17.少年と舞踏会
投稿が遅くなりつつ、内容もあまり進まないという状況です~( ~´・ω・`)~
頭の中で完結してても、文字に起こすというのはとても大変ですね〜
でも、そういうのも乗り越えながらゆっくり書いていこうかと思ってます(。>人<)
よろしくお願いします┏○ペコ
少年と手を繋ぎ大通りに出ることができた。
「お兄ちゃん、その……ありがとぅ。も、もし良かったら……お家まで」
「そうだな! さっきあんな目にあったばかりだもんな。任せろ、お兄ちゃんがしっかりお家まで守ってやるからな〜」
少年の柔らかな毛並みの頭を撫ででいて、ふと気づくと、自分の顔がどれだけ気持ち悪くなっているかが分かる。
《セスッ! こんなに表情って動くものなんだねッ》
魔界のことや、その他色々な知識に詳しいラティスでも知らなかったくらい、俺の顔は歪んでいるらしい。
「お兄ちゃん、行かないの?」
「今行くけどちょっと待ってろよ〜……ホレッ! 野菜の串焼きだ! お腹空いてただろ?」
ここに来るまでの間、少年のお腹が何回か鳴っていたのだが、また迷路のようなところで他の奴に襲われるのも嫌なので、大通りに来るまで我慢していたのだ。
「うわぁ〜、ありがとうっ! 皆この野菜はあんまり好きじゃないみたいなんだけど、わたしはすごーくっ好きなんだァ」
「そうなのかぁ、お兄ちゃんもこの野菜の串焼き、すごーく! 好きだぞぉ」
(なんて……なんて可愛いんだぁぁぁ!)
と、二人で串焼きを食べながら歩いていると、前方からこちらを指さしながら少年少女達が歩いてくる。
(少年の友達だろうな……俺の子守もここまでかな〜)
すると、手を繋いでいた少年が俺の手を強く握り後ろに隠れる。
今までの態度から分かるが、この子は照れ屋だ。だが同じ年くらいの子にここまで拒否をするものだろうか。
逃げるべきだろうかとも考えてしまったが、目の前にはゲラゲラと汚い笑いをした子供たちが集まってきてしまっていた。
「おやおや、またレストがあの野菜を食べてるようだねぇ」
「えぇ、よくあんなものを食べる気になりますわねぇ……あらぁっ人族の貴方も食べてるんですの?」
「人族でもアレ食べる奴いたのかよ〜」
散々な言われようだな……見た目に関しての悪口とかなら慣れてるから構わないが、食べ物を馬鹿にするのは許せないな。
だが、相手は子供だ……ここは大人の対応で……
「子供た────「人族は黙っててくださいなぁ」ち……」
話しかけることすらできないとは……
「それで、レストはもう組む相手は見つかったのかい?」
「わ、わたしはおば────」
「おばあちゃんはだめだろぉ、家族と組むのはダメなことだなんて誰でも知ってるもんなぁ」
「う……うぅ……」
「それとも、そこの人族と組んで舞踏会に来るかぁ? 会場は大盛り上がり間違いないだろうなぁ、舞踏会責任者の息子が人族なんかと踊るんだから! アーッハッハッ!」
「……るもん……」
「えっ? なんだってぇ? 聞こえないぞお!」
「わたしはッ! お兄ちゃんと出るもん!! お前らなんかよりも綺麗に踊ってみせるから! おばあちゃんにも認めてもらえるくらい……綺麗に、格好良く踊って見せるもんッ!!」
そう言うと少年は、俺の手を引きながら子供たちの横を通り抜けていった。
どうやら今度の武闘会についての話だったらしい。かなり真面目な話だったようで、途中で食べ物の事で怒ろうとした俺が場違いのように感じた。
人混みをかき分けながら進み、ようやく人が少ない路地へと入ることが出来た。
それでも止まらずに、少年は歩き続ける。
「しょ……少年……? どこまで行くつもりだ。人が少ないところで休憩するんじゃないのか?」
「あっ……えぇと、わたしの家……こっちなんです。あそこに見える『スティリア』ってお店、見えます?」
「ああ! あんだけ大きく書かれてれば誰だって……『スティリア』?」
《セス、野菜串のお兄さんが言ってた所と同じ名前だね〜》
《そうだな、武闘会に関係するから武器とか鎧を売ってるのかと思ったが、ここからはドレスとかスーツしか見えないな》
「アハハ……やっぱり驚いちゃった? ……わたし、この国の舞踏会責任者、ネストの孫なんです。黙っててごめんなさい」
そう言いながら少年は頭を下げる。言葉から、とても申し訳ない気持ちが伝わって来る。
「いやっ、全然謝ることじゃないぞ。逆にここに来ようと思ってたから、助かったぞ」
「ふえっ、ここに来ようと思ってたって、お兄ちゃんも舞踏会出る予定だったの?」
「いやぁ、武闘会に関係するお店だと聞いてたから、長旅の役立つものがあると思ってたんだがぁ……着るものしかなさそうだしなぁ。店間違えたかなぁ」
同じ名前の店くらい、この広い街の中にはまだあるだろうし、可能性は捨てきれないだろう。
「お兄ちゃん……? 舞踏会に関係して旅の役立つものなんかあるの?」
「へっ……?いや、なんか武装とか売っててもおかしくないだろ?」
「……お兄ちゃん、舞踏会は戦わないよっ。男達の闘いの場ではあるけど……多分勘違いしてるよぉ」
あぁ……天下一とかを決める方の武闘会じゃないのか……これは、あれか、踊る方か。
「な、なるほど。だとしたら俺に出る意味はなさそうだから帰るとしようかな」
「えっ……」
俺の一言に、少年の表情が凍りついていた。
よく考えてみると、さっきの子供たちに俺と一緒に出場するって言ってたもんなぁ。
戦いだったら俺一人でも頑張れるからいいかと思っていたが、踊りとなると絶望的だ。
なにせやった事がないし、特典の適正範囲外だろうからな。
頑張ってやれても人並み程度だろうな。
「少年……後で一緒に踊ってみるか?俺がどれだけ踊れないかを見れば、少年も納得するだろう」
「う……うんッ!! ねぇ、お兄ちゃん、約束して。わたしがしっかりエスコートして、お兄ちゃんが踊れると少しでも思ったら、一緒に出場してくれるって!」
「おうっいいぞ! 結構自信があるようだが……この身長差でもいけるもんなのか?」
少年に疑問を投げかけたが、少年は俺の顔を見てニコニコしてからお店の方に行ってしまった。
出会った頃の少年と同じとは思えないほど、自信に満ち溢れていた。
(てか、ダンスって男同士でやってもいいものなんだろうか……テレビとかでも全然見たことないから分かんないなぁ)
唯一見ていたダンスでも、3Dキャラとかのダンスばかりで、社交ダンスに関しては知識の一欠片もなかった。
まあ、あれだけ笑顔の少年が見れはたんだから、とりあえずいいか。
「お兄ちゃんっ! 置いて行っちゃうよぉ!!」
「ああっ!! 今行く!」
こうして、お店の中へと二人仲良く入っていった。
読んでいただきありがとうございます!
ダンスに関してなんですが、某〇ーグル先生で調べた所、日本では女性同士のダンスはあっても男性同士は無いらしいですね〜( °_° )
海外ではあるようですが(><)
文化も色々あるんですね〜
ということで、今回の話はここまで〜次回はどこまで行けることやら。
それではまた次回( *˙ω˙*)و グッ!