新しい仲間
情報屋ルードに俺達の情報を話すと
「マスターレベル20以上、しかも能力はかなり高いのか」
かなり驚いているみたいだが
「あの、マスター、ルードに〈経験石〉を使うのはどうですか?」
「〈経験石〉だと! リーダー、悪いが使って貰っていいか?」
「別にいいぞ」
〈経験石〉はユニットのレベルをマスターと同じにして、さらにスキルも1〜3レベル上がる物らしい。
「助かる、これで外の情報も集めやすくなる」
「一応聞くけど、戦闘は出来るのか?」
攻撃スキルがあったが、不安だったので聞いてみると
「戦闘能力はそこまで高くはないが、その辺の奴に負ける程弱くは無いぞ」
なら大丈夫か。
「マスターの戦力になるなら大歓迎ですよ!」
マリナも喜んでいるみたいだが
「ただ、今のリーダーの状態はかなりマズイぞ」
やはりそれを言われるか……。
「何故ですか?」
「それは簡単だ、リーダーはオレ達を仲間にしているから、周りよりも戦力が高いのは当たり前。それで周りと孤立しているという事は、援護がないのを考えるのが普通だ」
「でもタブレットがありますよ」
「いや、それだけでは情報が足りないのは明白か」
「リーダーはある程度状況が分かっているみたいだな。それと、ある意味このタイミングでオレを呼んだのは強運だな」
確かにそうだが
「1番ヤバイのは生徒会長側に俺達の戦闘力を知られている事だな。奴らのやり方だとまた会う事になる」
今度はさらに伏線を張って来そうだ。
「ここは情報を集めるよりも、リーダーを守るのが優先か」
「助かる」
「オレの仕事だ。それに、悪いリーダーではなさそうだ」
「マスターは悪い人ではないですが捻くれてますよ」
なんかトゲがある言い方をされたけど
「ルード、装備とかはどうすればいい?」
「オレの装備は基本あまり目立たないから買わなくてもいいぞ」
ルードの装備は黒を基調とした物なので目立たないか。
「それは置いておいて、そろそろ外に出た方がよさそうだ。ここに何かが近づいて来ているぞ」
「あぁ、俺の〈危険探知〉にも引っかかっている」
なので、俺達は急ぎめに家から移動する事にした。
俺達が急いで家を出た後、前行ったマンションとは別のマンションから家の方を見ると
「あれは市長達の車だな」
「マスターの家に何しに来たんでしょうか?」
俺達3人は双眼鏡で家の方を見ていると、拡声器で何か言っているみたいだ。
「リーダーを勧誘しに来たんだな。いや、勧誘じゃなくて強制的に連行と言えばいいか」
「あっ、家のドアを破壊して中に入って行きましたよ」
「普通なら不法侵入だが、モンスターハザードが起こっているから関係なしか!」
ただ、家に必要な物は特にないので、早めに避難が出来てよかった。
「マスター、私達はどうすればいいのですか?」
「それはオレも聞きたい」
マリナとルードにそう聞かれたので
「1番はこの街から出る事だな。ただ、何処に行ってもモンスターがいるのは確定だから、俺達用の安全エリアを作らないといけないのが問題だな」
「安全エリアか。オレならある程度は調べられるぞ」
「ルード、貴方がいなくなるとややこしくなるので困ります」
ルードとマリナの意見が食い違ったが
「ただ、安全エリアならある程度は検討が付いている」
俺はタブレットを操作して2人にある物を見せる。
「異空間住居契約、これは一体?」
「そうか、その手があるか」
〈異空間住居〉
説明・言葉の通り、異空間に自分達だけが住める場所を作る事が出来る。
入る時は入り口の扉を召喚して入る。〈召喚士が中に入っても扉は消せる〉
ただ、出て来る所は消した場所になる。
「これからの事を考えて6人暮らしの住居を買うなら虹魔結晶が20個いる事になる」
今は10個しかないので後10個集める必要がある。
「時間もあんまりかけてられないのが痛いが、中ボスを倒しまくれば何とかいけるか?」
「オレは難しいと考えるが、やれない事はないからリーダーの意見に賛成だ」
「私もマスターの意見に賛成します。ただ、私もある事を言いたいです」
「「ある事?」」
俺とルードが思わず声を合わせてしまったが、マリナのこの意見で俺達の運命が大きく変わる事になる。




