第8話 お別れ
…書き方を少し変えてみたり
少し見やすくなりました?
「…まぁこんなことになるのも想定すべきだったよな」
…今、オレは奉られている
村人のみんなは本当に嬉しそうに、楽しそうに騒いでいる
それだけあの大蛇を憎んでいたんだな
でも祭壇に奉られるのはなんか、生贄にされてるみたいで嫌ですな
「なぁー!下りていいかー!?」
レオンに叫んでみる
だってみんなオレそっちのけなんだもん
すると下から声が返ってきた
「いいぞー!多分ー!」
多分てなんだよ、多分て
まぁいっか、下りよう
…つかかなり情けない話、下りれないんだが…
だってさ、全身ギシギシいってるよ?
痛みなんてほとんど感じれないくらいなんだよ?
なのにさ、村人のみんなさ、勇者だ!黒髪の勇者が現れたぞー!…とかいって担いでいきやがったし…
あ、涙が…
なんだよ?
怪我した猫を木の上に乗せて下りられないのを見るのと同じだぞ?
…想像したら思った以上に酷いな、これ
…さて、どうしたもんかな
「レオンー!下りれねぇー!」
とりあえず叫んだ
プライド?羞恥心?そんなのシラネ
「はぁー!?お前、高所恐怖症だったのかー!?」
「違………とりあえずこっち来ーい!!」
と、こんなくだらない
というか情けないことがあった後
「そうだ、レオン」
兵士の小屋で話す
「ん?なんだ?」
「これからお前のいた国に行くんだろ?やっぱりこの黒髪は目立つんだろうな」
道行く人全員に凝視されるなんて冗談じゃないぞ
一体どんな羞恥プレイだよ
「そうだろうな、少なくともオレは初めて見たし」
「だからさ、赤いカツラとか無いか?」
我ながらナイスアイデアだと思うんだ
「あるにはあるが…赤いのでいいのか?赤い髪なのに炎の呪文を使わないと怪しまれるぞ?」
そうなのか、どうやら髪の色と魔法の系統は関係あるみたいだな
「うーん…じゃあ金属の系統の魔法とかはあるか?」
これからはそっち方面のチート技を使うつもりなんだし、あったらピッタリなんだけど
「金属の魔法?そんなの聞いたこともないぞ」
あえなく撃沈
どうする?
…面倒臭いし、赤でいっか
「あーじゃあ赤でいいや。炎使えばいいんだろ?」
マッチの赤リンと熱を同時に創造すればいけそうだし
…でもどうせ主には剣だろうな、あんまし力使えないし。反動のせいで
「髪が赤いと炎以外使えないのか?」
この制限があったらちとキツイ
「いや、そんなことは無いな。俺だって炎を扱うことはできるし。ただ威力は弱いわ効率は悪いわであんまりいいことは無いぞ」
使えるだけで十分だ
「それで、次はこっちからの意見なんだが。いいか?ユウヤ」
「ああ、いいよ。なんだ?」
「お前には軍に入隊した方がいい」
「…へ?なんで?」
「国が退治できなかったあの大蛇を倒したんだ、国にとってはメンツ潰れもいいとこだろうさ。それで、お前を消しに来るかもしれない。国ってやつは威厳が無いと潰れるんだよ」
「ああ成る程、そこでオレが軍に入隊すれば威厳も保たれて、同時にオレも消される動機が無くなるのか」
全く、ほんとに面倒臭いな
「そういうことだ。なんだか物凄く申し訳ないが」
「なんでレオンが謝るんだよ。…まぁいっか、入隊するよ」
「助かる」
あ、でも束縛されると色々ヤバイかもしれないな
文字通り、『神のおつげ』とやらもありそうだし
「でも、いきなり単独行動とかするかもしれんが、いいかな?」
「ばれなきゃ大丈夫だろ、ばれなきゃ」
ばれたらどうなる?
…まぁいっか
いやあんましよくないけども
「で、もうすぐ出発だ。行くぞ」
「了~解」
小屋からでて村のたった一つの出口に向かう
すると、あの髪の白い少女が駆け寄って来た
「おーミラ、無事だったか」
何となく頭を撫でる
すると少女――ミラは少しはにかみながら、笑顔で言った
「…うん…『また』、会えた」
…そっか、確かあんとき『またな』って言ったんだっけ
…はずっ!恥ずかしい!!
「それで…一緒に…行きたい、な…って…」
上目使いで見上げてくる
うわやっべ萌える
だけど…
「あー、なんだ。せっかく助かった命だ、危険に晒すなんて勿体ないことはやめなさい」
きっとオレについて来たらきっとまた死にそうになる
いや、死ぬかもしれない
てか最終目標は打倒神らしいし
「で……でも…!」
「ダメだ。ミラには生きていて欲しい」
「それじゃあ…ユウヤは…?」
「大丈夫だ、オレは無敵になる予定だからな。それに、またいつかここに帰ってくるから、な?」
「………うん、分かった…じ、じゃあ…絶対に、戻ってきてね!」
「おう、まかせろ!」
そこでレオンが
「おーい…そろそろ行くぞ、仲間が待ってる」
「あ、わりぃ」
そして、村の外にある馬車へ向かう
…馬車なんだ…
そして振り返って
「じゃあな!ミラ!」
「うん!ありがとう!またね、ユウヤ!」
そのまま馬車に乗って
「…ふぅ」
「大丈夫かユウヤ?身体、ほとんど回復してないんだろ?」
大丈夫じゃねーよ
正直しばらく動けそうにない
少し、いやかなり休ませてもらおう
「爆睡モード、入りまーす」
「なんじゃそりゃ」
読み返すと…展開遅いですね(汗
でもこればかりは…