第22話 占いましょう
更新遅いなぁ…
また一日更新したいなぁ…
~セラフス国~
「やっと着いたか~」
「そうですね」
フィリスの聞くところによると、この国は割と自由な国らしい。
商売やら政治やら、悪い言い方だと『いい加減』とか『テキトー』みたいだけど。
ただ一目見た感じだと、かなり活気に溢れてるな
てか、何時間歩いたんだろうね
もう日が傾いたよ。
しかもノンストップ。
「それじゃあ私は許可をとってきますので、商店街辺りで適当にぶらぶらしてて下さい」
許可っていうのはおそらく塔に入る許可だろう。
こういう制限はこの国では珍しいらしいけど、つまりそれだけ怖れられてるってことなのか?
「商店街ってどこだ?」
「南ですよ」
「………南ってどっちだ?」
「………あっちです」
うわぁ恥ずかしい
「んじゃまた」
「はい」
~商店街~
「うおっ、スゲー」
武器屋とか防具屋とかありきたりな店がいくつもある。
というか値札がある店と無い店があるみたいだけど、無い店は値下げOKって意味か?
てかオレ今無一文なんだけど
「………ん?なんだあれ?」
あれは……占いか?
というかその占い師の服が、フィリスと似た修道服なとこにちょっとビックリ。
そして『料金=気分』の札に二重のビックリ。
ちょいと見てみる
~~~
「あ~ただいまの気分は150Gですね。あなた、運が悪いですね」
「あ~ちくしょ~!今日はくじやめとくかなー。あ、はい150G」
「どうも、ではいきます」
手元の水晶玉を見つめる。
じぃーっと、何もせずにじぃーっと見つめるだけ。
しばらくして
「今日あの宿で泊まるのはやめたほうがいいです。不吉です」
「まじでか!?今日そこで予約してんだが……くぅっ、何も無いことを願うか…」
~~~
…何あれ、テキトーにも程があるだろうが。
てかバリバリ営業妨害じゃね?
客も客だけど…
というか、通貨ってGだったのね。
「まぁ金持ってないし、試してみたいっちゃみたいんだけどなぁ」
タダを期待してあれに行く度胸はオレにはない。
と、残念に思いながらその占い師の前を通っていくと。
チャリーン
「………………(汗)」
その占い師がオレの足元に50Gを投げた。
……………え、何?
これって『この金で占え』って意味で捉えるべきですか?そうですか。
「あ、あの、これは…」
「ただいまの気分は70Gですね」
…足りねーよ
「……すいません足りません」
「何を言ってるんですか?20Gも持ってなかったんですか?アホですか?そうですか」
「そこまで言いますか!?」
そんでやっぱり50G投げたのは確信犯だったのね。
いや分かってたけどね。
「じゃあいいです、今の気分は20Gです」
なんだか、金額が低いと気分が悪いって言ってるように聞こえる不思議。
てか投げた50Gより安くていいんかい。
「…じゃあ50Gから」
「どうも」
んでしっかりお釣り30Gを受け取る。
……なんだろうこの人、オレを罪悪感とかでイジメてるのか?
「では、いきます」
そう言って水晶を手をかざす。
しっかし……
よく見るとこの人、めっちゃ綺麗だ。
色白で、銀髪で。
まぁ不思議度が強すぎて、『美人』ではなく『変人』って言ったほうが正しい気がするが。
とか思っていると、その占い師は突然金づちを取り出して
カッコォォーーーーン!
おお、いい音。
そして、金づちを水晶に振り下ろした状態で数秒。
オレが『何やってんのこの人?』とか思い始めたころ。
バキッバリバリッ!
グシャッ!
「「……………」」
沈黙。周りの人もみんな沈黙。
そんな中一番に口を開いたのはやはりその占い師で。
「割れちゃった!!」
「何驚愕してんですか!?あなたが割ったんでしょうが!?」
「とまぁ茶番はここまでにしておいて」
「茶番なのか!?」
あんたその言葉テキトーに使ってるだろ!?
「占いの結果ですが…。困ったときは、がむしゃらではなくひらめきが重要になります。力に対しては、力以外の方法もありますから。特に、次の困難では」
……おお?
今一瞬『すげぇ、占いっぽい』とか思ったけど、よく考えるとかなり抽象的だな、おい。
「それと、魔力の補強剤を買っておいたほうがよろしいかと」
「あ、うん。…というか、この金…」
「それはいいです、それでアモー○の水でも買ってください」
ドラクエかよ。
「あぁそうだ、金と占い、ありがとう」
「礼には及びません、仕事ですから」
そう行って謎の占い師はスタスタ歩いていった。
そして不覚にも最後の台詞がカッコイイと思ってしまった。
オレはアホだろうか、と思った。
「あ、その水晶はあげます」
スタスタスタスタ
「……要らねー」
つーか割れてるし
とか思いつつ四次元袋に入れた。
オレはアホだろうか、と思った。
その後、道具屋で魔力剤らしい『マジックメディ』略して『マジメデ』を買って(アモー○の水は無かった)しばらくぶらついてると、フィリスが来た。
「お待たせしました、やっと許可が下りましたよ」
「おう、ところで……今から行くのか?」
もう暗いです。
日は沈みました。
「はい。ここにいたら、もう太陽は拝められないらしいですし」
「……そっか、じゃあ行くか」
頭にあっても指が動かないのです。
こういうのって考えたらダメなんですかね?