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勇者になろう  作者: パラヂン
27/42

第27話 石像


無駄だと分かっていても、なんかやっちゃうときってありますよね?


こう、カッコイイから。






五体いてビックリしました。




……あ、黒マントね?

あと一体だと思ってました。

でも五体とは、ちと多すぎじゃあ無いですか?



ふと、目の前に剣を振りかぶる黒マントがいた。やば…




ギィン!




「このアホ!」



目の前の黒マントは一瞬でファウストになっていた。

助けてもらったんだと気づくのに一秒かかった。

そしてその一秒で自分を恥じた。

なんで出てきたんだろ、オレ。



「おい坂神!」


「はいっ!?」


「アイツをどうにかしろ!」



と、宝石を投げ付けられた。

これはおそらく、ファウストあの石像を復活させるために使っていたヤツだろう。


というか邪魔扱いされなかったことに、なんというか、こう、感動した。


すぐに石像に向かって走りだす。

オレには黒マントの攻撃を躱しながらいくのは無理だから、ファウストを信じて、走る。痛い。

走りながら、『まだ走れたんだなぁ、オレ』と何故か少し複雑な気持ちになった。



「具体的にはどうすればいいんだ!?」


「それを額に当てて魔力を流し込め!」


「え!?こうやって!?魔力!?」


「どバカ!!お前のじゃない!!ソイツの額にだ!!」



ツッコミながら五体からオレと石像を守る。すげぇ。つかオレどバカ。恥ずい。


石像まで着いた。

さて、コイツの額に………




バチッ!

「あでっ!」




………触れない…



「ファウスト!どうすればいいんだ!?」


「どうにかするんだ!」



気づけば、時折攻撃に転じてたファウストが守るだけになっている。


これは結構……ヤバイパターンなのでは?


……どうにか、ねぇ…




バチッ!

「あだっ!」


バチィッ!

「あいだっ!」


「ふんっ!」

ピシィッ!!

「がふぅっ!」


テクテク


ダダダダダ

「うぉぉお!」

バシャァッ!

「ぐわぁっ!」




「どバカ!少しは考えろ!」


「すみません…」



強行じゃ無理ですね、はい。


考えてみる。

そういえば、幾度も電撃を食らって何か違和感を感じた。



「何だろう、この違和感!」

「知るか!」



さいですか。


んで、まさかの『知るか!』で気づいた。

どうやら、電撃を出す感覚がバラバラなんだ。

つまり……この石像が自分の意識で電撃を発している、と。



「なぁファウスト!」


「なんだ!」


「お前、拒絶された、とか言ってたよな!」


「そうだったか!?」



言ってたんだよ。

だからこの石像は生きていて、意識を持ってるはずなんだ。



「言葉は届くのか!?」


「知らん!」



さいですか。


まぁいいや。とりあえずやってみよう。



石像と目を合わせる。

見たところこの石像は女だ。

そして多分子どもだ。

じゃあ恥ずかしいはずなんだ。きっと。多分。


じ~っと見つめる。

じ~~っと見つめる。

なんか、ふと、オレがイケ面じゃ無かったら恥ずかしがらないんじゃないかと気づいてしまった。まぁいいや。


………


だんだんコイツの目線を感じれるようになってきた。


………


恥ずかしい。


………あ、目線外した。今だっ!



パンッ!←(猫騙しの音)


ペチッ←(宝石を額に当てた音)



「ヤッター!!……………(汗」


バチィッ!


「ぬわっ!」



………失敗?いや、当てれたから、成功?てかぶっちゃけ無理じゃね?

魔力なんて知らんわ!



「ファウスト!」


「なんだ!?」


「魔力の流し方が分からない!」


「…それは……こう…なんだ…えいっ、て」


「可愛いっ!」


「黙れっ!ええい邪魔だっ!殴らせろ!アイツを殴らせろ!」



思わず言ってしまったが、黒マント達が頑張っているので大丈夫だろう。微妙に頑張れ、黒マント。

それよりも、どうしたものか……


…………………………


「……あ」


マジックメディ。

固体みたいな名前だけど実は液体で少し驚いたマジックメディ。

略してマジメデ。



かけてみるのはどうだろうか?

バシャッと。



………考えても仕方ないな、やってみよう。


また石像と睨み合う。

さっきの方法はもう使えないので、睨み合ってすぐに



「わっ!!」



ビビらしてみた。


マジメデをぶっかける。かかった。


宝石を額に当てる。当たった。


「よしっ、また成功だ「貴様ぁ!」ぶふっ!!」



殴られた。


ファウストよ、さっきの言葉は本気と書いてマジだったのか?んなアホな。



「貴様っ!貴様っ!貴様ぁぁあ!」


「ガッ!ゴフッ!ガハァッ!」


三連コンボが決まった。

三発目でめっちゃ吹っ飛んだ。

だけどそんなに殴らなくてもいいと思うんだ、オレ。

というか、声がファウストと違うのに気づいた。



「ま、まさか…「貴様ぁー!」………ゲフゥ」



あー…意識が拳にスクリーンアウト……何言ってんだオレ。



最後に真っ赤な髪と真っ赤な顔を視界に映しながら、意識が押し出された。




次回は、初の主人公じゃないサイドの予定です

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