6話、ボス出現
〈3日目の朝〉
身支度と朝ごはんを済ませて、タブレットで調べ物をしていると
「そういえば、魔結晶が3個貯まったからガチャが引けますね」
「いや、ガチャはまだ引かない」
今引くよりもフェスみたいな感じなのがあると思って待つ。
「確か、魔結晶は他の物にも使えますからね」
「そうなのか?」
マリナから聞いてみると、ユニットを復活させる〈蘇生石〉、レベルが上がる〈経験値石〉、他の街に移動出来る〈転移石〉などがあるみたいだ。
「万が一の為に〈蘇生石〉を1個買っておくか」
魔水晶×1→蘇生石×1
これである程度は大丈夫か。
「マスター、今日は早めに出た方が良さそうですね」
「そうだな。昨日と同じく学校や役所付近には近寄らず、モンスターを倒していくか」
そう言って俺達は家の外に出るが
「嘘だろ、周りが薄暗い」
「これは、何かの兆候の前かもしれないです」
正直出たくないが、昨日大量にポイントを使ってしまったので
「今日は家の周りだけにしよう」
「そうですね」
広範囲に移動するとヤバそうなので、近場でモンスターを探していると〈野犬〉の群れを見つけたが
「なんか、殺気が前よりも凄くないか?」
どう考えても異常に見えるが、強さ的にはあまり変わらなかったので普通に討伐する。
「マスター、今日はお昼で切り上げましょう」
「やはり、マリナも嫌な予感がするか」
その言葉に頷いたので、昨日は昼で切り上げる。
モンスター討伐 〈ランク1〉1匹10P
〈68匹〉 10P×68匹=680P
モンスター素材
野犬50匹、20P×50匹=1000P
ジェル18匹 25P×18匹=450P
合計、680P+1450P=2130P
431P -100P+2130P=2461P
魔石合計、68個
魔石13個、魔水晶3個、虹魔水晶0個
家に到着して朝にライフラインを起動していたので、リビングに入って電源をつけると
「ハァ、なんだあの息苦しさは……」
「私もあの雰囲気はキツイです」
俺の家は中心部から離れているからいいが、塔の周りから異様な雰囲気が出ていた。
「塔から出る黒い霧が気になります。マスター、タブレットに何か情報はないですか?」
「今調べているが……。んっ、イベントクエストだと!?」
ミッションと一緒にスルーしていたが、イベントクエストの所にビックリマークが出ていたので押してみると
「えっと、ランク1のボス〈ブラット・ドック〉と中ボス〈ワイルド・ドック〉が出現!」
「ボスはかなりマズイですね。私達でもまともに戦えば負ける可能性が高いです」
しかも、頭数が書いてないから複数いる可能性もあるのか……。
「ここが襲撃される可能性も考えると何かしら方法を考えないといけないですよ」
「そうだな、何かないか?」
一応、〈クリーン、10P〉で身体が清潔になるみたいなので速攻で使う。
2461P -10P=2451P
「犬は匂いに敏感だから使わせてもらった」
「なる程です。ただ、偵察をする為に双眼鏡が欲しいですね」
「あぁ、俺達2人分を買うか」
双眼鏡は1つ50Pだったので2つ買う。
2461P -100P=2351P
「とりあえず買ったが、まだタブレットで情報を集めたい」
タブレットで検索して情報を集めると
「ダメだ! 中々いい情報がない」
「これはかなり危険なのに、情報がないのはどうしようもないです」
こうなったら召喚士スレを覗いてみるか
召喚士スレ〈天岡市〉 〈3日目〉
258、〈音山、男性〉 ボス!? これはヤバイ!
259、〈ミラー、男性〉 モンスターハザードが起きてから3日しか経ってないのに早すぎるだろ!
260、〈恋花、女性〉 アタシ達を追い込んで来ているわね。
261、〈メロン、女性〉 何かしら対策や情報は無いのですか?
262、〈クード、男性〉 今の所はタブレットにも何も書かれてない。このままだと人生終わるぞ。
263、〈王子、男性〉 この状況は戦える人物を集めて作戦会議をしないといけないね。それに、ガンマンと女剣士さんを見つけないと。
264、〈明太子、男性〉 おい、ガンマンと女剣士! このスレを見ているなら天岡市の市役所まで来い!
265、〈チュール、女性〉 そうよ。ここにはイケメンも美女も揃っているから来た方がいいわよ!
その後、俺達の出動要請がスレに延々と書き込まれていた。