第4話 門番
いつ不定期になるか分かりませんけど
温かい目で見てやって下さい
「…あ゛」
日が明けてきた
どうりで眠いわけだ
「ああ、足が疲れてるよ。気がつかなかった」
どうするかな
ここで寝たらいけない気がする
てか生活習慣が
「ああもう嫌だ。痛いわ疲れるわ襲われるわ人はいないわ」
ああそうだ、自称神はどこにいるんだよ
もう詰めだよ詰め。どうすりゃいいかわかんない
「………あ。」
視界に草以外のものを発見
「やっと、やっと無機物を見つけた」
泣きそうだ
自然と足が速足になる
「あれは…城壁か?」
しかも掘りまである
てことは…城か!!
「やったぁ!よりどころ発見!」
眠気も疲れも吹っ飛んで走り出す
あり?入り口はどこだろう?
ぐるりと一周する
「あった。お、川もあったんだな」
てか間近に来て思ったけど、掘り深っ!!
落ちたら死ねそうな深さだな
入り口は一本、橋があるだけ
入り口から見えるのは村だった
「そりゃあんな化け物がいるんだ、入り口も一つになるだろ。てか城じゃなかったのか」
まぁ、とりあえず入るか
「なんだオマエは!!」
甲冑に身を包んだ男が剣を突き付けながら立っている
おお、やっぱりこういう展開か
「えーっと…ただのしがない人間です」
『人間』以外に答えることなんてないし
「ならば何故手ぶらなのだ!」
「手ぶらじゃないですよ、ホラ」
腰にかけた袋を指す
「そんなもので外を出歩けるものか!ナメているのか貴様!」
ごもっとも。じゃあ…
「武器…てか凶器ならありますよ」
どこからともなく、いや袋からバットを突き付ける
カーボン仕様だぜコノヤロウ
「うわっ!どこから取り出したんだ!?」
ああ、やっぱりここでは四次元ポケ○トなんてないんだな
「始めから持ってましたよ」
「いや、確かにその袋から…」
「やだなぁ、そんなことあるはずないじゃないですか」
「いや、しかし…」
あれ?話が逸れてる逸れてる
「で、早く入れてもらえると助かるんですけど」
「ああ、そうだったな。でもあと二つ確認させてくれ」
なんだ、まだあるのか?
「その服装と、髪と瞳の色はどうしたんだ?」
そういやまだパジャマだったな
…色?はて、ワックスすらつけない真っ黒のはずだが
「…民族衣装です。それに、髪と瞳の色って普通の黒でしょ?」
「そうか…黒い民族もいるのか…」
…?こっちじゃ違うのだろうか
「あの…あなたの色は?」
「青だ。そんなものを聞いてどうする?」
いや、あんたも同じような質問してただろうがよ
それにしても、そうか
黒は珍しいのか
…染めるのもなんかなぁ…
「いやなんでもないです。それより…そろそろ入っても…?」
「ああ、いいぞ。ところでお前、名前は?」
「坂神裕也。呼び方は坂神でも裕也でも。あんたは?」
「レオンティウス・ヴェルデ。レオンでいい。よろしくな、ユウヤ」
なんだ、案外いいやつなのかもな
「こちらこそよろしくレオン。じゃあな」
入ってみて気がついたんだが…
なんかピリピリしてるな…
まぁとりあえず宿を探さなきゃな…落ち着けねぇ…
あれ?円は使えるのか?
「おいユウヤ!」
「あれ、レオンじゃん。どうしたん?門番は?」
「聞きそびれたことがあってな。ユウヤ、お前こう…なんていうか…黄色くて目が青い魔物を見なかったか?」
「ああ、いたよ。それがどうかしたか?」
あんまし思い出したくないんだけどなぁ…死にかけたし
「お、お前、大丈夫だったのか!?」
…成る程。こんなふうに色々巻き込まれるのか
そんなのゴメンだコノヤロウ
「いたけど再帰不能だったよ。四つの足全部折られてた」
…自分がやったから金くれって言っても無駄だろうしな
「そうか!分かった、ありがとう!」
「…行っちまいやがったな」
さて、寝床を…
あれ?まだ昼じゃん
…眠いな
「パンでも食って寝るかな」
城壁(城じゃないから村壁か?)にもたれて昼飯を取り、そのまま寝ているホームレスの姿が
そこにはあった
金が無くて昼間から道端で居眠り…
勇者の姿じゃないですね(汗