1話、〈守護騎士マリナ〉
不定期更新になりますが、よろしくお願いします。
人口約100万人の都市〈天岡市〉、この国の首都である〈東主都〉のベットタウンであるこの街に変化が起きたのはゴールデンウィーク1日目の事だった。
俺は朝、家で寝ていると外から怒号と悲鳴が聞こえて来たのでなんとか起き上がる。
「今日はゴールデン・ウィークの1日目で、親と妹は旅行に行っているからゆっくり寝たいんだが……」
家族旅行を断って、ゲーム漬け生活をしようとしたのにコレだ。
ただ、悲鳴はおかしいと思って窓を見ようとしたが、
「こんな所にタブレットなんてあったか?」
テーブルの上に見覚えのないタブレットと説明書が置かれていた。
「説明書か何が書いてあるんだ?」
外の悲鳴がうるさいが説明書を読む。
「召喚士の説明? 新しいゲームか何かか?」
書いてある事はゲームみたいな事だったので、
「なる程、タブレットを起動すればいいのか」
書いてある通りにタブレットを起動するとよく分からない画面が出て来た。
『マスター認証しました』
と機械音がして、〈ステータス、パーティー、ショップ、ガチャ、マップ、倉庫〉などの画面が出て来た。
「最初はステータスを見るか」
なので、開いて見るとゲームみたいなステータスが写し出された。
坂上零也 年齢16歳 誕生日、4月6日
マスターレベル1 適正武器〈銃〉
術力236 スキル無し SP10
マスターポイント〈MP〉 5000P
魔結晶0、虹魔結晶1
「なんだこれ?」
ステータスが画面を開いたが良くわからなかったので飛ばして、タブレットを使ってガチャ画面に移動する。
そして、ユニットガチャは虹魔結晶1個で回せて、アイテムガチャは魔結晶1個のみで回せるみたいだ。
「最初はユニットガチャ固定みたいだな」
ただ、星5から星1があってレアの確率がかなり低い。
「虹魔結晶1個で回せるのか」〈魔石100個→魔結晶1個、魔結晶5個→虹魔結晶1個がレート〉
ガチャの画面が出て来て引いてみると、金色に輝いて当たり演出に見えたので期待する。
「嘘だろ……。星4の守護騎士が当たったぞ」
本当に激レアが当たって『召喚しますか?』と書かれているので召喚する。
するとタブレットが光たので目を閉じて少し待って開けると。
「〈守護騎士マリナ〉、マスターの元に参上しました」
マリナ 〈守護騎士レベル1〉
ウェポンスキル〈WS〉
剣術〈レベル2〉
盾術〈レベル5〉
バトルスキル〈BS〉
ガーディアン・シールド〈防御技〉〈レベル3〉
サークル・エッジ〈近接範囲技〉〈レベル2〉
カマイタチ〈遠距離技〉〈レベル2〉
パッシブスキル 〈PS〉
防御力アップ〈レベル5〉
状態耐性〈レベル3〉
バトルスキル威力アップ〈レベル3〉
アニメの騎士団長みたいなフル装備をした不審者が目の前に現れたので質問してみる。
「お前は誰だ?」
「私はマリナ、マスターを守る盾です」
そう言って不審者が兜を取ると銀髪のイケメン系の女子だったので良かった?が装備の重さで床がミシミシ言っているので少し焦って、
「とりあえず、鎧をしまって普段着に着替えてくれ!」
流石に床が抜けるので普段着に着替えて貰った。〈着替えている間、俺は部屋の外に出た〉
その後、色々話を聞いて纏める。
「この国にモンスターハザードが起きて、その中の素質のある国民約100万人が召喚士になったのか」
「私もあまり状況が分かってないのですか、説明書と私の説明を纏めるとそうなりますね」
ジャージ姿のマリナと話しながら窓の外を見ると、モンスターらしき存在が見える。
「このまま外に出るのはかなり危険だな」
「私がマスターをお守りするので大丈夫だと思いますが、何があるかわからないですね」
他にタブレットをいじっていると、ショップ画面に移動したので見ると食料や武器などのアイテムが売っていた。
「俺の適正武器も売っているのか」
MPが5000ポイントあって1ポイントが100円くらいの価値みたいなので、
「術式ハンドガンが1000ポイントか。他にはアサルトライフルやスナイパーライフルとかもあるが高いな」
「強力な武器になる程高いのは当たり前です」
まぁ、そうだよな。
「とりあえず、ハンドガンを買うか」
1000ポイントを払ってハンドガンを買うと本体と説明書が出て来たので触ってみる。
「術力を弾丸にして撃つのか。リロードも無しで取り回しやすい」
「マスターの術力は平均よりもかなり高いので相性がいいですね」〈一般召喚士の術力は80〜100前後らしい〉
「それは良かった。後はアイテムや銃を入れるホルダーを買わないとな」
レベル1の回復ポーションと術力ポーションは100ポイントだったので5本ずつ、ホルダーも100ポイントだったので購入する。
「あの、私の装備だと外で目立ちますので、私の装備も買って貰えますか?」
「別にいいが高い装備は無理だぞ」
「そこは大丈夫です。1個1000ポイントの鉄の片手剣と鉄の盾、手入れの道具をお願いします」
マリナにオススメされた装備などを買うと残りのポイントが600ポイントになった。
「マスター、ありがとうございます。これで私も戦えます」
「前の装備では無理なのか?」
「一応前の装備に変更は可能ですが、目立つので今は使いたくないですね」
まぁ俺も目立ちたくないから、そこあまりは気にしない。
「他にも情報を集めた後、あまり出たくないが外に出るぞ」
「了解です」
マリナの了承も得たので2人で情報を集める事にする。