休憩後の連戦
あの後、周りの〈野犬〉がどんどん増えて来てキリがないので一旦撤退して昼休憩を取る事にした。
「メッチャしんどかったけど中ボスの〈ワイルド・ドック〉撃破出来たな」
「当初の目的は達成出来たっすね」
「そうだが、これよりも同等が数匹とさらに大物が残っているぞ」
「坂上殿、ここは勝利を噛み締めるでござるよ!」
俺達は前来たマンションの3階で昼ごはんを食べているが
「僕が見る限りこの辺は人もモンスターも少ないですね」
「私もここではゆっくり出来ます」
フル装備のマリナが兜を抜いて座り込んでいるので水を渡す。
「今回はなんとか倒せたが、これからはどうなるかわからないですね」
「それはそうだが、それはまた後で考えようぜ」
「そうだな。気が張りっぱなしだとしんどい」
昼ごはんに美味しそうな料理をポイントが無くなるギリギリまで頼むが
「これだけ料理が有れば十分ですよ」
大量に頼んだので逆に食べ切れるかが心配になって来た。
「まふたー、おいひいです」
大量に揚げ物を口に放り込んでいるマリナや
「やっぱりカツ丼だぜ!」
特盛のカツ丼を食べている小峰
「自分も負けないっすよ」
同じくカツ丼を食べているエミナ
「棟梁、僕達もやりますか?」
「拙者達はゆっくり食べるでござる……」
周りに若干引いている服部と月刃
「まぁ、こんな日もアリだな」
普通に料理を食べている俺。
戦い方や個性は全然違う変人達だが、このメンツで良かったと思えるが
「万が一の保険はかけておくか」
俺は魔結晶を3個使って〈ある物〉をみんなに勘づかれない様に購入する。
「昼までになんとか中ボスを倒せたが、午後からはどうする?」
「決まっているだろ、他の中ボスを討伐しに行くんだよ!」
だよな……。
「拙者達なら次も勝てるでござるよ!」
「棟梁の言う通りだよ。さっきの戦いでも安定していたからね」
「自分もそう思うっす」
他のみんなも勢いになっているみたいだが
「油断しない方が良いですよ。恐らく、モンスター達も何かしら対策してくるかもしれないです」
俺もそれを考えていたけど
「その時はその時に考えれば良いだろ」
それはフラグだぞ。
そして、その予感は的中する。
昼休憩が終わった後、〈ワイルド・ドック〉を探していたが
「マスター、〈野犬〉がいつも通り集まって来ますが違和感があります」
「そうだよな。なんで言えばいいのかわからないが、相手は俺達を倒すよりも何かを待って時間稼ぎをしている感覚だな」
いつも通り二丁拳銃で蹴散らすが
「相手が退き気味なのが腹が立つ!」
「モンスターにこんな知能があるとは思わなかったっす」
「時間稼ぎ……、もしかして!」
「月刃、何か気づいたでござるか?」
月刃の言葉に反応して〈危険探知〉が発動して
「おいおい、かなり危険な存在が2匹程こちらに急接近しているぞ!」
「反応からして中ボスの〈ワイルド・ドック〉だね。ボスが出てこないのは恐らく様子見だね」
流石にマズイと思って引く事を指示しようとするが
「今度は拙者と小峰嬢の番で候。坂上殿は援護を頼むでござる!」
「待て待て、ここは一旦退くぞ!」
「大丈夫だ、前も倒せたからいけるだろ!」
「自分達は負けないっす」
ヤバイな、さっきの勝利で調子に乗るとは
「ハァ、わかった。ただ、本当にヤバイ時は逃げるぞ!」
「僕もそれがいいと思います」
「マスター、大丈夫なんですか?」
大丈夫ならこうなってない!
俺達は〈ワイルド・ドック〉を迎え撃つ為、周りの〈野犬〉を蹴散らして数を減らす。