がするので僕は雪華さんからジャージを貰って飲み物を買いにいった
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「はぁ~」
私は今コートで行われている試合を見ているが全く試合に集中出来ない
さっき清水くんに言われた言葉が頭の中でループされている
その時首もとに急に冷たい感覚が走って声を上げてしまった
「きゃあ!」
「雪華さんお疲れ様、これ水だけど大丈夫?」
後ろに勢い良く振り返ると清水君がかがんで手に水を持っていた
まるで恋愛漫画のような光景だった
女子なら1回くらいはやってほしい事だろう、こういう事を当たり前に出来るのだから心臓に悪い
自分の理想を詰め込んだ小説って書いてて楽しい