避難した後
マンションの3階に避難して、昼ごはんに〈14P〉程消費しておにぎりやサンドイッチを食べていると
「やはり、強い匂いがする手榴弾を用意しておいてよかったですね」
「まぁ、音が大きいのはキツイが」
それと、数があんまり持てない所だな。
「そのリュックの中に色々用意していたのは知っていたでござるが、中々いいものがあるで候」
「そうだな。後、いい運動にはなったな」
アレを運動と言える奴は凄いな……。
「頭はパドルジャンキーっすね。後半は自分もしんどかったっすよ」
「僕もですよ。小峰さんの体力がおかしい」
それは否定出来ないな。
「小峰嬢は、学校のマラソンとかでも男女含めてもトップクラスだったのを覚えているでござる」
「おう、体力には自信があるぞ」
「あの、この人ユニットでも十分いけるのでは?」
確かにそう思うが
「ただ、休憩はあんまり出来そうに無いな」
「マスター、何かあったのですか?」
俺は双眼鏡をマリナに渡すと
「アレはモンスターと召喚士達の戦闘ですね。でも、それがどうしたのですか?」
「俺の記憶が確かなら、あの召喚士達は元宮生徒会長の手下達だ。細かく言えば生徒会役員だな」
しかも、さっきまで俺達が戦闘していた場所にいるという事は……。
「恐らく、俺達を探している可能性が高い」
「それはマズくないっすか?」
「あぁ、正直かなりマズイ……」
ここで見つかったら奴らの駒にされる可能性が高い。
「アタシ達も食べ終わったからここから離れる方がいいな」
「そうだね、見つかると面倒そうだ」
俺達はそう言ってマンションから降りてすぐに離れる。
なんとか離れて公園でへたり込んでいると
「あのマスター、この辺にはあんまりモンスターはいないのですね」
「そうだといいが……」
周りが静か過ぎるのが気になるが
「端に隠れていれば大丈夫でござろう」
確かに危険探知も反応しないから少し休むか。
俺達はタブレットを取り出して、水を注文して飲んでいると
『ドカーン!!』
「「「「「「!?!?」」」」」」
突如何かが爆発した音が遠くから聞こえて来た。
「手榴弾かダイナマイトか!」
「あり得ますが、もっと大きな音が出る道具だと思います」
「チッ、なんか厄介な事になって来たぞ」
「まだ少ししか休めてないけど、ここから移動した方がいいと思うよ」
「街の中心部から黒い煙が出ているっすよ」
まさか、何かで塔を攻撃したのか?
「どちらにしろ、一回家に帰った方が良さそうだ」
「拙者も賛成でござる!」
「同じく」
俺達はそう言って一旦俺の家に戻ろうとしたが
「くっ、こんな時に〈野犬〉の群れか!」
「しかも、いつもよりもさらに多いですよ!」
俺達はモンスターの大群に足止めを受けている間にも
「さっきから、『ドカーン、ドカーン』の音ばっかりが聞こえてくるぞ」
「それに比例して、モンスターの流れてくるのが増えているっすよ」
「坂上さん、さっきの手榴弾はまだ残っていますか?」
「あと、4個だな。でも、どうするんだ?」
「それはこうします!」
月刃は俺が買った手榴弾を3個を手に取って一気にピンを抜いた後
「それっ!」
目の前の野犬に放り込んで
「今ですよ」
向こうは『キャンキャン』吠えているので、俺達はなんとか撤退する。
そして、家に帰る頃には18時を回っていたので
「坂上、すまん。リビングで横になるぜ!」
「小峰嬢と同上でござる……」
「自分もっす」
「というか、俺達全員が家に着いてから横になっていないか?」
門とドアの鍵はちゃんと閉めたので大丈夫だと思うが
「これは体力がいるな」
「そうですね。ここまでしんどいとは思ってなかったです」
俺達は何か方法がないかを探してみる事にした。