元宮生徒会長
俺とマリナの体力が回復したので服部達を探そうとするが
「誰もいないな」
周りを見ても少数のモンスターしかいない。
「これは、嵐の前の静けさみたいです」
俺達は警戒しながら歩いていると
「チッ、やられた」
「マスター、なにかあったのですか?」
モンスターの方に気を張り過ぎてコッチを警戒してなかった。
「囲まれている、しかもモンスターじゃなくて人だ」
「えっ?」
その言葉で俺とマリナは戦闘態勢になる。
「そろそろ出て来たらどうだ?」
俺は物陰や建物の中にそう伝えると
「やはり気付いていたか」
そのイケメンボイスはやはり
「元宮生徒会長……。それに生徒会長役員や召喚士達か」
それに周りの召喚士とユニットを含めると60人以上いるのか
「ようやく見つけだぜ、男ガンマンと女剣士!」
「前に助けて貰った人に間違いないです」
さてこの状況ではマズイな。
「すみませんが、俺達は貴方達と関わりたくないので何処かに行って貰えますか?」
このままだとラチが開かないのでストレートに言うと
「それは無理な相談だ。それに君達の戦闘力は服部君と小峰君に聞いているからね」
やはり服部と小峰は元宮生徒会長と会っていたのか……。
「お前らは強い、その力を使ってオレ達の為に働け。それとポイントと石は勿論回収するけどな」
「確かに貴方達には1割で十分ね」
向こうが好き勝手言っているので
「随分と一方的ですね。そんな不平等な契約は結びませんよ」
「私達は貴方達とは関わりません!」
「なる程、僕に従わないんだね」
「当たり前だ!」
ふざけた茶番に付き合うつもりはない。
「何故だい? 君達は僕に仕える人間として役に立てるんだよ」
やはり、全く話が通じてないな。
「俺の生き方は俺が決める。他の誰かに決められたくはない!」
「よく言いましたマスター!」
このまま話し合いをしても無駄だ。
「なら、これが最終通告だ。僕の駒になれ!」
向こうもかなりイライラしているみたいだが
「「だが、断る!」」
俺とマリナは声を合わせる。
「コイツら、自分達がどれだけ不利なのかが分かってないのか?」
「個で強くてもこの数を相手するのは無謀だと思うわ」
普通はそうだろうな。
「みんな、この愚か者は力の差が分かっていないみたいだ。殺さない程度で叩き潰そう!」
イケメンの言うセリフではないな。
ただ、遠くから何かが近づいて来る音がするので、ここで1つ揺さぶりを入れるか
「それじゃあ、1ついい事を言いますよ。ここに何故モンスターが少ないと思いますか?」
「なんだと? それはオレ達が蹴散らしたに決まっているからだろ」
「答えは違いますね」
俺はさっきから〈危険探知〉が反応していたのである事を伝える。
「正解は、見たら分かりますよ」
俺は前に指を指すと
「そんな脅しが効くと思うか?」
「あ、あの、生徒会長!?」
横の生徒会長役員は気づいたみたいだ。
「なんだ?」
そう言って後ろを向いたみたいだが
『ガルルル』
「…………」
こちらに近づいて来る〈野犬の大群〉と中ボス〈ワイルド・ドック〉3匹だ。
しかも、大通りなので前と後ろから挟み撃ちされている。
「主、私にお任せください!」
元宮生徒会長の後ろにいた金色の重装鎧を来た騎士が〈野犬〉を切り裂く。
「〈星3〉聖騎士ディラン参る!」
聖騎士か、向こうも当たりを引いているみたいだが
「キャャ!?」
「コイツ、クソ!」
他の召喚士やユニット達は大苦戦しているみたいだ。
「マスター、ここは退くチャンスですよ」
「あぁ、そうだな」
モンスターは奴らに任せて逃げるか
「こんなに〈野犬〉が来るとは思わなかったでござる!」
「アタシ達でもキツイ!」
この聞き覚えのある声は
「服部と小峰か」
俺は無視して逃げようと思ったが
「さ、坂上殿! 拙者達は……」
「別にいい。友達よりも家族を守らないといけない事くらいはわかる。ただ、お前達と一緒にする事はもう無いだろう」
「坂上、ちがっ……」
コイツらの戯言は聞くつもりはない。
「マリナ、すまないが一仕事付き合って貰ってもいいか?」
「私はいいですが、マスターはそれでも大丈夫なのですか?」
「あぁ」
俺達は〈ワイルド・ドック〉に襲われている奴らに
「今回は、服部と小峰への餞別の為に戦う」
と言って戦うことにした。
すみません、ストックが無くなってきたので投稿できない日があるかもしれないです。




