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勇者になろう  作者: パラヂン
21/42

第21話 道中


~道中~



何の変哲もない草原を歩きながら、かれこれ数時間。

まだ日も傾いていない時間。


さすがにもう歩けない、とかはないけれど。



「なぁフィリス」


「はい?」


「そういや今どこに向かってるんだ?場所の名前と方角を頼む」



てか傾いてたら困る。

出発したのは昼前、いや多分朝だし。

そんなに歩いたら足が棒になっちまう。


それでも多分何時間かは経ってるだろう。

日は真上を越えている。



「ああ、セラフス国ですよ。方角は南ですね」


「ふーん。あ、それとお告げってなんなんだ?あんなにいきなり」



ホント、物凄く間が悪い気がするんだよ。



「それが……なんでも既にこの世界が危ないらしく、早くある塔を守りに行けと」


「塔?」


「はい。えーっと…名前は付けられてないんです。でも、よく呼ばれているのは『闇の塔』や『奈落の塔』、ですかね」



うわぁ、随分と物騒な名前だなぁ。



「『闇の塔』って言うのは見た目からですけど、『奈落の塔』っていうのには理由があって……」


「?」



「上がると二度と戻れないんです」



なに?二度と戻れない?

…怖っ



「上がるとどうも下りれないようで……調査団が向かったんですけど、誰一人帰ってこれなかったんです」



とんでもない化け物でもいんのか?

いや、それでも一人も帰って来れないっていうのは……。



「なんかいるのか?」


「多分いません。ただ、『ここから出してくれ』って悲鳴が上がったんです。それに断末魔は聞こえませんでした」


「ん?それってつまり……」



「はい、文字通り『戻ってこれない』んです」



うわぁ



「それ以外は何も分かってませんね……」



……ん?

ちょっと待て。あれ?



「もしかして、それ、オレ達、上る?」


「………はい」



…………………ええ~。



「お告げでは、大丈夫らしいですよ」


「……信用できる?」


「口調は…あんまり…」


「…………」



泣いても、いいですか?


…とかそんな冗談はいいとしてですね。



「そういや、フィリスって体力スゲーよな。もう何時間も歩いてるのに全く疲れる気配が見えん」


「んー……日々の特訓の成果ですかね?」


「特訓とかしてるのか?やっぱ凄いな」


「逃げ切れないときは」


「逃げてんのかっ!?」



そうだった。

コイツは毎日それで走っ(逃げ)てるんだった。

訓練された兵士もビックリの速度で、しかもこの修道服で。


そりゃ鍛えられるわ。



「ちなみにこの旅も逃げの一貫だったりします」


「うそ!?」



フィリス、一々意味が分からん



「それより、もうすぐ着きますよ」


「お、そうなのか」



短い……


いや、久々で、道中だから、ということで(汗



~なんかもう日記~


「昨日おじいちゃんのお父さんがいなくなってたらしい。今日帰ってきたけど、なんだったのかな?」

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