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勇者になろう  作者: パラヂン
42/42

第43話 ゴメンなさい(ヒャッハ-


ひっそりこそこそ

煮込んだフール


熟成あほうを召し上がれ



 

 一回戦。

 

「……」

「……」

 

 相手は女剣士。所属とかは面倒だったから見ていない。

 身軽さを第一に考えたのか、胸当てと、あとは肩とか膝とか、要所に薄い鉄板を備えている。ま、身軽さでいったらオレの右に出る者はいないな。全裸には負けるが。

 

「……」

「……」

 

 試合前から熱い視線の交錯。相手がこちらを見る目は『ふざけるな』か『うわあ』だろうな。どっちかって言ったら『うわあ』だろう。

 遂に耐え切れなかったのか、彼女が言葉を発する。

 

「……その、格好は?」

 

 その言葉は果たして、この『私服』に向けたものなのか、また、『顔』に向けて言ったのか。多分、どちらもだろう。

 ただ、鎧なんて面倒だから着なかっただけで深い意味なんて無い。でも傷とか痣とかについては、男の勲章としか言えない。

 しかし、オレはあえておどけてみた。

 

「時代を先取るニューフェース」

「……」

 

 ドン引きされた。うわあ。

 

「……」

「……」

 

 なんでもない、ただの沈黙。ただ、先程のそれとは明らかに質が異なっている。おそらくはオレが、一番可哀相なことになっている。

 

「……始めようか」

「……そうだね」

 

 今度はオレが沈黙に耐えられなかった。というか、始まらなかったら棄権を申し出るくらいには精神をやられてます。

 ルールはただの一本先取。勝つ条件は、相手を場外に出すこと。のみ。場外、というのはつまり、リングがあるわけだが、これがなんの変哲もない約直径50メートルの円だ。ちなみに、明らかに『過ぎた行為』と見なされた場合、それなりの処置が下される。

 試合のゴングは、戦う者同士がリングに立つこと。今までオレだけ立っていたのだが、ようやく相手もやる気になったようだ。

 

「えっと、真剣だけど、怪我しても知らないよ?そんな薄着でさ」

「……お手柔らかに」

「まぁ、いいけど――ねっ!」

 

 跳躍。

 50メートルあった距離が一気に詰められる。というか、その脚力はおかしくないか!?

 

「うぉ!」

 

 ギィン、と金属音。まずい、一歩も下がれないこの状況。相手の懐を抜けて中央へ出るか?いや、できるか?やったことないわそんなこと。

 

「――っ!?」

 

 と、一気に試合が決まりそうな状態から、有利であるはずの女剣士がリングの中央までバックステップする。

 ……蹴られたらそれだけで致命傷受けそうなんですけど。真剣よりもその足のほうが凶器じみてる。

 

「というか、え?」

「………っ!」

 

 なんで距離を空けたのか、考える間もなく再跳躍。もう一度金属音。

 その衝撃をまともに受けると場外に吹っ飛びそうなので、身体を逃がしていなす。

 結果、オレは場外ギリギリの位置から逃れることができた。

 

「《この(てのひら)にわずかの雷を!》」

 

 振り向き様に腕をこちらに向ける。その手の平から一閃の煌めきが襲う。

 それを剣で薙ぎ払うと、目の前に女剣士。魔法を防がれるのを承知で追撃してきた。所謂フェイク。

 

「うお!」

 

 慌てて振り下ろしたオレの剣は、悲しいかな、虚空を撫でただけだった。切り掛かると見ていた女剣士は、オレの剣のリーチの少し外で、オレが無様に空振るのを見ている。 

(―――――フェイクっ!!)

 

 やられた。この女剣士のほうが数枚上手だった。明らかな実力の差だ。

 オレを一気に場外へ吹っ飛ばす蹴りが腹部に迫る。ああ、骨は覚悟かなあ。

 

 

――パリッ……バシィッ!

