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異能戦線-Chronos or BASIC-  作者: 崇詞
リバースアバター編
76/114

断章Ⅰ:予言とは、聞いた時にはなんのことかさっぱりで、いざ事が起きた時に「そう言う事か」と納得するものだ。

「姉さんは、早坂 一途(はやさか いず)はここにいるのか?」

 重っ苦しい扉の前に立つ黒い防弾装備の男二人に俺は問う。

 俺の言葉を聞くなり、2人ともライフルを向けてくる。


「凶兆、秒針、拒絶と依存、表裏を裂く者・・・」


 扉を開けて中に入るとコンクリートの床と壁に水道管が天井吊りの空間。道のすぐ隣に下水が流れている。

 水道施設の様には思えど、コールドスリープなんて言う最新技術を扱っている場所には思えない。ただひたすら姉さんを探して歩く。




 1時間ほどたっただろうか?

 施設の入り口にいた奴らと同じ様な、武装をした見回り警備と何度か遭遇しながら下水道の迷路を彷徨った頃、少し開けた場所に出る。

 コンクリートの床に赤い煌びやかなカーペットが敷かれた空間・・・壁が打ちっぱなしでさえなければ、西洋のお城の一室としてにありそうなほどにオシャレな図書室だ。

 水流系(アクアキネシス)を応用した最新式の除湿機が稼働している。湿気から本を守るためか。

 奥に扉が見えるが、俺の力ではビクともしない。鍵がかかっている様だ。だが、鍵なんて持っているはずもない。どうしたものか。




 30分ほど本棚の本を調べていると、本と本の間に鍵型を発見した。

 金属を溶かして流し込むのが本来の使い道だろうが、俺にそれは必要ない。鍵型の形に合わせて空気を固定。透明な空気の鍵の完成だ。

 ガチャン!と音がした。鍵が開いた様だ。




 扉の先には階段があり、その階段を降りるとようやく研究所らしい空間。そして、水槽の様なコールドスリープ装置に浮かぶ、氷塊の中。全裸で眠る姉さん。

 その場にいた白衣の男の1人に頼んで、姉さんを解凍してもらう。

「れい、と?」

「姉さん!良かった・・・この2ヶ月間、ずっと探してた。」

「2ヶ月・・・」

 姉さんは辺りを見回して、少し物憂げな表情。

零斗(れいと)が助けてくれたの?ありがとう・・・」

 その表情のまま俺を抱きしめる姉さん。久しぶりの温もりを感じ、そのまま安堵感と疲労感、眠気に身を任せ、姉さんに身を預ける。




「ん・・・なんか変な夢だったな。」

 早坂 零斗が目を覚ますと、一途が顔を覗く様にして隣で横になっている。

「おはよう。かわいい寝顔だったよ?」

「ね、姉さん・・・・姉さん!零眼の制御はもう良いの?」

「うん!とりあえず、暴発はしない。まだ何か引き出せてない力はありそうな気がするけど、零に還す力はちゃんと抑えて、任意で使える様にはなったよ。」

 得木 律神(えるき りつか)からは一週間ぐらいかかると言われていたので、2日で帰って来た事に驚く零斗。

「じゃ、零斗も起きたし、ちょっとシャワー浴びようかな。」

「え?」

「魔眼の制御出来てないと、お風呂もまともに入らなかったからさー・・・一緒に入る?」

「な!!!///」

「照れてる!かわいい・・・冗談だよ。じゃ、行ってくるね。」

 そう言って、脱衣所に入って行く一途の背中を零斗は少し見惚れるように、眺めていた。

次週は休載します。

次の投稿は、12/8です。

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