第11話「勉強会をするそうです!!前編」
「テストが近づいてきた~!!」
僕たちが放課後ファミレスでご飯を食べている時にイチゴのパフェを食べている火希さんがそう嘆いていた
僕たちの学園では来週からテストがある、僕や雪華さん、磯谷さんは大丈夫だが火希さんや弘人、朱音くんは
少し不安だ
というのも弘人は元々の地頭は良いのだが勉強を始めるまでにかなり時間が掛かる。そして火希さんは...まあ今のこれを見てお察しだが勉強が嫌いのようだ。そして朱音くん、彼は今まで学校に来ていなかった&テストの結果を見たことが無いと言う所から謎な部分が多いから不安だ
「あ、あの、朱音くん」
「ん?どうしたの、なにか用?」
朱音くんは前に引きこもっていた時に比べてずいぶんと変わった
引きこもりを辞めた後に朱音くんと僕は磯谷さんに呼び出されて美容院や服屋さんに連れて行かれたりしたちなみにその時僕が呼ばれた理由は荷物持ちだった
つまり朱音くんは完全に磯谷さんの好みに変身させられたのだ
「いや、朱音くんはテストどうなんだろうと思って」
「あ~テストの範囲ならもう教科書見て全部暗記したから大丈夫」
「え、教科書見て覚えた?」
「うん、だって教科書見たら答えや解き方が載ってるんだからそれを完全に暗記すれば点数なんて簡単に取れるでしょ。でも全部満点とか取ったら怪しまれるからほどほどに点数を調整するけどね」
「な、なるほど...」
この様子だと朱音くんの心配は特別しなくていいようだ
となると問題は
「じゃあ火希さんと弘人の勉強をする為にみんなで勉強会をしよう、今週はテスト週間で部活も委員会もすべて停止だからたっぷり時間があるからね」
「え~!!!勉強会~!?そんなずっと勉強してたら頭が爆発しちゃうよ~!!そんなの無理だよ!!!ねえひろくん!!そんなのしないよね...」
「勉強会か~それなら真白の家にしようぜ、真白の家ならでかい部屋があるからな」
「ひろくん!?なんで勉強会に乗り気なの!?」
「そりゃあお前、テスト勉強って言う一人ですると憂鬱な奴を友達とできるんだからな」
「...ひろくんもそっち側か...」
火希さんはあからさまにテンションが落ちていた
仲間だと思っていた弘人が肯定派の意見だったからだ
「あれ~ほま~?もしかしてお勉強嫌いなんですか~?
「!!!うるさ~い!!ひろくんのばか!!」
弘人は火希さんをめちゃくちゃ煽っていた、それに怒った火希さんが顔を真っ赤にして弘人の事をまるでぽかぽかという音が鳴りそうなくらいに弱い力で叩いていた。それを見た弘人は笑って火希さんの頭を撫でて落ち着かせようとしていた、火希さんはぐぎぎという効果音が鳴りそうな表情をしていたが少しずつ落ち着いていった
「まあ勉強会は僕の家でするとして夜ご飯とか食べていく?」
「お!まじ!!ラッキ~じゃあ俺は食べていく!」
「じゃあ私もいいかな」
「あたしも!!」
「じゃ私も」
「僕もお願いしたいな」
「じゃあ全員だね、親御さん達には先に連絡しておいてね」
これによって僕の家で勉強会をすることが決定した
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「はぁ~疲れた~!!」
今日は土曜日で時刻は夜の18時。勉強会も明日一日だけになった
ちなみに弘人はもうテスト範囲を完璧にしていて火希さんもかなり良い感じになってきた
そして今日の勉強会が終わったタイミングで扉が開いてひょこっと一人の少女が現れた
「おにぃ~夜ご飯まだ~?」
「ちょっと待ってろ」
この少女は僕の妹の「清水 真緒」僕と同じ黒髪に黄色の目をしている。
真緒は中学2年生で学校でも何度も告白されている美少女だ
「じゃあ夜ご飯作ってくるからちょっと待ってて、今日はホワイトシチューだけどいい?」
「よっしゃ~!!真白のホワイトシチュー!!あれめっちゃうまいんだよな!!」
「え!夜ご飯って真白くんが作るの!?」
「そうだよ?」
「こいつの作る料理マジでおいしいんだよ!!その中でもホワイトシチューが格別だ」
「ねぇお~に~い~!は~や~く~!!」
真緒は雪華さんの膝の上に座って僕に催促してくる
こうやって見るとただのだだっ子にしかみえない
「はいはい、作ってきますよ。それじゃあみんなくつろいで待っててね」
「「は~い」」
僕の言葉にみんなが反応した後僕は部屋を出てキッチンに向かい夜ご飯を作りに行った
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「そういえばさ真緒ちゃん、お母さんってどこに居るの?お父さんはたまに見てたんだけどお母さんの姿だけは1回も会ったこと無いなって思って」
「あれ?言ってなかった?うちのお母さんはモデルしてて海外に行ってるからあんまり家に帰ってこないんだよね。」
「真緒ちゃんのお母さんってモデルさんなんだ。しかも海外って事は結構有名なんじゃない?」
「うん、『MARIA』って聞いたこと無い?あれがうちのお母さん」
「え!MARIAって真緒ちゃんのお母さんなの!?」
『MARIA』は世界的に有名なモデルで女優や会社もやっていて運営しているファッションブランドは今の女子高生なら誰でもあこがれるブランドだ
「だからお母さんは滅多に帰ってこないしお父さんも仕事が忙しかったりするからおにぃが基本ご飯を作ってくれてるんだよね」
「そうなんだ」
だから今も清水くんが夜ご飯を作ってくれているのだ
その話を聞いて私はこのまま待っているのは居心地が悪かった
「ちょっと清水くんのお手伝いをしてくるね」
そういって私は部屋を出てキッチンに向かった
一日2本投稿してしまった




