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かぼちゃスープ  作者:
2/2

第2話

 とりあえず、いったん戸を閉めた。 

 少しの間、部屋の前で思考した、結果どう考えたらそういうことになるのか

「ふむ。」

―観察してみることにした。



●●●●


 あらためて、部屋の中を見たが感動した。

 障子の隙間から日がもれて照らされて見える姿は、綺麗だった。

 戸から向かい側にある障子のほうに頭を向けて寝ており、今は静かに寝ていた。

 先ほどは女の人と称したがよく見たら、まだ幼さがあり女子高生にも見えなくもない。

 髪は長く、染めておりあまり手入れをしていないのか少し痛んでおり、明るい茶髪で日が当っている部分だけ金茶に見えた。

 顔のほうは眉をととのえているだけで、日本人顔ののっぺりした顔ではなく、化粧なしでも十分とはっきりとした美人だった。

 背は高く160cm以上はあり、体型はスラっとし、足は白く長いと美脚。

 

―うわ、撫で回したい。

 などと、変態思考で視線を顔に移すと


―あ、ほくろ見っけ。

 右耳の上のほうに1個。 


―そういえば、ほくろ占いなんてものがあったような。今度みてあげよう。

 などと勝手に人のほくろで盛り上がっていると、


「う・・ん」

 隣の美少年が起きた。

 緩慢とした動きで上体を上げ、焦点の定まらない目でボーっとしている。

 髪は明るいブロンドで、瞳は海を連想させるような深い蒼。

 幼さの中に精悍さが表れてきた、少年とも青年ともいえない曖昧で不安定ともいえるこの時期特有の姿だが瞳には静かな理知が伺えた。

 しばらくすると、頭がはっきりしたらしく周りを見まわしている。


―髪きれー・・・

 朝日が髪に当ってキラキラ光って見える。

 しばらく、髪を観賞し視線を戻すとこっちを向いて美少年は固まっていた。

 視線を合わせると


「っっ!」怯えられた。

 その時に後ろにのけぞった手が顔に乗ったらしく


「っ痛ー・・・」女の子も起きた。

 顔に置かれた手をつかんで、低い声で怒鳴った。

「なっにすんだ!」


「・・・」

 彼女が睨んでも、美少年はこっちに視線合わせて固まったまま。

 反応がないのを不審に思ったらしく、美少年が視線を向けているほうに顔を向けると


「なっっ!」びびられた。


―む、さっきから失礼だな。勝手に私の部屋で寝てるくせに。


 まあ普通は、戸の隙間から覗いてる顔を見たら、朝といえどもびびる。

 子供だったら絶対に恐怖して泣いているだろう。

 

―あれ?そういえば、私どこで寝てたっけ?

 

 視線を二人が寝ていた布団を見ると、薄い掛け布団が3枚。

 2人の間に1枚・・・


―あれ?


「あ。」


 同時に美少年が何かに気がついたような声を出した次に、彼女がはっと気がつき、素早く立ち上がって怒鳴った。

 

「お前なんだ!」


―なんだとは何だ。せめて、誰だだろう。しかも、布団がぐちゃぐちゃになってるし。

ああ、そういえば、私布団を片付けようとしてたんだ。


 当初の目的を果たそうと部屋に入ると


「わ!」「なあっ!!」また、びびられた。


「む、さっきから人のこと見てその反応は失礼でしょ。あと、布団は自分でたたんんでなおしてよね。ついでに、障子も開ける。」


 と言っても、2人とも視線が私の右手1点に固定したまま動かない。

 さすがにおかしいと思い自分の手を見ると、


―包丁があった。


「・・・あぁ、またか。」


「な!またって何だ?!とりあえず置け!!」


―さっきから、この子騒いでばっかりだなあ・・・おもしろ

 思わず微笑んでしまったのだが、彼女にはそうは見えなかったらしく


「ひっっ!」怯えられた。


 その反応が面白かったので、むくむくと悪戯心がでてきて思わず、ヒョイッと包丁の先を彼女のほうに向けた。

 

「ひぃぃ!」尻餅ついた。


 打てば響く鐘のような見事な反応が楽しくて、さらに近づくと


「お、お前、ふざけるなあ!!」

 

 尻餅ついたまま後ずされた。それを私的にはニコニコしながらさらに近づいた。


「うふふー、ふざけますともー」


 その様子をさっきまで呆然と見ていた美少年の前に紙が落ち、それを手に取るといきなり


「 一つ、起きたら電話すること

  二つ、お金はちゃんと使うこと

  三つ、冷蔵庫とダンボールにある食材を使いきること

  以上を守っていい子にするように。休暇の終わり頃には帰ります。

  追伸:台所に朝ごはんを作っておいたのでそれを食べるように。母より」


 とたんに、私は彼女をからかっていた(で遊ぶとも言う)体勢で止まった。

 その間に彼女は私からできるだけ遠くに逃げた。


「何ソレ?」激しく嫌な予感がする。


「君のポケットから落ちてきたものだけど?」


 かわいく、首を傾けながら言う美少年に


―わーかわいいー、それに以外に低い声・・・。じゃなくて!


「貸して!」


 ひったくるように取り、そのメモにすばやく目をすべらした。

 何回読んでもさきほど美少年が読んだ内容と変わらない。

 頭を抱えたくなった。

 実際にはもう抱えているが。

 

―落ち着け、私。落ち着け、私。まずは深呼吸して・・・。

 色々と突っ込んだりするところは、多々あるけど今は何よりも


「電話!!!」走った。

 

 ついでに言うと、包丁を持ったままである。


●●●●


 恐怖の対象が走っていった方を呆然と見ながら


「・・・今の、なに?」


 それに、にっこり笑いながら美少年は


「さあ?」


 楽しそうに答えた。


 

 

 


 


 



UPしましたー。

今だに彼女たちの名前がでてきませんね(汗)

次からはちゃんと名前で呼んであげられると思います。・・・たぶん

ちなみに、彼女の耳と同じように私の耳にもほくろがあります、大量に。

しかも、周りの人たちに聞くとそのたんびにほくろの数がころころと変わります。なぜ?!

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