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勇者になろう  作者: パラヂン
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第42話 修業その三

こんにちは


魔王か魔神か知らないけど、帰って一連の事象を三人に話した。

話し終えたところで三人に反応は無いのだが。



「でもま、つまりあれだろ?そいつ倒せば全部終わるんだろ?坂神がこっちの世界に来た理由もそいつじゃない?」


「成る程、それっぽい……いやでもだったら何でオレなんだ?みんなより普通に弱いだろ、オレ」



ネイスが正論っぽいことを言う。

けれどそれならオレが倒す必要性が見当たらない。なんでこの世界に飛ばされたんだ?



「あ、あの……坂神さんがこっちの世界にって」


「そっか、フィリスには言って無かったっけ。オレは……あれだ、正と負の世界の人間だよ。この世界を救うためにって飛ばされた」


「ええっ!?それじゃあ本当に勇者だったんですか!?」


「勇者かどうかは知らん。そして多分違う」



隠す必要があるのか分からない秘密を打ち明けると、フィリスは妙に驚いた。

勇者の定義をオレは教えて欲しい。



「ま、なんにせよ強くならないといけないわけだ」


「そういうことになるのかな。でもどうしたら……やっぱ筋トレかなぁ」



また滝壺に落っこちるのはゴメンだ。

大体、なんでオレなんだろうか。身体能力もこの世界の人にかなり劣ってるだろうし、魔法も使えないし。どうして……



「あ、ナイスアイデア思いついたよ。肉体強化の」


「ん?死ぬのは却下だぞ」



割と本気で言った自分は何なんだろう?強くなる方法が死ぬってオイ。

とりあえずネイスの提案を聞くことにする。



「サンドバックすれば耐久性みるみるアップだよ」


「何言ってんだよ、んなの駄目に「おお、それいいな」……決まってるだろう?」



言いきった!言いきったぞ!サンドバックなんかゴメンだ!



「でも少しくらい荒療治じゃないと間に合わないのも事実じゃないのか?」


「うっ……」


「大体ね、楽して強くはなれないんだよ?苦労や苦痛の分強くなれると思って、男を見せなよ」


「むぐっ……」



言い返す言葉が無い。何故だ。

ファウストとネイスがじりじりと寄ってくる。



「でも家ん中だし……」

「安心しろ。家には一切傷付けない」


「さっさと決意しなさいよ。出来るだけ躱すようにね」


「む……分かった。やるならおもいっきり来「死ぬよ?」やっぱお手柔らかにお願いします」


「「よしきた」」



次の瞬間に見えたのは沢山の拳だった。南無。



「×÷♂℃$%(》∀∵(д′)」



おお、見事にまともな文字が無い。





~~~





次の日



「なんでそんなにボロボロなんです?」


「いえ、ちょっと……」



目の周りが痣で青いとか、そんなレベルじゃない。そんな甘いものじゃなかった。

筋肉痛なのは言うまでもなし、顔は押すとどこでも痛むし、鼻血で出血多量になるところだった。食後だったら多分胃ごと吐いていた。

ただ、やっていく内に拳の数が減っていったので動体視力は良くなったと思う。



「……とにかく、これ」


「ん?紙ですか?」



渡された一枚の紙。

それには、1、2、と区切られてそれぞれに縦線横線や逆三角形などが書かれてある。

まさか……



「そんな感じに剣を振るんです。私の剣は剣筋よりも形が大事なんですよ。それの組み合わせで魔術の印を切って……魔術と剣技の複合ですね」


「じゃあ、魔力が無い人には……」


「ほとんど意味ありませんね」


「三点リーダー三点リーダー丸」


「???……とにかく、型があるのと無いのではまるで違いますから。あと念のため魔術を組む順番もお教えします」


「は、はい。よろしくお願いします」



とにかく、そんな感じで覚えることに徹した。

これでいいのか……?不安だ。





~~~





その夜


なんと、痣が消えて筋肉痛もほとんど治っていた。まさか丸一日で治るとは……



「それじゃ、今日も行くか」


「一発くらい受け止めれるようになれよ~?」


「……来いやぁっ!」


「「そいっ」」


「うぶぶ%%%♀×♂÷%☆☆(´д`)」



そろそろ死ぬんじゃないだろうか?

笑えねー。



何事も慣れです。

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