第6話 神の力で悪を潰す
かなり真面目な戦闘シーン!
…バットを戻すのは仕様です
大蛇が来る方角は分かる
どうせ祭壇がある方向だろう
その祭壇と思われる場所はひどく高いとこにあり、そこからなら城壁(?)を越えて地平線まで見えるようだ
…その大蛇とやらが住む山も見えるんだろうな
「そういや…この世界に東西南北の概念はあるのか?」
ちょうどいい、着替えついでにレオンに聞きに行こう
…パジャマは恥ずいからな…
オレは兵士達の小屋に足を進ませた
「ちょいと場所借りるよー」
「…前回もだが突然入るのには自重しろ。ここにはとりあえず王宮の兵士がいるんだぞ、ユウヤ」
お気遣い感謝です
でも道端で着替えるわけにもいかないでしょ
常識的に
「あ、そうだレオン。あの祭壇の方角は北か?あと大蛇はその方角から来るのか?」
私服に着替えながら方角の概念があるのを前提に聞いてみる
後半は確認だ
レオンは案外普通に答えてくれた
「ああ、そうだ。だが、何故そんなことを?」
「何となく。分からなかったからだな」
よし、着替えも確認も済んだしそろそろ行くかな
「レオン、オレはそろそろこの村を出るよ」
レオンは少し、一瞬躊躇って
「――そうか、一人で大丈夫か?」
流石、詳しいとこまで突っ込まないのな
人間できてるよこの人
「おう、だけど道に迷ったらまた来るかもな」
もちろん生きてたら帰るつもりだし、保険保険
「迷うなら早くしたほうがいいぞ。あの魔物も退治したから俺達は数日後には国に戻る。同行させてやるよ」
そうなのか
じゃあ戻っても詰みにはならないんだな
………それにしても
「じゃあ、また会えるといいな。レオンティウス」
「そうだな、サカガミユウヤ」
おお、苗字覚えてくれてたんだな
オレは小屋を後にして、門番の僕っこ兵士に別れを告げ、村を出た
「…レオンのやつ、気づいてたなぁ」
そうでなければ、あいつはオレが今村を出ずにレオンのいた国についていく案を出していたはずだ
それよりもそろそろ深夜だ
気を引き締めないとな
勝算?もちろんある
単純で、外しでもすれば即ジ・エンドだが
「あれだ、神の一手ってやつだ。…おぉ、我ながら上手い」
化学の教科書をめくる
ダイヤモンドの構造って四面体だったよな…
「全く…使いづらいな…」
この力は
突然、目の前の山のふもとから馬鹿みたいな轟音が響く
「…来たか」
ズズン…と移動の音がする
身体の芯まで響きそうになる
おおぅ、足がすくむぜ
ん?身体が震えてる
武者震いだコノヤロウ………
あ、涙出てきた
もう大蛇の姿が視認できる
黒光りする鱗に、毒なんてあってもなくても噛まれたら即死しそうな牙
目があっただけで身動きがとれなくなるだろう眼光
てか何よりでかい
想像はしてたけどやっぱり想像以上の迫力だ
そして気がつくと、すぐ目の前にそいつがいた
…あ、気づかれた?
そっか、蛇って温度の違いで獲物を判断できるんだっけ
でも、そっちの方が好都合
「さぁ、来いやぁぁぁぁあああ!!!」
叫んでみた
「キュルァァァァァァァァァァアアアアアアア!!!!!」
…負けたな、いや分かっていたけども
てかノってくれるとは…ハハッ
袋からバットを二本取り出す
カーボン仕様は勿体ないので普通の金属製を
「二刀流……興奮すんぜ…」
もちろん強がりだよ!
無理矢理テンション上げてますが何かぁ!?
大蛇が丸呑みにでもしようとしてるのか知らんが、大口開けて突進してきた
ジャンプ?そんなんで避けれるほど脚力ありませんよ?
「ふんぬっ!!」
歯にバットを引っ掛けてそのバットにしがみつく
流石に金属は砕けんよな
もう一本は邪魔なので袋に戻した
突進はすぐに止み、一瞬静止する
チャンスはここだけっ!
慣性の法則でふっ飛んでいきながら右手を大蛇の頭部にかざす
炭素が四面体に連なっているイメージを『想像』する
右手の先―大蛇の頭部に目の焦点を合わせ、そのまま一息に
『創造』した
大蛇の頭部すれすれに馬鹿でかい四面体のダイヤモンドの角が現れ、
刹那のうちに大蛇の頭に突き刺さり、
そのまま地面に縫い付けた
「――あぐ…がっ―――」
………反動でかっ
…まぁ想像はしてたが
オレの意識はフェードアウトした
…アドバイスとかはありませんかー
なんでキーワードにギャグがあるのにギャグが無いんだー、とか
てか真面目な方向に走るなー、とか
…ネタは考えたんす…
でも…でも!
少し後になりそうなんすよ…(泣
こんなですが、見捨てないで下さいm(_ _)m