森にいる理由
一回、データ消してしまって焦った。コピペしといてよかったです。
数日後
ステータスについて相談してから数日経った。別にこれと言って変わった事は無い。いつも通りに過ごしいつも通りに今日が終わる日々。何の変哲もない普通の日々。しかし、ふと、思う事がある。おじいちゃん達は、なぜこんな森にいるのだろう?おじいちゃん達と会って5年、今まで不思議には思わなかったけどよくよく考えるとここには人はいないしいたとしてもそう簡単に会えない場所にいるらしい。自分も実際におじいちゃん達以外の人に会った事は無い。そんな所に、おじいちゃん達がいるのは不思議だ。
「ねぇ、おじいちゃん」
「何だ?」
片手に、こっちの世界でのコーヒーのような物を飲みながら答える。
「何で、おじいちゃん達はこんな場所にいるの?」
「どう言う事だ?」
「だってここには、人もいないし何も無いじゃん。なら、森以外でおじいちゃん達が暮らしててもおかしく無いじゃん?」
「ああ〜その事か」
お前には、話した事が無かったか、と頭を掻きながら言う。
「少し、川に行こう。釣りにそろっと行かないといけない所だったし。それに、ここでは、おばあちゃんに聞かれる可能性があるからな」
「うん」
おばあちゃんに、聞かれるとまずいのか。一体どんな理由でここにいるんだ?
前回、釣りをしたヤマタノガワに着き、釣りの準備をしながらここに来た理由を話し出すカービン。
「昔、おばあちゃんは腕の立つ魔法使いだったんだよ。それは、この世界に右に出る者がいないぐらいの実力だったんだ。それである日、おばあちゃんが、本に載ってた若返りの薬を作ったんだ」
岩に隣り合わせで座り込む。
「そして、その若返りの薬貴重な物でな、それはそれは、毎日命を狙われたよ」
笑いながら言うカービン。内心、笑い事じゃ無いだろ。と思う。
「それでも、若返りの薬を守り切ったんだ。そしてある日、おばあちゃんが料理をしている時に誤って薬を作ってた料理に入ってしまったんだ。それに、気づかず二人で食べちゃたんだよね。そのせいで、体が最も健康だった時期に戻っちゃってそのまま、国には入れなくなって出てきたんだよ」
「それで、こんな所にきたって事?」
「厳密に言えば、もう一つの副作用の所為かな?」
「その、副作用って?」
「簡単に言えば不老。歳を一切取らないんだ」
流石に、驚く。自分の親が不老と知れば誰でも驚くだろう。
「でも、おじいちゃん達との最初の記憶は本当に老人て感じだったよ?」
「おいおい、傷つくな、自分の息子に老人なんて言われるの。まあ、そうなんだ。若返りの薬は、完成品じゃ無かったんだよ」
「えっ!しっかり若返ってるように見えるけど?」
「若返りの薬、まあ、正式名称を蓬莱と言うんだが」
蓬莱と言えば竹取物語に出てくる不老不死の薬だけど、あれは地球での古典のはずなんだけど・・・・この世界でも似たような話があるのか?
「で、その蓬莱は何で完成品じゃなかったの?」
純粋に不思議に思う。
「ああ、その蓬莱って薬は一言で言うと呪いだ」
「呪い?」
「そう呪い。それもすごくタチの悪い呪い。不老不死だ」
「不老不死って呪いなの?」
「ああ、不老は、まだしも不死が危険なんだ。死なない薬ではなく死ねない薬だ。それが、ミンチになっても細切れにされてもスライスされても必ず再生する。いかなる状態であってもだ」
思わず息を飲む。確かに、それは、呪いだ。薬とは言い難い。
「でも、蓬莱は薬であってその効力は、永久に続くわけじゃ無い。その為、薬の効果を早める薬をシューカが作ったんだ。それを、僅か5年で作るんだから、シューカは本当に天才だったんだろうね。まあ、それを飲んでやっと、元の体に戻れたと思ったけど違ったんだ。蓬莱は、若返りの薬として本に載ってた。つまり、不老不死は、単なる試験だったんだよ」
単純に、よく分からない。不老不死は若返りでは無いと言うことは分かるがそれが試験?
「5年の間で蓬莱について調べたんだけど、前にも何にかの人間か魔族が作って服用しているんだよ。結果は、最悪だった」
「それが、試験に関係あるの?」
「ああ、不老不死は、どんなに殺されても生き返るしどんな苦しみも耐えなければいけない薬の効果が切れるまで。でも、痛覚とかは生きている訳だし記憶も一生残り続ける。そのせいで、殺され続け心が壊れる者、辛い記憶や忘れたい記憶が一生残り続け心が壊れる者、薬の効果が切れるまでは耐えなきゃいけないんだ。心の壊れたものは自我を失い心を失い若返りは出来なかった。その、試験を超えたもの、つまりは、蓬莱に認められた者だけが若返るって感じかな。不老という副作用と一緒に」
「おじいちゃん達は、その地獄を乗り越えたの?」
「いいや、乗り越えたっちゃあ乗り越えたんだが、さっきも言ったろ?薬の効果を早める薬を飲んだってそれで、そこまで時間は掛からなかったんだよ。それでも、効果が現れ始めたのが3年前かな?まあ、一言でいえばズルだな」
「ズルなのかな?」
釣りを終え帰る準備をしながら喋る。
「ズルさ、本当は受けるべき試験を飛ばした感じだからな」
「そんなのか」
「ああ、まあ、この薬のせいで何百年と生きてるから国には入れなかったって感じかな?」
「え!?何百年も生きてるの!?」
「当たり前だろ。薬を作るのに5年でも効果が出るまで時間がかかったからな」
「なるほどね」
「ああ、あと、おばあちゃんには言わないでくれ、この問題に俺を巻き込んだこと悔やんでるから」
「わかったよ。秘密にしとくよ」
「ああ、頼むよ」
帰路を歩き家に着く。家に帰れば、おかえり、と笑顔で出迎えてくれるシューカ。幸せそうに喋るカービンとシューカ、こんな普通の夫婦で幸せそうな、二人なのに秘密はあるものなんだっと思った。
今回、長かった所為で文書が変だったらすいません。