序章編F:プロローグ
神『 』は自らの生み出した数多の世界を第二権能で並行世界として運営した。
ここはその一つ、生体プログラム『Basic』の発明によって、魔術より科学が発展した世界。
生体プログラム『BASIC』。
それは西暦2005年に実用化された。
10歳未満の被検体の体内に『ベースプログラム』と言う生体プログラムを打ち込むことで被検体の第二次成長に伴い『ベースプログラム』が変化する。
上手くプログラムが変化した被検体にのみ『生体プログラムによる特異能力』、通称『異能』が発現する。
異能が発現した者は『異能力者』と呼ばれ、各国の企業や研究機関に留まらず、軍事力にまで組み込まれた。
ベースプログラムの刻印はスマートフォンに匹敵する速度で世界中に普及し、2030年現在、世界人口の役8割がベースプログラムを刻印しその内の約4割が異能力者だと言われている。
そんな異能力者の教育の為、日本政府は『異能高等専門学校』通称、異能高専を札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、長崎、那覇の九箇所に設立した。
札幌校を除く八校は、一学年三クラス、定員120人。
毎年、周辺の都道府県から中学3年生の異能力者達が集い、120の学籍を奪い合う。
平均倍率が三桁をこえる超難関校だ。
「BASICが発明されてから30年、実用化され、一般人も利用可能になって全国9か所に異能高専が出来てから25年経ちましたが、このようなケースは初めてです。早坂 零斗、異能、不明。ランク、計測不能。見えない斬撃を発生させる異能だと本人からの自己申告を受けておりますが、その原理も不明です。いかがいたしましょうか。神宮寺統一教育委員長。」
「へえ、面白いね・・・」