第14話「尾行をするそうです!!」
あした学校初登校
「あれが例の女の子?」
「うん、あの子がそう」
今現在、僕たちは弘人を尾行していた
というのも問題は昨日に遡る
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お昼休み、僕と雪華さんが一緒にご飯を食べている時に火希さんがやってきた
「華恋ちゃん、清水くん、ちょっと相談があるんだけどさ...」
「どうしたの鹿野ちゃん?」
「いや...明日って空いてる?」
「私は空いてるけど...清水くんはどう?」
「僕も空いてるよ、でもどうして?」
「それは...」
それから火希さんは口を開いて小さい声で話し始めた
僕と雪華さんは少し近づいて話を聞いた
「それがさ...昨日私服買いに行ったんだけどその時にひろくんが女の子と一緒に居るのを見て...」
「弘人くんが!?」
「ちょ!華恋ちゃん!!声でかい!!」
火希さんの発言を聞いて雪華さんは驚いて少し大きめに声を出してしまったが今はお昼休みで教室内は賑やかだったので周りに気づかれる事は無かった
「...それで、その弘人くんと一緒に居た子はどんな見た目だったの?」
「えっと、ピンクの長い髪でちょっと身長の低めの子だった」
「ピンクで長髪...身長低め...」
「どうしたの清水くん?」
僕が少し考えていると雪華さんが顔をのぞき込んで来たので僕は顔を上げて返事した
「いや...多分気のせいだからなんでもないよ」
「そっか」
「で!ひろくんに「明日遊びに行こ」って言ったら「明日は予定がある」って言ってたから多分明日もその子と遊びに行くんだと思うからそれを尾行しようと思う!」
「び、尾行!?」
僕は火希さんが言った言葉に驚きを隠せなかった
火希さんの口からはしっかり「尾行」という言葉が聞こえた
「ていうわけで明日のお昼頃に駅前集合ね!!」
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そうして今に至るという訳だ
「あ、移動した!!華恋ちゃん!清水くん!移動するよ!!」
「あ、ちょっと待って!!」
弘人と女の子が移動したときに火希さんが後を付けるように移動していったので僕と雪華さんはその後を追いかけて移動した
「あ、店の中に入った!」
弘人と女の子は服屋の中に入っていったので僕たちも後を追って店の中に入っていった
「じゃあひろくんにばれないように行動してね」
「了解」
僕たちは弘人達にばれないようにお店の中で動き回った
と言っても弘人たちが動いたらその反対に行くだけなのだが
僕たちは弘人の声がギリギリ聞こえるあたりに居ることにした
「お~こっちも似合うじゃん。さすがだな」
「ふふん!そりゃあなんだって私ですから!!」
「まぁそうだよな」
「...なんか凄いひろくん楽しそうだね。ねえふたり共、もう帰ろっか」
火希さんはその光景を見て少し落ち込んだような表情をしていた
火希さんは弘人にかなり気があるような雰囲気だったから当然だろう
「あれ?雪華さんに真白、それにほままで、なにしてんの?」
「え?」
火気さんが前を向くとそこには弘人の姿があった。その奥には女の子も居る
その女の子がこっちに歩いてきて
「急にどっか歩いていってどうしたの『おにいちゃん』」
「...おにいちゃん?」
「...やっぱり」
僕は初めに考えていたことが合っていたとここで知ることになった
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「大変申し訳ありませんでした!!」
「いやいや!そんな謝る事じゃないですよ!!」
僕たちは近くの喫茶店に移動していた
そこで今火希さんは前に座る女の子に頭を下げていた、それも机に額が付くくらい
「...正直特徴を聞いたときにピント来たんだけど違うかなって思ったんだけど...まさか当たるとは」
「そうだよ清水くん!!それを言ってくれてたら良かったのに!」
「それはごめんなさい...」
「ははは!まさかほまが愛梨を俺の彼女と思ってたって!!」
弘人は弘人で火希さんが勘違いしてたことを聞いて笑っている
そして弘人の妹さんは話始めた
「え~っと...はじめまして、私はおにいちゃんの、橘 弘人の妹の「橘 愛梨」です」
「あ~えっとあたしは「火希 鹿野」そんでそこに居るのが「清水 真白」と「雪華 華恋」だよ」
「久しぶり愛梨ちゃん」
「お久しぶりです真白さん!」
「そんな堅苦しくしないでも」
そう、僕と愛梨ちゃんは以前に会ったことがある
といっても僕が弘人の家に遊びに行ったときに出会って少しずつ仲良くなっていったのだ
「前みたいな呼び方でいいよ」
「いや...えっと、そうやって呼びたいんですけど...」
「うん?」
「あの彼女さんの前でましろんと呼ぶのはちょっとあれかなって」
「え?彼女?」
「はい、あの雪華さんと付き合ってるんじゃないんですか?」
愛梨ちゃんは僕と雪華さんが付き合ってるのではないかと言ってきた
それを否定しようとしたら隣の雪華さんが勢いよく立ち上がった
「そそそ!そんな私と清水くんが付き合ってるなんて!そんな事無いよ」
「...雪華さん、そんな必死に否定しなくても...そんなに僕嫌いなんだ」
「いや!清水くんを嫌いなんて事じゃ無いよ!!」
「...ねぇおにいちゃん、火希さん、あのふたりホントに付き合ってないの?」
「...驚きだろ、あれで付き合ってないんだ。意味分からんだろ」
それから僕たちは少しお茶をしてから解散になった
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「はぁ~」
ひろくんに変な勘違いをしてしまった事を反省しながら家に帰っていった
すると隣から声がして頭の上に手が乗ってきた
「お~いほま、そんなに落ち込むなよ。お前らしくないぞ」
「...だってひろくんの事何にも分かってなかったから...」
「はぁ~そんな事で落ち込んでるのか...大丈夫だ、これから分かっていけばいいだろ」
「え?」
「これから高校生活はずっと俺たちは一緒だろ?後その顔はお前に似合わないからやめろ」
そういってひろくんはあたしに目を下に貯まっていた雫を指で拭き取った
そしてあたしの顔をのぞいて言ってきた
「うん、やっぱりほまは泣いてるよりそっちの顔のが似合ってるよ」
「!!!!!!」
あたしは自分でも分かるくらい顔が熱くなっていた