 

 

「え……っ?」

 

 一閃の煌めきが、女剣士の胸当てに直撃した。そのまま吹っ飛んで場外を期待したけれど、残念ながら少し浮いた程度だった。

 それは女剣士にとって全くの不意打ちであったらしく、どさっと尻餅をついてそのまま硬直している。

 かく言うオレも、何が起こったか理解できていない。

 

「……」

 

 自分の剣を見つめて思案する。そういえば、雷の魔法を防いだときに剣が雷を纏った気がしないでもない。

 

「……おおう」


「な、何よ今の!?」


 女剣士が文句を言う。言われても困る。オレだって知らなかったんだ、こんな便利な機能があるなんて。

 そうとわかれば、試合は続行しなきゃな。いつまでも驚いてるわけもない。


「行くぜっ!」


 オレは一足で何メートルも移動できる脚力を持ってないので、まぁなんと無様な走り方だこと。仕方ないじゃないか、相手はまだ腰を抜かしてるんだ。

 ステージの端っこ、そこにいる女剣士の前に立つ。さすがに女剣士も立っている。

 初めて剣を構える。我流だ。左手を剣の腹に添えて、切っ先を下げ、右手に持つ柄を上げる。


「……あんた、初心者丸出しよ」


「ほっとけ。ちゃんと意味はあるんだ」


 目を見開く。左手を剣の腹に添えたまま、右手を柄から離し、相手に突き出す。

 瞬間、女剣士の剣が馬鹿みたいな大きさの鉄球に変わる。


「ちょ、な…によこれ!」


「よっこいしょー!」


 右手を柄から離したから剣は放棄。女剣士も何十キロあるか分からない鉄球をすぐに放棄。

 右手と左手が重なる。どちらも足を踏ん張って、相撲と言えなくもない状態。


「うぎぎぎぎぎぃー!」


「あんた、意味が、分からない!」



「ゴフッ!」びちゃり



「…………血?」


 血が、女剣士の顔にぶちまけられる。

 オレが突然吐血したんだ。もちろん故意じゃないぞ、何か刺さったんだ、腹に。

 ……腹に何か刺さった?


「………ああ、打撃にしか慣れてなかったからなぁごぷっ」


「いや、あんた、刺されて……後ろ……」


 「「ア ア ア ア ッ!!」」



 誰か二人が同時に、オレの後ろにいる何かを蹴り飛ばす。残ったのは、オレの腹に刺さった剣のみ。ってそうか、剣で刺されてたのね。今気付いたわ。



「え、何? これって最終更新日いつよ?」

「忘れたよ。確か……2、3年前だったような気がする。そもそも今話だって1、2年前に書いたものだし」

「『今話』って単語、造語なの? 『次話』があるから使ったんだろうけど。それにしてもお前、ふざけすぎだろ」

「なんか当時、ここで詰んでね。他の話も執筆してるんだけど、これ完結してないし、未完の小説が氾濫するのもあれでさ」

「いっそそれらも投稿しちゃいなさいよ。……ん? これ今回投稿しちゃってるけど、これ以降はまだ未執筆なのよね?」

「うん」

「大体無駄に伏線多いし、全部把握しようとしたら羞恥心で読めないし。どうするのよ、これ」

「伏線ってさ」

「うん」

「回収するものじゃん。基本」

「そうね」

「回収しないのもありかなって」

「しろよ。てゆーか回収できないんでしょ」

「あれだよね、当時の厨二ぶりが遺憾なく発揮されてるよね。卒業文集に載せたポエムくらい恥ずかしい」

「え、載せたの?」

「クラスメートがね」

「「ご愁傷様です」」

「で、なんで今回投稿しちゃったの?」

「実は俺、今性質の悪い風邪にかかってて。気の迷いと共に、勢いで。つい」

「ちゃんと続けなさいよ」

「そもそも読者がこの回を読んでくれてるかどうか。絶対途中で読むの止めてると思う」

「意味無っ」

「だからこそ投稿したんだけどね」

「なるほど、割り切ったのね」

「そゆこと」


「そういうわけで」

「え、お前が仕切るの?」

「あんた切り上げるタイミング分からないでしょ。ほら、

『そういうわけで!』」

「まぁ……そうなんだけど。

『ここまで読んでくれた方、』」

「おそらく綺麗にまとまらないでしょうが」

「伏線とか忘れてもらって」

「寛容な心で読「読んでくだ」……」

「……」

「……ドヤッ」親指グッ

「……」グッ

「グエ――」パタッ

「読んでくださると、とても助かります。というか、ここまで読んで下さるだけで、いや、ここだけでも読んで下さるだけで、心から感謝致します」


「なんか卑屈すぎね?」

「あんたをフォローしてやってんのよ」

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