情報屋・ルード
〈7日目の朝〉
俺とマリナが起きた時間は昼前だった……。
「何か物足りないですね」
「そうだな」
服部達が生徒会長と繋がっていた事を考えると、家族を守る為に仕方ないと思うと同時に違う感情も出て来る。
「マスター、何か新しい情報はありますか?」
「昨日の中ボス戦の事は書かれているが、生徒会長達の手柄になっているみたいだな」
「それは……」
別に目立ちたくないので手柄なんていらない。
「マスターが頑張って倒したのに評価されないのは悲しくないですか?」
「別に大丈夫だぞ。それに、中ボスを倒せたのは俺だけじゃなくてマリナいただろ」
「私はマスターを守れたらいいのです!」
マリナの防御力はかなり高いので戦力にはなるし
「本当、俺は運がいいな」
そう思ってタブレットのガチャ画面に移動すると
「んっ、イベント開催だと!?」
「イベントですか!」
思わず叫んでしまったが
『超アイテムガチャ、魔結晶×3で星2以上確定。超ユニットガチャ、虹魔石×5で星2以上確定』〈召喚士はユニットを5体まで呼べるのとパーティー変更不可で召喚したら固定になる〉
「「…………」」
これ来たんじゃね?
「ちなみにマスターは何回引こうとしてますか?」
「様子見で超ユニットは1回、超アイテムは2回だな」
ちなみに普通のガチャ確率は、星1が65%、星2が33.5%、星3が1.39%、星4が0.1%、星5が0.01%である。〈普通ならゴミゲーレベルである〉
「それじゃあ、超アイテムガチャから引いてみましょう」
「そう簡単に当たりが出たら嬉しいけどね」
超アイテムガチャをタップして魔結晶を6個入れて回すと
星4、結界指輪〈バリア・リング〉
星3、強襲靴〈アクセル・シューズ〉
「「…………」」
完璧に当たりだよな……。
「マスターは強運の持ち主ですよね」
「それに関しては否定しない」
ソシャゲでも大体当たりを引くこ事が多い。
「それは置いておいて、この2つのアイテムの説明を見てみるか」
「はい」
〈星4、結界指輪〉
説明
・装備が攻撃を受けるときに自動的に結界を発生させて防御する。
・自分から発生させる事も可能。
・結界の強度は使用者の術力による
〈星3、強襲靴〉
説明
・空中ジャンプが可能になる。
・装備者の能力が上がる。
「これってかなり有用じゃないか?」
「しかも、マスターにピッタリの装備ですよ」
個人的にはこれで多角的に攻撃が出来るの様になるのは嬉しいのだが
「まだユニットガチャがあるんだよな」
「確かに、ここで当たりを引くと影響が出そうですよね」
そうなんだよな……」
「ただ考えていても仕方ないか」
「ここは一気に行きましょう!」
俺達はそう思って超ユニットガチャ画面に移動して引いてみる。
今回の演出は銀色だったので星3かなと思っているとある意味予想通りだったが
〈星3情報屋、ルード〉
「「情報屋?」」
俺達はあまり聞き慣れない職業だったので調べてみると
『情報を集めたりが主な仕事。戦闘時は支援メインの動き方をする』
『情報屋ルードを召喚しますか?』
そう書かれているので
「マスターどう思いますか?」
「個人的には召喚したいな」
情報屋ならこれから必要になっていくと思う。
「私も反対したいです」
俺達の意見は賛成だったので召喚してみる事にした。
そして、召喚をすると部屋が銀色に光って
「やっぱりこのパターンか」
「眩しいです」
俺はサングラスを用意すればよかったと思いながら光が収まるまで待っていると
「情報屋ルード、リーダーの召喚に参上した。それで、オレの任務はなんだ?」
目の前にはキリッとした灰髪の青年が目の前に登場した
ルード 〈情報屋〉〈ユニットレベル1〉
ウェポンスキル
剣術〈レベル3〉
投擲〈レベル2〉
バトルスキル
アサルト・ストライク〈近接攻撃技〉〈レベル3〉
瞬間回避〈回避技〉〈レベル3〉
パッシブスキル
隠蔽〈レベル4〉
鷹の目〈レベル3〉
危険探知〈レベル3〉
鑑定〈レベル3〉
能力は優秀だな。ただ、あまり戦闘向きではないか……。
そう思っていると
「私はマリナ、〈星4の守護騎士〉です」
「守護騎士!? なる程、リーダーはかなりの強運の持ち主か」
「そうです、マスターはかなりの強運ですよ」
このままだと話が進まないので
「悪いが一旦纏めるぞ」
「「了解」」
俺達は改めて話し合いを進める。




