第19話「体育祭があるそうです!!前編」
「なあ真白、お前体育祭の競技どれに出るか決めたか?」
ある日の放課後、僕の席の前に弘人と雪華さんが来てこのような事を聞いてきた
うちの学園はもうすぐで体育祭があるためどの競技に出るのか決めていかなければならないのだ
「う~ん、僕は今のところ障害物競走か借り物競走かな。出来るだけ動きたくない」
「...相変わらずだなお前も」
「じゃあ清水くん私と同じ競技なんだ!」
この反応を見るに雪華さんは僕と同じ競技で弘人は違う競技なのだろう
そして弘人のことだからリレーとかなのだろう
そんな事を思いながら僕は準備を済ませて家に帰った
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次の日の6時間目
予定で聞かされていた通り体育祭の競技決めだった。のだが...
「え~クラス選抜リレーは橘と石岡、松本と清水だな」
なぜか僕はクラスの選抜リレーのメンバーに選ばれていた
というのもそれは10分程前の出来事だった
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「え〜うちのクラスの選抜リレーに出場するはずだった田中が事故によって骨折して出場出来なくなった。というわけで別の出るやつを募集する」
競技を決めるLHRの始まる直後に先生からそのような報告があった
田中は陸上部でうちのクラスの選抜リレーの選手として選ばれていた。その田中が出場出来なくなったため代わりに出場してくれる選手を募集するということらしい
しかしうちのクラスはリレーメンバーを決める話し合いでちょうど4人が手を挙げたため今も手を挙げて立候補をする者はひとりとして居ない
その時弘人が手を挙げ立ち上がった
「あの、先生。真白をメンバーとして出場させて貰えませんか?」
「清水をメンバーにか?」
なんと弘人は僕を選抜リレーのメンバーとして出場させてもらいたいと言ったのだ
さすがに僕も疑問に思ったので立ち上がった
「弘人!なんで僕がメンバーに!?」
「本気を出したくはないと思うが今回は緊急事態だ。頼む、リレーに出てくれ」
僕が何故かと聞くと弘人は珍しく真面目な表情をして頭を下げてお願いしてきた
友達に頭を下げられると僕も拒否は出来ないので僕はため息を出して弘人に言った
「はぁ〜わかったよ弘人、リレーに出るよ。だから頭を上げて」
「ありがとう」
「じゃあもう1人は清水で決定だな」
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と、こんな経緯で僕はリレーメンバーになった
弘人が頭を下げてお願いしてきたのもあるがそれ以外に雪華さんが僕の方を見て目をキラキラさせていたのでなんだか断りずらかったのもあるのだろう
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「へぇ〜それで清水くんがリレーメンバーに」
「初め清水がリレーメンバーになったって聞いた時はどんな風の吹き回しかと思ったけどそういう経緯なら納得した」
「磯谷さんなんだか辛辣じゃない?」
「いつもこうだよ真白くん」
僕がそう言うと朱音くんは少し呆れながらそう言った
僕達はまぁいつも通りのファミレスに集まっていた
最近は何かと理由をつけてファミレスに集合するのが多い
「まぁ弘人に今日は奢ってもらうからそれで許すよ」
「いや〜本当に助かった」
「そういや選抜リレーって練習しなくていいの?」
「練習は体育の時間が自由になるらしいからそこで練習しようって予定立ててる」
「なるほど」
どうやら弘人達は思っていた以上に話し合って予定を決めていたようだ
「そういや他のみんなはなんの競技出るの?」
「あたしは障害物競走!」
「私は借り物競争だよ」
「僕も障害物競走」
「私は借り物競争だね」
「お〜奇跡的に揃ったね。全員誰かいて1種目2人ずつ」
「あとは赤組白組が問題なんだが…」
「俺と真白と雪華さんは同じクラスだしほまはC組だから赤組なんだが磯谷さんと朱音はE組だから白組だな」
うちのクラスはA~F組の6クラスありA~Cが赤組、D~Fが白組というように分かれている
僕と弘人と雪華さんはB組そして火希さんはC組、磯谷さんと朱音くんはE組なので磯谷さんと朱音くんだけが違うチームになる
「まぁ敵になったとしても私は普通に競技をするだけだから勝敗には興味無いね」
「だねぇ〜、私も出来れば争いたくないな…」
うちのグループはとても平和そうです
「まぁ唯一頑張って貰うとしたら弘人と清水の選抜リレーだね。正直自分のクラスよりそっちのクラスを応援しよっかな」
「さすがに自分のクラスも応援してください…」
「りょう〜か〜い」
これでもかと言うくらいの雑な返事に『これは応援する気はないな』とわかった
そう考えていると雪華さんが僕の方を見てきて話してきた
「でも実際清水くん達には勝って欲しいな、応援するよ!!なんなら練習のお手伝いでもしようか?」
「場合によっては頼むからその時よろしく」
「了解!」
雪華さんは僕のおねがいに警察敬礼のポーズをしてそう答えた
正直めっちゃ可愛いと思った
高校入ってから初めての体育祭たのしみ!




