第15話「モデルの仕事をするそうです!!前編」
「ひぃえ~!おっきいビルだね~」
「別にここら辺初めて来た訳じゃ無いだろ...」
僕達はデパートなどが多く並ぶ街中で一際目立つビルの前に立っていた
何故僕たちがここに居るのかと言うとそれは一週間前に遡る
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「やぁやぁみんな、今回集まって貰ったのは他でもない!!」
「他も何も全然意図が読めないんだけど」
ある日の放課後、僕たちは弘人にいつものファミレスに集合させられていた
いつもはだいたい火希さんの招集だったので何か不安だ
「で、ホントに何で呼び出されたの?」
「それはな~うちの社長がみんなを撮影に連れてきてほしいって言ってきたんだよ」
弘人はある事務所でモデルとして仕事をしていてもちろん社長も居る
その社長が僕たちに会いたいと言っていたのだ
「それで集めてみんなの許可を取りたいと」
「そ、あったり~さすが朱音、察しが良い~」
「さわんな」
「まあそう照れずに」
弘人にだる絡みされている朱音くんは弘人の手を払った
しかし弘人は諦めずにだる絡みをしていた
「まあそう言うことで一週間後に俺に事務所に来て貰いたいんだがいいか?」
「もちろんいいよ」
「私も大丈夫」
「あたしも~たのしみ~!!」
「僕は真名が行くなら」
「じゃあ私は行くよ」
「おっけ~じゃあみんな来週の日曜に駅前集合な」
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そして今に至るという訳だ
「じゃあとりあえず社長室に行くか。真白は来たことあるから大丈夫だろ」
「うん、でもちょっとだけ久々だな。そういやきりじいさんは元気?」
「あ~あのじいさんか、まだまだ現役でばりばり働いてるよ」
「...あの人に衰退って言葉は存在してるのか?」
「...わからんな、まあとりあえず行くか」
そうして僕たちはとても長いエレベーターに乗って社長室に向かっている
...正直僕は社長室に向かってからの事を考えていた
というのも
「失礼します、社長、お連れしました」
「あら、あらあら、あらあらあら、真白ちゃんじゃな~い!!久しぶりね~!!」
「社長、それ以上べたべたしてこないでください」
「そんな!社長だなんて堅苦しくなくていいのよ!!」
「お離れください社長様」
この人は弘人が所属している事務所の社長の「秋羽 紬」、23歳という若さで業界トップの芸能事務所を任されたがさらに会社を上場させた天才経営者だ
「で、今回何で呼ばれたんですか」
「ふふふ、実は今日あなたたちを呼んだのはモデルをして貰おうかなって思ってね~」
「も、モデルですか?」
社長が僕たちにモデルの仕事を急に頼んできたので雪華さんは少し困惑していた
ちなみに火希さんはすごいノリノリでOKをしていた
その時、社長は困惑している雪華さんに近づいた
「あら~あなたやっぱり可愛いわね~」
「え、あ、あの...」
社長が雪華さんに顔をのぞき込んでいると雪華さんはさらに困惑して僕の方を見てきた
なので僕は雪華さんを社長から引きはがした
「...社長、お話があるのならさっさと説明して貰って良いですか」
「...すいません」
僕が社長を睨みつけると社長は小さくなって離れていった
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「ほぇ~これが撮影スタジオか~すっご~い!」
「テレビとかで見たことあるけど生のが凄いな」
「...ここめっちゃまぶしい...」
僕たちは大型カメラや照明機材がたくさん置いてある広い撮影スタジオに着いた
火希さんや磯谷さんはスタジオを見て感動していたが朱音くんは少しおびえていた
すると椅子に座っている白い髪のダンディーなおじさんが話かけてきた
この人は「桐谷 裕之助」、モデルの撮影に数多く携わっていて穏やかな性格から付けられたあだ名が「きりじい」。僕はこの人を小さい頃からしっているのだ
「よぁ真白、ずいぶんでっかくなったな」
「きりじいさんこそお元気そうで何よりですよ」
「はは、お前に心配されるほど俺も落ちちゃいねえさ」
「じゃあきりじいさん、今日はよろしくお願いします」
「おう、まかせな」
そう言ってきりじいさんはスタッフの人に指示をして撮影の準備を始めた
学校はじまったZ




