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勇者になろう  作者: パラヂン
11/42

第11話 紅蓮の不死鳥

何故今日の閲覧数が急に伸びたんだろう?



そして今日長っ!


あくまで主観ですけどね


メモを見ながら叫んだ



「デス・フェニックス!!」



かなり細部まで想像したそれを

オレの目の前、フォルスの眼前に『創造』する



まばゆい閃光とともに、辺りの温度が急激に増加する


いかん目を開けてられない

くそ、この隙に攻撃するつもりだったのに




やがて光が収まる




…目がちかちかする、チキショーめ


すると、フォルスの声が聞こえた



「はぁー…はぁー………ぐ…!…なんだ…今の、は」



どうやら突っ込んだようだ

この阿呆め



この力は少なくともオレには創造しかできないため、移動能力は皆無

つまり、基本的に自ら飛び込まない限り無害なのだ



しかし



「あーくそ、いってぇ…」



反動はでかい

なんせ質量はともかく、複雑さはダイヤモンドの数倍だ



でもダイヤで大分慣れてたおかげか、ダメージはそこまで大きくない


動ける



「うおりゃあっ!」



袈裟掛けに斬りかかる



「くっ………ふんっ!」



ギインッ!



オレの剣が宙を舞う


やはり隊長か



「だがしかしっ!!」



そんなことは予想してた


だから馬鹿正直に斬りかかった


勢いのまま右腰の袋に左手を突っ込み、左に一回転する


左足で踏み込む



「!?…くっ!!」



フォルスの右手が光り、咄嗟に防御膜を張る


だがそんなものは関係無い!




抜きたるは我が至高の一振り




「BEYOND・MAX!!!」





パキィン!

ドフンッ!!!





独特の打球感が腕を伝う


今のは我ながら会心の一撃だった



胸を鎧越しに殴打されたフォルスは吹っ飛んで転がった


審査員の一人が寄っていく


フォルスはどうやら気絶しているようだ



ヤベ、勝っちまった

…ちょっとやり過ぎたかな



「さ、坂神裕也の勝利…」



審査員は本当に驚いているようだ



やがてまばらだった観客席から、やはりまばらに拍手が聞こえる


中には指笛を鳴らす者もいる



するとあの大人しくない女性が話しかけてきた



「うん…それじゃあ…結果は後で知らせるから、あの控室で待っててくれる?」


「あ、分かりました。…なんかスンマセン…」



なんかKY感の中で本当は黒髪の赤いカツラを被った坂神裕也は、すごすごと控室に戻って行った








~控室~



鎧を脱いで、ふと呟く



「あ~…やっちゃった感がなぁ…」



てかフォルスのやつ、魔法って防御膜しか使ってないし

なんか実力を出される前に倒しちゃったなぁ…


ラスボスが通常攻撃しかしてない内に倒したような、そんな空虚感だ



「まぁ、やっちゃったんだ。後はどうにでもなれと」



段々面倒になったので投げやりになってみた


それにしても、カツラ、暑いな

今が秋だからって関係ない

暑いもんは暑い

だからちょいとカツラを脱いだ



「あ~、随分と涼しいわ」




ガチャッ




銀髪に青い修道服



「すいません、赤髪の人!ちょっと匿って下さ………え?」


「あーはいはい匿うのね!?いいよ!ほら、そこに丸くなってて!」



背後に回って背中を押す


その隙に赤いカツラを被った



「え?いや、髪……あれ?赤い?え?」



オレが思うにこの人はバカだ

なので隠し通す!



「いや、オレは赤髪だよ?何言ってるのさ」


「いやでも…今確かに…黒髪…?」


「見間違いだよ、ホラ。どっからどう見ても赤髪だ」



ダダダダダっと足音



「あ、来ました」



咄嗟に身を隠す変な人



やがて扉が開く



「すいません!ここに変な娘は…」


「変な娘ですか?ここには誰も来ませんでしたけど…」



即興のポーカーフェイスで対応する


てか変な娘って…



「分かりました!ありがとうございます!…クソッ、どこに…!」



兵士はそのまま去っていった




「ありがとう、変な髪の人」


「黒髪だっ!…間違った、赤髪だっ!」



あ~もう!何なんだ、この女性はっ!?





「てか、あんたは誰なん―」


「それじゃ、さようなら。どうもありがとうっ!」



出て行った


…ホント、何なんだ?



不意に扉が開く


「坂神クン?」



あの大人しくない女性だ



「えっと…とりあえず第3部隊に配属ってことになったけど、いい?」


「ハイ、第3部隊ですね。あ、そうだ。…療とか…あったりしません?」


「え、療?そんなのないけど…」


「………ハイ。分かりました」



…報酬が無かったらまた野宿か?

いや、働かずに寝床を欲しがること自体おかしいのだろうか?


バイトとか探さないといけないのかな…



「それと、これは私情なんだけど」


「え、何?」


「アタシと戦ってくれませんか?」



おっとビックリ

てか無理、『デス・フェニックス』で身体が思った以上にボロボロなんだよ


だから、一度言ってみたかった台詞を言おう



「女性―――」


「女性を殴るなんてできない――なんて言ったらしばきます」



ひどいやひどいや

つかシバくって…随分おてんばだなぁ



「あ~、ゴメン。ホント無理なんだ。さっきの戦闘でもう…」


「え?一撃も受けてなかったでしょ?」


「そうじゃなくて…力の反動が…」



いやまて

『自分の放った魔法で自分にダメージ』?

しかもそれを開始直後に出していた?


…ダメだ、カッコ悪い(汗



「実はあの魔法、まだ使い慣れてなくて…それで少し思った以上の力がですね」



うん

嘘はついてないぞ



「謙遜しないでよ。無方陣無詠唱で何言ってるの?」



あ~…それは失念してた


…やむを得まい



「ああ、分かったよ。でもこれからだと日が暮れるから、明日な」


「分かった、じゃあ明日の早朝ここでね」



ふと思う


これ、ダサくても『反動で身体が…』って言ったほうが良かったんじゃないか…?



…泣きてぇ



時間ギリギリ…



~とある日記~


「今日も料理に挑戦しようとしたらおばあちゃんが先に作ってくれていた。

いつもはあんなに早く作らないような…

でも、大皿を囲むときって必ず最後の一個が余るんだよね。

これが…深層心理!?」



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